
登壇者:田口トモロヲ監督、TAYLOW(the原爆オナニーズ)
今から22年前―ロック映画の金字塔となった、みうらじゅん原作・宮藤官九郎脚本・田口トモロヲの初監督作となった映画『アイデン&ティティ』。その系譜とも呼べる新たな音楽青春映画、田口トモロヲの10年振りの監督最新作『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』が3月27日(金)に全国公開となる。
この度、2/27(金)に田口トモロヲ監督、名古屋パンクシーンの重鎮the原爆オナニーズ TAYLOWと劇中当時にまつわるレアなトークショーを実施した。
大きな拍手に迎えられ、田口監督の「映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』ついに名古屋上陸でございます!名古屋といえば“the 原爆オナニーズ”。本日はTAYLOWさんに来ていただいて大変嬉しいです」という挨拶でイベントがスタート。着席と同時にとあるチラシを観客にみせる田口監督。「昔、僕は“ばちかぶり”というバンドをやっておりまして、そこで原爆オナニーズと共演させていただいてます。みんなに自慢するために持ってきました(笑)」と、監督自ら持参した当時のライブチラシであることを明かした。
TAYLOWからのアプローチにより交流が始まった2人。きっかけは「1985年の夏に原爆オナニーズがファースト・アルバムを出す時に、渋谷のライブハウス『屋根裏』でライブをやるから“東京のバンドを呼びたい”と思って」“ばちかぶり”に声をかけたそう。
映画の感想を聞かれたTAYLOWは、「この映画を観て、自分の青春そのものだったので、涙が出そうになりました。映画で描かれている1978年、79年は、私もまるっきり(若葉さんが演じた)主人公と同じことをやっておりました。『東京ロッカーズ』との関わりも、東京へ遊びに行った時に“今度、京大西部講堂でライブをやる”と教えてもらったのが始まり。当時は人と会えばすぐに連絡先を交換して、直接繋がっていくのが当たり前の時代でした」と語る。田口監督は「東京ロッカーズ」について「憧れの存在でしたね。みんな年上で、強くて、中には怖い人も多かった(笑)。原作者の地引(雄一)さんはお優しい方でしたが、その背中を追いかけながら自分の活動を始めた感覚があります」と回顧する。
ここでMCから、劇中に登場するイベントにTAYLOWがスタッフとして参加されていた事実が披露されると、「そうなんです。THE STAR CLUBというバンドのスタッフをしていたので、劇中のシーンを見ていても“あ、これ(当時の自分なら)この後ろに立っているな”という場面がいっぱいありました」と語ると、田口監督は「こんな平和な舞台挨拶の日を迎えられるなら、TAYLOWさんに映画に出てほしかったですよ! あの頃はみんな怒ってましたからね(笑)」と本音を明かす場面も。

田口監督は「当時は、レコードを出すならメジャー契約が必須という価値観の時代。そこに『東京ロッカーズ』という、古い概念を壊して新しいシーンを作ろうとする人たちが現れた。彼らは崖っぷちに咲いた花のように孤高で、だからこそヒリヒリして格好良かったんです。今のようにファンが大勢いるわけではなく、客が15人、20人入れば“やった!”という世界。ギャラが1,000円を超えたらパンクスとしては大金持ちでした(笑)」と思い出を語る。同じ時代を過ごしたTAYLOWが「映画の中で、登場して一番うれしかったのは、新宿ロフトです。“俺、このあたりにいた!”と思うシーンがいっぱいありました」と、劇中の再現度の高さを興奮気味に語ると、田口監督も「まさに歴史の目撃者ですね。当時の空気には、今にはない特有の緊迫感がありました。ステージに立つ側も“これをやらなければ死んでしまう”という切迫感があった。そこは嘘をつけない部分。当時のライブハウスはもう残っていないので、すべて美術でセットを組んだのですが、あまりの緻密さに中に入った瞬間、鳥肌が立ちました」と映画美術に自信をのぞかせる。

さらに、TAYLOWから「映画の冒頭に登場する渋谷『屋根裏』の当時の再現度はダントツでした。ロフトと屋根裏は、当時のバンドマンにとって憧れの聖地。そのシーンと再現度には、思わず“胸キュン”してしまいました」と告白。それを受けて田口監督は「あの原爆オナニーズのTAYLOWさんが“胸キュン”なんて言葉を使う時代になるとは! そこに、胸キュンしてしまいました(笑)」と大喜び。
最後に観客へのメッセージとして田口監督は、「いま日本ではロック・フェスが盛んに行われていて、何万人と集まってるわけじゃないですか。ビジネスとしても成功しているワケですけど、本当にその礎、“最初の一歩”を築いた人たちが全く知られていないことに愕然とした。今や当たり前となったフェスやインディーズという方法論はこの人たちから始まっている。これはもう作るしかないなって思いました。コロナなどあって、制作に11年かかりましたが、“こんなに凄い奴らがいたんだ!”という想いを、これでもくらえ!!と詰め込み発射しました。自由に受け取ってください」と、熱くコメント。TAYLOWも「自分でレコードを作る、自分たちでイベントを組む。そんな“最初の一歩”を踏み出す尊さが、今は忘れられがちな気がします。監督がそれを映画にしてくれたことが本当に嬉しい。いろいろな“最初の一歩”や“始まり”が描かれているので、ぜひ楽しんでほしいですね」と語ると、「この映画とTAYLOWさんで全国を回りたいですね。そんな世の中になったら、“胸キュン”です」という田口監督の締めで舞台挨拶は温かな空気に包まれながら終了した。
公開表記
企画製作・配給:ハピネットファントム・スタジオ
3月27日(金) TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開!
(オフィシャル素材提供)






