
登壇者:MEGUMI(モフ役)、カジサック(キングコング 梶原雄太)、西野亮廣
MC: 荘口彰久
日本アカデミー賞を受賞し、2020年に公開された大ヒット・アニメーション『映画 えんとつ町のプペル』の上映に加え、最新作の公開に先駆けたスペシャルイベント【どうなる?『映画 えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜』前作をみんなで観よう!イベント】が、秋葉原UDXシアターにて開催された。本イベントには、最新作でルビッチの新たな相棒となる異世界ネコ・モフを演じるMEGUMI、製作総指揮・原作・脚本を務める西野亮廣、そして前作でえんとつ町の町人A役を演じた西野の相方・カジサックが登壇。前作の思い出から公開当時の舞台裏、そしていよいよ来月に公開される最新作についてまで、ここでしか聞けないトークがたっぷりと繰り広げられた。

イベント冒頭、西野は「今日は絶対に皆さんを大爆笑させて盛り上げたいと思います!」と意気込みを語り、会場は公開当時から作品を応援し続けてきたファンの温かな拍手に包まれ、和やかなムードの中でイベントはスタートした。
先日、世界三大映画祭のひとつに数えられるベルリン国際映画祭へのノミネートが発表され、さらに今月、日本公開に先駆けて世界初上映となるワールドプレミア上映も控えている本作。西野は「今回、続編から観ても分かるようにしておこうというテーマがあったので、そこが届いたのは本当に嬉しかったです」と喜びを滲ませ、登壇者や会場からも大きな祝福の拍手が送られた。

そんな『えんとつ町のプペル』の原点ともいえる絵本は、現在までに78万部を突破。映画にとどまらず、ミュージカルや歌舞伎といった多彩な表現へと広がり、世代を超えて多くのエンタメファンに愛されている。生みの親である西野は、絵を描き始めたきっかけについて「25歳の時に海外のこともちらつき始めて、非言語のもの、あるいは翻訳のハードルが低いものに乗り換えないと、と意識していた時に、タモリさんに銀座のBarに呼び出されて『お前、絵を描けよ』と言われまして。何かのご縁だなと思いました」と明かした。カジサックも当時のことについて「西野は別に絵を描くのが好きというわけじゃなかったんですが、昔から絵がうまいことは知ってたんですよ。でも、描くのが面倒くさいとか、時間がもったいないとか言ってたのに、すごく重たい腰をタモリさんは簡単にあげた」と振り返り、国民的スターからの一言が、絵本作家・西野亮廣の歩みを大きく動かした瞬間が語られた。一方でカジサックは、「遠くに行ってしまうんじゃないか、一緒に歩いているやつじゃなくなるんじゃないかという不安もありました」と当時の胸中を吐露。「西野の性格とか、いろんなことを分かっていたから、『なんかすごいことが起きていくな』という感覚はありました。だからこの絵が完成する前に、「はねるのトびら」で結果を残さないといけないと思っていました」と、キングコングとして活躍していた当時の焦燥感を回顧した。

前作でえんとつ町の「町人A」を演じたカジサックは、「殴られる役だったんですが、殴られた時の声って結構難しかったですね」とドヤ顔でコメント。西野から「主役みたいなこと言うな」と返されつつも、作品に携われたことへの感謝をにじませた。
キングコングの2人とはデビュー当時から親交のあるMEGUMIも、「私がデビューして一番最初のレギュラー番組が2人と一緒で、深夜番組で1年間ロケをしていました。『売れたいな』みたいな話をよくしていたんです」と懐かしそうに振り返り、「そんな2人がおじさんになり、私もおばさんになって、こういう形で一緒になるのは本当にエモい。今日はエモいでしかないです」と感極まった様子を見せた。

さらに、初めて『映画 えんとつ町のプペル』を観たときの感想を聞かれると、「あんた、傷ついてたんだねって思った」と率直な感想を明かしつつ、「それがとてもハッピーな形でアニメになっているのがすごいと思ったし、いろいろ言われてきた思いをガソリンにして作品にしているのが本当にカッコよかった」と、MEGUMIならではの言葉で作品と西野の姿勢を称賛した。

