最新ニュース映画祭・特別上映

生誕100周年を迎える今村昌平監督作『「エロ事師たち」より 人類学入門』第76回ベルリン国際映画祭クラシック部門(ベルリナーレ・クラシックス)で4Kデジタル修復版がワールドプレミア上映決定!

©日活

 2026年に生誕100周年を迎える今村昌平監督の作品から、今村プロダクション製作、1966年劇場公開の今村昌平監督『「エロ事師たち」より 人類学入門』(えろごとしたちよりじんるいがくにゅうもん)4Kデジタル修復版が、第76回ベルリン国際映画祭のクラシック部門(ベルリナーレ・クラシックス)に選出され、ワールドプレミア上映が決定した。
 また、今回の選出に際して、ベルリナーレ・クラシックス責任者のヘリーン・ヘリッセン氏は、「今村昌平監督の『「エロ事師たち」より 人類学入門』は、日本社会を“人類学的な眼差し”で見つめた風刺的傑作であり、その大胆なユーモアと社会批評性は、今なお鮮烈な輝きを放っています。複雑で覗き見るようなカメラワーク、そして大阪の裏社会で生きる個性豊かな登場人物たちが織りなす物語は、時代を超えて観客に深い印象を与えるでしょう」と、選出コメントを寄せている。

 「ベルリナーレ・クラシックス」は2013年に設立されたベルリン国際映画祭の一部門で、世界の映画関係者によって過去1年間に修復されたクラシック作品の中から、特に優れた作品が選出され、上映される。日本映画はこれまでに『東京物語』『秋日和』(小津安二郎監督)、『武士道残酷物語』(今井 正監督)、『ゴジラ』(本多猪四郎監督)、『清作の妻』(増村保造監督)など、名だたる巨匠の作品の修復版が選出されている。

 『「エロ事師たち」より 人類学入門』(英題:The Pornographers)は、野坂昭如の小説『エロ事師たち』をもとに、エロ映画などを製造販売して生計を立てている裏街道の人間――エロ事師たちを通じて、日本人の性意識を鋭く抉る異色の社会喜劇。公開当時も問題大作として評されたほどの挑戦的な作品であり、1966年のキネマ旬報ベスト・テンで第2位を獲得。今村昌平監督作品が同映画祭のクラシック部門に選出されるのは初めてとなる。

【第76回ベルリン国際映画祭について】
 ドイツのベルリンで開催される映画祭。今回は現地2月12日~22日に開催される。世界三大映画祭の一つで、コンペティション部門を含む複数の部門からなる。2021年のコンペティション部門に出品された濱口竜介監督『偶然と想像』が最高賞に次ぐ銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞し、前回2025年は横浜聡子監督『海辺へ行く道』がジェネレーションKプラス部門で特別賞を受賞している。他にも、2022年三宅 唱監督『ケイコ 目を澄ませて』、2023年新海 誠監督『すずめの戸締り』、2024年三宅 唱監督『夜明けのすべて』など、日本映画の出品が続いている。今年のコンペティション部門審査員長にはヴィム・ヴェンダースが任命されている。

ベルリナーレ・クラシックス
 2013年に新設されたベルリン国際映画祭の一部門。1977年からドイツ・キネマテークによって運営され、優れた旧作を上映するレトロスペクティブ部門に加わる形で設立された。世界の映画関係者によって過去1年間で修復されたクラシック作品の中から、特に優れた作品が選出され、ワールドプレミア上映される。日本映画はこれまでに『東京物語』『秋日和』(小津安二郎監督)、『武士道残酷物語』(今井正監督)、『ゴジラ』(本多猪四郎監督)、『清作の妻』(増村保造監督)など、名だたる巨匠の作品の修復版が上映されており、同部門での日活作品の選出は初めてとなる。
 今回ベルリナーレ・クラシックスの他の選出作品には、『リービング・ラスベガス』(1995)や、日本からの『獣兵衛忍風帖』(1993)などがある。

【ベルリナーレ・クラシックス責任者(Head of Berlinale Classics)ヘリーン・ヘリッセン(Heleen Gerritsen)全文コメント】

 今村昌平監督の『「エロ事師たち」より 人類学入門』は、日本社会を“人類学的な眼差し”で見つめた風刺的傑作であり、その大胆なユーモアと社会批評性は、今なお鮮烈な輝きを放っています。複雑で覗き見るようなカメラワーク、そして大阪の裏社会で生きる個性豊かな登場人物たちが織りなす物語は、時代を超えて観客に深い印象を与えるでしょう。
 このたび、第76回ベルリン国際映画祭において、本作の新たな修復版を上映できることを心より光栄に思います。戦後日本映画、そして日本ヌーヴェルヴァーグを代表する巨匠・今村昌平監督の比類なき業績を称え、その遺産を世界に紹介いたします。

今村昌平(いまむら・しょうへい)

