
在宅医として2500人以上の看取りを経験してきた医師で作家の長尾和宏による同名小説が原作の映画『安楽死特区』は、近未来の日本で「安楽死法案」が可決され、国家主導で導入された制度のもと、人間の尊厳、生と死、そして愛を問う衝撃の社会派ドラマである。
監督は、『痛くない死に方』(2020)、『夜明けまでバス停で』(2022)、『「桐島です」』(2025)などの高橋伴明。今年7月に公開された同じく毎熊克哉主演の前作『「桐島です」』は、メイン館の新宿武蔵野館で13週のロングランヒットを記録し、第80回毎日映画コンクールで、日本映画大賞、毎熊克哉(主演俳優賞)、梶原阿貴、高橋伴明(脚本賞)、内田勘太郎(音楽賞)の4部門にノミネートしている。
この度、1月23日(金)より新宿ピカデリーほかにて全国順次公開されるのを前に、『安楽死特区』藤岡 歩役の大西礼芳のオフィシャル・インタビューが到着した。また、同じく高橋伴明監督の『痛くない死に方』に主演した柄本 佑(俳優)の推薦コメントも到着した。
大西礼芳 Onishi Ayaka プロフィール
1990年6月29日生まれ、三重県出身。
大学在学中に制作された『MADE IN JAPAN 〜こらッ!〜』(11/高橋伴明監督)でデビュー。主な映画出演作は『菊とギロチン』(18/瀬々敬久監督)、『嵐電』(19/鈴木卓爾監督)、『花と雨』(19/土屋貴史監督)、『夜明けまでバス停で』(22/高橋伴明監督)、「MIRRORLIAR FILMS Season4」『バイバイ』(22/ムロツヨシ監督)、『初級演技レッスン』(24/串田壮史監督)、『また逢いましょう』(25/西田宣善監督)など。
Q.最初に脚本を読まれた印象を教えてください。
独特だなと思いました。丸山さんの書かれる言葉は、今まで出合ったことのないようなセリフの運びや言葉のチョイスで、最初は「これはラップを意識して書かれたのかな?」とも感じました。でも違和感というより、とても言いやすいセリフだったんです。言葉のリズムに助けられながら演じた記憶があります。
Q.確かに独特な言葉の流れがありますね。
無理に話し言葉にされていないというか、役者としては普段、話し言葉の方が演じやすかったりもします。でも「演じやすい=良いセリフ」とは限らない。どうすれば書かれたままの言葉を人が話しているように言えるか、それを考えることがすごく楽しかったです。
Q.テーマ自体についてはどう感じましたか。
最初は重いと思いましたし、少し目を背けたくなるような題材でもありました。でも、どう生きるかを考えることは、どう死ぬかを考えることと同じだと感じました。だから前向きに受け止めることができたんです。実際に演じてみると、つらい瞬間も多かったのですが、不思議とエネルギーが湧いてくる感覚がありました。死を意識するからこそ、生への力が生まれる――そんな不思議な体験でした。
Q.演じるにあたって、どのような資料に触れましたか。
歩が読んでいたという設定のチベットの思想に関する本や『チベット 死者の書』など読み、実際に安楽死を選んで海外へ行かれた方々のドキュメンタリーなどを観ました。西部 邁先生のこと(※2018年に入水自殺し、身体が不自由だった西部さんの自殺をほう助したとして、知人二人が逮捕された)も脚本に出てきますし、たくさんのヒントをもらえました。そうした資料に触れることで、単に“つらい物語”としてではなく、救いの側面も感じられるようになって。演じるうえでの支えになりました。
Q.歩は、記者であり恋人でもあります。そのバランスは難しかったのでは?
客観的な目線と、章太郎への感情的な部分。そのどちらを出すかで、シーンの印象がまったく変わる。最初は意識して切り替えていたのですが、後半になると自分でも分からなくなるほど感情が混ざっていました。撮影中は無我夢中で、どちらかを選ぶというより、その瞬間の衝動に委ねていました。

Q.高橋伴明監督とは長いお付き合いになりますね。
私のデビュー作『MADE IN JAPAN 〜こらッ!〜』も高橋監督の作品でした。映画が公開されて、お客さんに観てもらうことで「ちゃんと俳優として立たなきゃ」と思うようになりました。監督が今も映画を撮り続けているから、私も続けているのかもしれません。そう思えるくらい、大きな存在です。
Q.本作での演出はいかがでしたか。
監督はあまり多くを言わない方ですが、今回は珍しく現場でセリフを足されることがありました。その時、「監督もこのテーマに迷いながら向き合っているのかもしれない」と感じたんです。安楽死という題材に対して、自分がどう考えるかという部分でも揺れておられたのかもしれません。それだけ誠実にこの作品に向き合っておられたのだと思います。
Q.毎熊克哉さんとの再共演はいかがでしたか。
とても優しい方で、いつも受け止めてくれるんです。だからこそ、こちらが感情をぶつけると全部包み込まれてしまう。それが不思議と悔しくて(笑)。もっとぶつかりたい、負けたくないという気持ちが生まれて、結果的にいい緊張感が生まれました。役柄的にも、すれ違いや葛藤が多い関係だったので、そのズレが画面の中でいい方向に作用していたと思います。

Q.重いテーマでしたが、役を引きずるようなことは?
家に持ち帰ることはなかったと思います。でも今でも撮影を思い出すと、感情が溢れてしまうんです。つらいというより、心の奥が動いてしまう。きっとそれだけ濃い時間だったんだと思います。
Q.観る人に、どんなふうに受け取ってほしいですか。
日本では安楽死の制度がなく、情報も多くありません。だから「賛成」や「反対」という答えを出す作品ではありません。この映画が“考えるきっかけ”になってくれたらうれしいです。安楽死をめぐるカップルの物語だけでなく、医師や家族、それぞれの立場にも人生があります。いろんな視点から見てもらえたらと思います。
柄本 佑(俳優)コメント
恥も外聞もなく、何のフェイントもいれずブンッとみえみえの右ストレートを打ち込んでくる高橋伴明のパンチに僕は、清々しく打ちのめされテンカウントとられた次第です。
映画はテクニックじゃない。
心であることを改めて教えてもらいました。
この度、本作の公開記念舞台挨拶が決定した。
【日時】 1/24(土) 15:00の回 上映後 舞台挨拶
【会場】 新宿ピカデリー(東京都新宿区新宿3丁目15番15号)
【登壇者】毎熊克哉、大西礼芳、筒井真理子、板谷由夏、gb、余貴美子(以上、出演)、丸山昇一(脚本)、長尾和宏(原作・製作総指揮)、高橋惠子(プロデューサー)(予定・敬称略)
≪チケット購入方法≫
新宿ピカデリー ホームページ及び劇場窓口
公開表記
配給:渋谷プロダクション
2026年1月23日(金)より新宿ピカデリーほかにて公開
(オフィシャル素材提供)