『映画 えんとつ町のプペル』が公開された2020年は、コロナ禍という未曾有の事態の中、多くの映画が公開中止や延期を余儀なくされた年でもあった。そんな状況下で公開に踏み切った当時について、西野は「感染が収まらなさそうな雰囲気もあったので、映画館では公開せず、YouTubeで無料公開しようとスタッフに提案したこともありました」と告白。続けて、「その頃、海外の映画が公開中止になって、ある映画館の館長がポスターパネルを割ったというニュースを見たんです。自分たちは劇場生まれ、劇場育ちで、お客さんがいない劇場の辛さが分かる。自分たちが劇場を見捨てていいのかと考えて、最終的に劇場公開に踏み切りました」と、映画館や劇場への強い想いを明かした。
イベント後半では、いよいよ3月27日(金)に公開される最新作『映画 えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜』の話題へ。本作で異世界ネコ・モフを演じたMEGUMIは、「最初(西野から)LINEで『姉さん出てや!』みたいに連絡が来たので、一言くらいのセリフかなと思っていたんですが、蓋を開けたらものすごいセリフ量で……」と驚きを明かした。

起用の理由について西野は、「ルビッチのキャラクターをもっと掘り下げたかった。素直な部分だけでなく、子どものムカつくところや、わがままなところもちゃんと描きたくて、そのためには保護者であり、突っ込める存在が必要だと思った。且つ全部を受け止めてくれる母の愛を持っている人を考えた時、MEGUMIちゃんしかいなかった」と語った。
本作には、人気絶頂期に失踪したキングコング・梶原(カジサック)のエピソードや、その当時の西野自身の経験が色濃く反映されているという。西野は、「仕事が重なり、ストレスが積み上がる中で梶原さんが病んでしまい、失踪してしまった。その後、キングコングは無期限活動休止になりました」と当時を振り返り、「ピンで活動しないかという話もありましたが、もし自分が一人で成功したら、梶原くんの帰る場所が本当になくなると思った。だから待つことを決めたんです」と、人生で最も覚悟を決めた選択について語った。これに対しカジサックは、「待たせるだけの能力が僕にはあったんです(笑)」と冗談交じりに返しつつ、「西野は一人でも成功できる人だと思っていたから、待ってくれていたことに驚きました。そのあとに出てきた感情は、会いたい、そして謝りたい、でした」と率直な想いを語り、長年コンビとして歩んできた2人ならではの関係性が会場に深い余韻を残した。

イベントではさらに、カジサックが前作に引き続き声優を務めることも発表され、ネズミのヒモサックというキャラクターの声を担当していることが解禁された。カジサックは「ついに役名がついたけど、思っていたのと違いました。声が全部裏声で、勝手に加工もされていて……」と不満を漏らすと、西野は「とにかくカジサックを潰したかったんです。全力で」と即答。MEGUMIの「あんなにカジサックを待ってたのに?」という一言も加わり、会場は再び笑いに包まれた。

さらに、3月には前作『映画 えんとつ町のプペル』が地上波放送されること、そして西野自身がYouTubeで副音声として制作秘話を語ることも発表された。
イベントの締めくくりに、カジサックは「僕、鬼泣きました。次回作があるなら、モフのように人形化できる重要なキャラクターをやりたい」と笑いを交えてコメント。MEGUMIは「人生において誰かを待つということは苦しくもあり、その先に希望がある。この作品はそれを教えてくれました。これはキングコングの物語でもあります」と作品のメッセージを伝えた。最後に西野は、「つい最近主婦の方から相談を受けたんです。その時に子育ても待つということが非常に重要なんだなと思いました。遅い人をパンパンパンと切り捨てていったら、強いチームになるかというと、そうではない。実際カジサックが戻ってきてくれて、待っててよかったと心から思っています。いま大変な思いをされてるお父さん、お母さん、そして教育現場の方。そして親友、恋人を待ってるすべての方へのエールになれば」と熱い想いを届け、「最悪のシチュエーションで東野幸治が出てきます」とユーモアも忘れず、会場を沸かせた。

まだまだ広がりを見せ続ける『えんとつ町のプペル』の世界。その最新作『映画 えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜』への期待を胸に、イベントは終始温かな雰囲気の中で幕を閉じた。
公開表記
配給:東宝・CHIMNEY TOWN
3月27日(金) 全国公開
(オフィシャル素材提供)






