イベント・舞台挨拶

『Black Box Diaries』公開記念舞台挨拶

©Star Sands , Cineric Creative , Hanashi Films

 登壇者:伊藤詩織監督、コムアイ

 ジャーナリストの伊藤詩織が、自らの性被害事件を調査したドキュメンタリー映画『Black Box Diaries』。12月26日にはT・ジョイ PRINCE 品川にて上映記念特別イベントが実施され、伊藤詩織監督と歌手でアーティストのコムアイがアフタートークを行った。

 満員御礼の上映後、拍手喝采に迎えられてステージに登壇した2人。直前まで観客席で1年ぶりに本編を鑑賞したという伊藤監督は「何度も何度も編集作業を通して苦しくなって観ないようにしていたけれど、今日は皆さんと一緒に鑑賞したいと思いました。でもすごくカロリーを使う体験でした」と心境を述べながら「観客の皆さんも金曜日の夜という一番エネルギーを使った日の後にご来場いただき、本当に嬉しく思います」と集った観客たちに感謝した。

 伊藤監督とは旧知の仲のコムアイ。「サバイバーの方にはいろいろなトリガーになりうる内容が含まれている作品です。しかもそれを作ったのが張本人だったら……。自ら監督したとはいえ、1年間作品を観ることが出来ないという気持ちはすごく理解できる」と心を寄せて「今更だけれど1年ぶりに作品を観てくれて、そして今ここに立ってくれて本当にありがとう」と伊藤監督を労った。

 また公開初日に同劇場で本編を鑑賞したというコムアイは「その時も拍手が鳴りやまなくて、公開からしばらくたって今日も皆さんの拍手。この想いのこもった音。今まで聴いたことがないなと思いました」と観客の熱量に感激。伊藤監督やプロデューサーに向けて「この映画を作ってくれたことに感謝したいです」と頭を下げていた。

 そしてコムアイは「これは伊藤さんがジャーナリストとしてではなくて、当事者として感じたことを素直に打ち明けて、自分の中にある箱を開けるのみならず、それをみんなに開いてくれた。この映画を作るということは、伊藤さんの人生の中でとても価値のあること。友人として『サバイブして作ってくれてありがとう!』という気持ちです」とリスペクト。本作を通して、声を上げることのできなかった無数の性被害者たちの存在にも想いを馳せたと述べた。

 一方、伊藤監督もこの日参加したコムアイについて「本作について私自身に対してのいろいろな見解がある中で、いろいろなリスクを取って今日この場所に来てくれた。それは友人としても、一人の人間としても本当にすごいことだと思います」と感謝しきり。これにコムアイは「私がやっていることなんて小さいし、今このタイミングで何か手伝おうとすることにリスクなんてありません。でも本作から教えてもらったことのお陰で、今日この場所に来て伊藤さんとトークが出来たらと思ったのは確かにあります」と本作に背中を押されたと話した。

 また伊藤監督は本作製作に際して「撮影して編集をしている時は、本当に伝わるのだろうか?という葛藤があって怖かった。日本で公開できるのかも分からなかったので、こうして皆さんに映画を観る機会を作っていただき、実際に映画館に足を運んで同じ空気を吸っていただけたことで、やっと何かを伝えることができたと思う」と手応えを口に。「私にとって本作を作ることがサバイブになっていたのはすごくあった。作っている時は解離もあって、急にスイッチが切れる瞬間もありました。でもそれが完成に近づくにつれてなくなっていきました」と振り返った。

 コムアイも本作を他者と映画館でシェアすることの重要性を説いた。「鑑賞中は緊張感のあまり、まるで走っているかのようなカロリーを使います。だからこそ皆で、劇場で観ることの価値がすごくある気がします。一緒に皆でこれを体験しているという、一人じゃなくて皆で観ている感覚。私はそれを支えにしながら最後まで鑑賞しました」。

 最後に伊藤監督は「今日はとにかく温かくしてセリフケアをしてください。この映画を観に来ていただいて体験していただいて。それで初めて作品として届いて生まれるものだと思うので、最後までこちらにいてくださったことを嬉しく思います。公開後、私は精神的に辛くて三日くらい寝込んだけれど、今日この場に出て来て良かったと思います。元気が出ました」と呼び掛けていた。

 さらに、現在6劇場での上映が決定している中、、あらたに21劇場の追加上映が決定し、公開館数が28劇場への拡大が決定した!

1月3日(土)~
 ■東京・kino cinema立川高島屋S.C.館

1月9日(金)~
 ■栃木・小山シネマロブレ
 ■東京・Kino cinema新宿
 ■長野・長野千石劇場
 ■長野・松本シネマライツ
 ■長野・上田映劇
 ■愛知・伏見ミリオン座
 ■兵庫・Kino cinema神戸国際
 ■宮崎・宮崎キネマ館

1月23日(金)~
 ■山形・フォーラム山形
 ■岩手・フォーラム盛岡
 ■福島・フォーラム福島
 ■大阪・Kino Cinema心斎橋

1月30日(金)~
 ■北海道・函館シネマアイリス
 ■佐賀・シアター・シエマ

2月13日(金)~
 ■群馬・シネマテークたかさき

2月20日(金)~
 ■栃木・宇都宮ヒカリ座

3月20日(金)~
 ■静岡・シネマイーラ

近日公開
 ■山梨・シアターセントラルBe館
 ■広島・福山駅前シネマモード
 ■沖縄・桜坂劇場

<決定済み劇場>

公開中
 ■東京・TジョイPRICNE品川
 ■宮城・フォーラム仙台

1月9日(金)~
 ■大阪・T・ジョイ梅田
 ■神奈川・横浜ブルク13
 ■福岡・T・ジョイ博多
 ■広島・広島バルト11
 ■新潟・T・ジョイ新潟万代

 今後、さらなる拡大も期待される。

 そして、この反響を受け、映画『Black Box Diaries』製作・配給チームは、本作の日本公開における配給収益の一部を、性暴力の被害者・サバイバーを支援する団体へ寄付することを決定した。

 本寄付は、被害者の安心と尊厳を守り、必要な支援にアクセスできる環境づくりに取り組む団体の活動に充てられ、寄付先団体名、寄付対象期間、寄付金の算定方法などの詳細は、確定次第、改めて発表とのこと。
 今回の寄付の決定を受け、以下監督からのコメントも到着した。

伊藤詩織(監督)コメント
 性暴力の被害を受けたあと、何度も『生きていていいのか』『ここにいていいのか』と問い続けてきました。
 同じように孤立や絶望の中で声を失っている人たちに、少しでも具体的なかたちで支えを届けたいと思い、この決断をしました。
 すべてのサバイバーに、どうか生き延びてほしい。
 どうかこの世界で生きることを諦めないでほしい。その願いを込めています。
 本作が届くことで、鑑賞者それぞれの場所で対話が生まれ、支援の回路が少しでも増えていくことを願っています。

公開表記

 配給:スターサンズ、東映エージエンシー
 T・ジョイ PRINCE 品川 他 絶賛上映中

(オフィシャル素材提供)

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