
登壇者:木下 麦監督、松尾亮一郎プロデューサー
フランスの現地時間6⽉8⽇(⽇)より開催されたアヌシー国際アニメーション映画祭2025にて、現地時間6⽉12⽇(⽊) 13:00(⽇本時間6⽉13⽇[⽊]20:00)に⽊下⻨監督の『ホウセンカ』がワールドプレミア上映され、⽊下⻨監督、松尾亮⼀郎プロデューサー(株式会社CLAP)が登壇した。
世界最⼤規模のアニメーション映画祭として知られるアヌシー国際アニメーション映画祭。TVアニメ「オッドタクシー」で⼀躍話題となった⽊下監督が⻑編映画を⼿掛けるのは今回が初めて。昨年、制作中の作品をプレゼンテーションするWork in progress部⾨での本作出品に続き、今年の⻑編コンペティション部⾨にて2度⽬のアヌシー国際アニメーション映画祭参加となる。1年ぶりの凱旋に、多くのファンが期待とともに作品を出迎えた。
ワールドプレミアとなる公式上映の会場は映画祭最⼤のスクリーンとなるボンリュー劇場。949席のチケットは受付開始とともに即完売し、当⽇券を求める⼈々が会場前に列を成す盛況振り。上映前にはステージへ作品の期待を込めて紙⾶⾏機を⾶ばすのが恒例だが、本作でもたくさんの紙⾶⾏機が数多く⾶ばされていた。

⽊下監督、松尾プロデューサーは本作の重要なキャラクターであるホウセンカのぬいぐるみとともに舞台へ登壇。会場に詰めかけた観客から⼤きな歓声と拍⼿で迎えられた。

まずはじめに松尾プロデューサーが2022年に『夏へのトンネル、さよならの出⼝』でもこのステージに⽴ったことに触れつつ、「『ホウセンカ』という作品は⽇本では企画が成⽴するのがなかなか難しい作品なんですけども、アヌシーで『夏へのトンネル〜』が賞を獲ったことが後押しになり実現できました」と、感慨深く語り、「⽊下⻨監督のアイデアと脚本の此元和津也さんのストーリー・テリングによって、とても⾒応えのある素敵な映画になったと思っていますので、皆さん楽しんでいってください。と観客にメッセージを送った。

松尾プロデューサーからマイクを受け取った⽊下監督は「Bonjour!(こんにちは)」と完璧な発⾳のフランス語で会場に挨拶。会場からも「Bonjour!」と返ってくると、今度は「Ça va?(元気?)」「oui(元気︕)」と、流れるようなコール&レスポンスに会場は⼤盛り上がり。⼤きな拍⼿に応えながら「本当は賢いんですけど、この後は⽇本語でしゃべりますね」と会場の笑いを誘った。⼀転、「今⽇は観に来てくれてありがとうございます」と観客への感謝を伝えながら「この作品は、美しさと純真さを⼤切にして作りました。美しさは⼈⽣を豊かにします。美しさは⽇常⽣活の⾝の回りに実はありふれています。しかし、我々は⾒過ごしてしまうことが多いんです。ただ、この映画はそこに向き合って、美しさとはなにか、純真さとはなにかを突き詰めて考えた作品です。これを⾒た⼈は今⽇はとてもいい気持ちになると思います。今晩、寝る前にまた思い出して欲しいのですが、今⽇はいい⽇だったな、と思うはずです。僕はその⾃信があります」と映画に込めた思いを語り、出来栄えへの⾃信が垣間⾒えた。
上映が始まると、テンポのよい会話劇に会場からは⼤きな笑いが何度もあがった。笑いばかりではなく、衝撃の展開に没頭していた観客が息を呑む場⾯も。終盤では思わず涙する⼈の声で溢れ、⼼に残るストーリーであることが伺えた。上映終了後は、会場中央で⾒ていた⽊下監督、松尾Pを割れるようなスタンディングオベーションが迎えた。

また、会場に残るファンの熱は引ききらず、その後も異例となる形でその場で囲まれサインをする⼀幕もあった。


会場で作品を観た観客は「素晴らしい芸術品です」「美しいストーリーで構成が素晴らしかった」「最後まで⾒ると、⼤逆転に⾄るまでの全ての過程が理解できます。終わりは本当に最⾼潮に達し、感動的でした」「とても感動し、息を呑むような体験でした」と⼤絶賛。ヤクザと花の物語が国を問わず多くの⼈々の⼼を震わせた。
また、翌⽇にはサイン会が実施され、⽼若男⼥さまざまな100⼈を超える多くの⼈が詰めかけ、⻑蛇の列をなした。サインを求める⼈々の中には「オッドタクシー」のファンも多く⾒られ、ファンアートや⾃⾝で⼿作りしたグッズなどを持参し、「今⽇のためにイギリスから来た」という⼈も。それぞれ熱⼼に⽊下監督に 「オッドタクシー」『ホウセンカ』の感想を伝え、監督は⾝振り⼿振りを交えつつ丁寧にその声に応えていた。フランスのみならず、イギリス、アメリカ、タイ、台湾などさまざまな国籍のファンが訪れ、多くの地域で⽊下監督に注⽬が集まっていることが伺えた。
世界中のアニメファンを魅了し、注⽬が⾼まる『ホウセンカ』。今後の続報にぜひご期待いただきたい︕

■アヌシー国際アニメーション映画祭について
1960年、カンヌ国際映画祭からアニメ部⾨を独⽴させる形で設⽴した、世界最⼤規模のアニメーション映画祭。⻑編・短編・TVシリーズ・VR など多様なカテゴリーで国際的な作品を紹介し、アニメーション界の最先端を象徴する祭典。
公開表記
配給:ポニーキャニオン
2025年秋 公開
(オフィシャル素材提供)