
登壇者:長澤まさみ、瀬戸康史、風吹ジュン、田中哲司、池村碧彩(子役)、矢口史靖監督、アヤ人形
映画『ドールハウス』のジャパンプレミアが都内で行われ、主演の長澤まさみ、共演者の瀬戸康史、風吹ジュン、田中哲司、池村碧彩(子役)、メガホンを取った矢口史靖監督が出席してクロストークを行った。劇中重要な役どころで出演している人形のアヤも一緒に登壇した。

本作は、世界三大ファンタスティック映画祭の一つであるポルト国際映画祭でグランプリ「Best Film Award」に輝き、香港国際映画祭、ウディネ・ファーイースト映画祭でも上映されて大きな反響を得ている。今後20ヵ国以上の公開が決まるなど、海外での評判も高い。『ウォーターボーイズ』『ハッピーフライト』などの矢口監督が原案・脚本・監督を務めた。
幼い娘を亡くして悲しみに暮れる夫婦。妻が骨董市で手に入れた人形と一緒に暮らすことで元気を取り戻す。その後、新たな娘を授かったことから奇妙な出来事が次々と起きはじめ、家族が人形に翻弄されていく姿が描かれるノンストップの“ドール・ミステリー”。
光沢のある美しいピンクのドレス姿で登壇した長澤は、主人公・鈴木佳恵役を演じている。「110分の間、ノンストップで繰り広げられるジェット・コースターのようなアトラクション・ムービーです」と笑顔で作品を紹介し、「ゾクゾク、ワクワクを楽しんでください!」と客席に向かって呼びかけた。

瀬戸は「僕はゾクゾクする映画が大好きなんです。この作品は特に大好きな映画。恐怖と笑いがすごいバランスでちりばめられています。やりすぎないように意識しながら演じました」と撮影を振り返った。

この日は、反響の大きかった怖い2シーンを観客と登壇者が一緒に鑑賞するという演出が行なわれた。上映後、長澤は「皆さんの顔を見ていると、すごく映画が楽しかったのかなというふうに見えるので、たくさんの方にきっと届くだろうと、これからが楽しみになりました。嬉しいです」と声を弾ませた。続けて、「ゾクゾクするシーンだけではなく、家族の物語も丁寧に描かれています」と見どころをもアピール。さらに、「海外でもこの映画をたくさんの人に楽しんでもらえたと思うと嬉しいです」と海外での大きな反響に喜びもひとしおの様子だった。

最初のシーンは会社から戻った夫の忠彦(瀬戸)が初めて人形のアヤと対面するシーン。帰宅後、忠彦が椅子に座ろうとしてアヤの姿に気づき、飛び上がって驚くシーンに客席からは笑いも起こった。
次は長澤が演じる佳恵が娘とかくれんぼをするシーン。すりガラス越しにうつる娘の顔が不気味だ。(マウス・オープナーを使用して口をガバっと開けているそう)
長澤は前者が気に入っていると明かし、人形のアヤについては「可愛いです。表情が豊かで、時々笑いかけてくる時もあるんです」と話し、観客を驚かせ、怖がらせた。
瀬戸が隣にいる人形のアヤの顔を覗き込み「僕にはウィンクしてくれたり、微笑みかけて来たり、話しかけてくれたりもしました」と笑顔で明かすと、観客からは驚きの声が上がった。

アヤ人形を抱き抱えて登場した佳恵と忠彦の娘・真衣役を演じた池村は、アヤとの共演シーンが多い。アヤについて「最初に自己紹介してくれました」と明かし、客席にどよめきを起こす。作品を観た感想を聞かれると「ゾクゾクな映画を観たのは初めてなのでドキドキしました!」と可愛く話していた。


佳恵と忠彦の前に現れる呪禁師(じゅごんし)神田役を演じた田中は「罪な作品だなって。幸せな気持ちになったらすぐにどん底に突き落とされて、ほんわかしてきたら、とんでもないことが起こる。その繰り返しで、体に悪いなって……(笑)」と作品について話した。

忠彦の母・敏子役を演じる風吹は、「撮影から1年がたっています。私は矢口監督の大ファン。面白くて楽しい。こんな作品が作れるんだなって、驚きと感動でした。ジェット・コースターに1時間乗りっぱなしみたいなストーリー展開。大好きな作品です!」と興奮気味に伝えた。また、長澤について「撮影中もずっと役に入っていて、声をかけられなかった」と撮影時を振り返っていた。

この日は、客席の反応を見るために観客と一緒に観賞していたことを明かした矢口監督は、海外で上映された時を振り返り、「海外の方は反応が大きい。今までコメディばっかり撮ってきた僕が、こんな怖いものを作りました。ずっと怖いものをやりたかったんです。ようやく日本のお客さんに観ていただけて非常に嬉しいです。違和感をあちこち仕込んでいます。皆さんからはいい反応をもらえました」と満面の笑み。イベント中、矢口監督は“謎の人形アヤ”の顔の向きを変えたり、髪をととのえたりと “アヤ”の世話をやきっぱなしだった。

最後に、長澤は「本日はありがとうございました」と頭を下げ、「ゾクゾク、ワクワクして楽しんでいただける作品だと思います。お友達やご家族、いろんな人に感想を伝えていただければ嬉しいです。皆さんでこの“ゾクゾク”映画、ドール・ミステリーを盛り上げていきましょう!」と呼びかけた。

(取材・文・写真:福住佐知子)
公開表記
配給:東宝
2025年6月13日(金) 全国東宝系にて公開