©日活

 1926年9月15日 – 2006年5月30日、 東京都出身。
 黒澤 明の『醉いどれ天使』を観て映画監督を志し、1951年、早稲田大学第一文学部卒業後、松竹大船撮影所に入社。助監督として小津安二郎の『麦秋』や『東京物語』につく。1954年に日活に移籍し、川島雄三のチーフ助監督に。『「テント劇場」より 盗まれた欲情』(1958年)で監督デビューし、同年の『果しなき欲望』と合わせて、ブルーリボン賞新人賞を受賞。続く『にあんちゃん』(1959年)は文部大臣賞を受賞し、これにより今村昌平の名が世間に知られることになった。『豚と軍艦』(1961年)ではブルーリボン賞作品賞を獲得。さらに『にっぽん昆虫記』(1963年)は第14回ベルリン国際映画祭に出品され、国内外の映画賞を数々受賞した。この作品で、欲望にかられる人間を捉えた独自のスタイルを確立する。『赤い殺意』(1964年)の後、1965年に日活を退社し、今村プロダクションを設立。『神々の深き欲望』を1968年に発表して以降、長期間劇映画の制作を休止していたが、『復讐するは我にあり』(1979年)で復帰。制作休止中の1975年に横浜放送映画専門学院(現・日本映画大学)を設立し後継者育成を始める。『楢山節考』(1983年)と『うなぎ』(1997年)で、カンヌ国際映画祭パルムドール賞(グランプリ)を二度受賞という快挙を遂げた。世界の巨匠11人がそれぞれの視点で描いた『11’09”01/セプテンバー』(2002年)が遺作となった。

【フィルモグラフィ】
 「テント劇場」より 盗まれた欲情(1958) / 西銀座駅前(1958) / 果しなき欲望(1958)/ にあんちゃん(1959) / 豚と軍艦(1961)/ にっぽん昆虫記(1963)/ 赤い殺意(1964) / 「エロ事師たち」より 人類学入門(1966) / 人間蒸発(1967) / 神々の深き欲望(1968) / にっぽん戦後史 マダムおんぼろの生活(1970) / 復讐するは我にあり(1979) / ええじゃないか(1981) / 楢山節考(1983) / 女衒 ZEGEN(1987) / 黒い雨(1989)/ うなぎ(1997) / カンゾー先生(1998) / 赤い橋の下のぬるい水(2001) / 11’09”01/セプテンバー11(今村昌平編)(2002)

【4Kデジタル修復版について】
 日活株式会社が所蔵する35㎜オリジナルネガを素材として、2026年にイギリスにてデジタル修復を行ったもの。
 修復:日活株式会社、Radiance Films
 フィルムスキャン:株式会社IMAGICAエンタテインメントメディアサービス
 デジタル修復:Heavenly Movie Corporation

『「エロ事師たち」より 人類学入門』

イントロダクション
 野坂昭如の小説『エロ事師たち』をもとに、今村昌平監督が日本人の性や家族制度を鋭く抉った重喜劇。真面目にエロに取り組む主人公を小沢昭一が演じ、その年の主演男優賞を総なめにした。

ストーリー
 関西の寺の息子・スブやんこと緒方義元は高校卒業後、大阪で真面目にサラリーマンを勤めていたが、ふとしたことからエロ事師の仲間入りをしたのがきっかけでサラリーマン生活を捨てた。「人間の生きる楽しみいうたら、食うこととこれや。そのこっちゃのほうがあかんようになってみい、もう終わりやで。わいの商売はな、そんな男たちにもう一度夢を取り戻したる、いわば人助けの慈善事業なんや」と説き、エロ写真、エロ映画、エロ薬などエロのことなら何でも提供していた。スブやんには二人の仲間がいた。8ミリ撮影のベテラン・伴的と、顔のすげ替えエロ写真に抜群の腕を持つカボーである。スブやんは未亡人・春が営む理髪店に下宿していたが、春とできてしまい、彼女の二人の子ども・予備校生の幸一と中学3年の恵子も養うことに。こうして一家の大黒柱として働くことになったスブやんだったが、やがて恵子にも手を出してしまう……。

 (英題:The Pornographers、1966年、日本、上映時間:128分)

キャスト&スタッフ

 監督:今村昌平
 原作:野坂昭如
 企画:今村昌平 友田二郎 山本一哉
 脚本:今村昌平 沼田幸二
 音楽:黛 敏郎
 撮影:姫田真左久
 照明:岩木保夫
 録音:紅谷愃一
 美術:高田一郎
 編集:丹治睦夫
 製作:今村プロダクション
 出演:小沢昭一 坂本スミ子 中村鴈治郎 ミヤコ蝶々 田中春男 佐川啓子 近藤正臣 西村 晃 菅井一郎 中野伸逸 内田朝雄 北村和夫 殿山泰司 浜村 純 菅井きん 木下サヨ子 園佳也子 他

(オフィシャル素材提供)

関連作品

スポンサーリンク
シェアする
サイト 管理者をフォローする
Translate »

このページの内容をコピーすることはできません

タイトルとURLをコピーしました