
登壇者:滑川将人(監督・出演)、長谷川亜由美(出演・撮影・アニメーション)
バイク1台での世界一周の旅を記録したドキュメンタリー映画『タンデム・ロード』が6月13日(金)、全国で初日を迎えた。東京・木場の「109 シネマズ木場」では、監督・出演を務めた滑川将人と、出演・撮影・アニメーションを担当した長谷川亜由美が舞台挨拶を行った。
本作は、アドベンチャーバイク1台に2人乗りし、2013年から427日間、約6万キロにわたって世界一周に挑んだカップルの記録を描いたドキュメンタリー。滑川監督と長谷川が自らの旅を、自らの手で映像化した。
滑川監督は「6月13日は、偶然にも僕たちの旅が始まった日。この日に初日を迎えられて感無量です。新たな旅のスタートラインに立てたのは、応援してくださる皆さんのおかげです」と感慨深く語った。長谷川も「夢だった映画公開を迎えることができて、本当にうれしいです。映画化は一度は諦めかけた夢でしたが、皆さんのおかげで叶いました」と声を詰まらせながら想いを伝えた。
物語は、激務と人間関係に疲れた長谷川の視点から、自分自身を見つめ直し、成長していく姿を描いている。作中には彼女が心情を表現したアニメーションも挿入されており、作品の大きな見どころとなっている。
長谷川は「新たな才能を皆さんにお見せできたかな(笑)。皆さんに褒められるので、こういうことも言えるようになりました」と笑顔を見せると、滑川監督は「そういうことを言えるようになったんだな」としみじみ語った。
印象に残った国については、2人とも「ロシア」と即答。滑川監督は「日本のすぐ隣に、これほど異世界のような場所があることに驚きました。ロシアの人たちはとにかく優しかった」と振り返った。長谷川も「人見知りの私が、人との関わりの楽しさに気づかされた。あの時の気持ちが、今も心に残っています」と語った。
旅の途中の生活については、約半分を自炊で過ごしたという。滑川監督は「北欧ではマクドナルドが2000円くらいしたので、僕が料理を担当しました。モンゴルで食べた、水餃子のようなまんじゅうが美味しかったですね」と回想。長谷川は「私はボルシチが印象深いです。ロシアのカフェ(ホテル兼レストラン)では必ずメニューにあって、200キロごとにボルシチを食べていました。まるで日本の味噌汁のように、心がほっとする味でした」と思い出を語った。
最後に、長谷川は「この映画は、4DXよりも体感できる作品です。観終わった後は少し疲れるかもしれませんが、楽しんでください」とアピール。滑川監督も「映画の主人公は僕たち2人ですが、観客の皆さんが“3人目の旅人”だと思っています。一緒に旅する気持ちで観てもらえたら」と呼びかけた。

コメント

松村邦洋
「電波少年」より時間を使い、喧嘩まで本当の顔がみられる臨場感には恐れ入りました。
土屋敏男
世界中のすべての街は誰かのふるさとで、そしてそれらは泥や埃にまみれた道で繋がっている。さまざまな風景が人間が感情がグラデーションのように毎秒毎分で繋がっていて、気がつくと主人公は地球の裏側に来ている。飛行機で行ってしまえばそれは点と点だがバイクはそれをつながりだと教えてくれる。主人公の不安や喜びの心象風景がそこに色を加え「自分にしかない記憶」として世界が彼女の中に染み込んでいくさまはまさに「人生は旅で、旅は人生だ」とそれを見ている人に染み込ませる。旅好きな人も旅好きでない人も旅に出たくなる、自分の旅をしたくなる。そして今いるこの毎日は旅なんだと気づかせてくれるそんな映画。
公開表記
配給:ニコニコフィルム
新宿ピカデリー、109シネマズ木場、全国34館のイオンシネマにて公開中
(オフィシャル素材提供)