作品紹介

『こわい童謡 表の章』初日舞台挨拶

©2007「こわい童謡」製作委員会

 『渋谷怪談』シリーズの脚本を手がけて高く評価され、映画監督、小説家としても活躍の場を広げている福谷 修が、その成り立ちや解釈において謎の多い童謡に着目、物語を表と裏で構成し、表の謎を裏で解くという、デュアル・ホラー・ムービーを生み出した。
 子供の遊び歌として今も受け継がれている童謡。「かごめかごめ」「はないちもんめ」「ずいずいずっころばし」「とうりゃんせ」など、不思議な歌詞と旋律をもった“うた”に導かれるようにして、名門女子高内で次々に起こる陰惨な事件を描いた『こわい童謡 表の章』が、七夕の7月7日(土)に公開を迎え、テアトル新宿にて初日舞台挨拶が行われた。レイトショーということで遅い時間にも関わらず、場内を埋め尽くした(主に男性)観客の前に登場したのは、多部未華子、近野成美、秦みずほ、しほの涼、霧島れいかという女優陣と笠原紳司、福谷 修監督。

 「未華子っ!」という熱い声援で迎えられた、ホラー初主演の多部未華子は「今日はこんなに遅いにも関わらず、たくさんの方たちに集まっていただいて、すごくうれしく恥ずかしい瞬間を迎えています。この夏一番のホラー映画になればいいなと思います」と初々しく挨拶。微妙な演技でさらに成長した姿を見せている彼女だが、ホラー映画は苦手だったという。「普段怖がりなので、このお話をいただいたときは正直、“ホラーか……”と思いました(笑)。今回私がやった彩音という役は、怖いものを見てもほとんど叫ばないというのが一番のポイントになっていて、たくさん出てくる怖いシーンを全て同じ表情でやらないように、常に心がけていました」と語った。


 『表の章』と『裏の章』の間を描く「4Dアトラクション」用のアナザー・ストーリー『迫間(はざま)の章』(7月14日より、東京ドームシティアトラクションズ ジオポリスほか全国アミューズメント施設で公開)では主演をしている近野成美。実際にある廃校の中での撮影だけに、怖い体験もあったのでは?という質問には、「迷うくらいすごく広くて、不気味な空気をかもし出していたんですけど、全く怖い経験もせずに楽しく撮影しました」という多部の言葉に続いて、「怖い体験? いや! 全然なかったです。楽しかったですよ~」と明るくキッパリ。そんな彼女の言葉をよそに、合唱部の顧問をミステリアスに演じた霧島れいかは「怖い体験と言いますと、撮影前にお祓いに行ったんですけど、お祓いに来なかった人の頭の上には、撮影中ずっと黒いものが……」と、柔らかな微笑を浮かべながらポツリ。その発言にさっと表情を変えたのが近野で、「なんで今、言うんですか(笑)!?」と怯えた声を上げて、隣の多部にしがみついている。「もともと怖いものが大好き」という霧島は、どうやら他にもいろいろと目にしたようだ。


 一瞬背筋が寒くなる、映画にふさわしいホラー・ムードを払ったのが、役者陣では黒一点の笠原紳司。「女性陣に囲まれての撮影は男性にとってうれしいことなのでは?」と問われ、「……意外に囲まれていなかったですね(笑)。むしろ、マン・ツーで(註:生徒と二人で話しているシーンがほとんど)。……僕に何を期待してるんですか(笑)?」と一気にお笑いモードへ。
 17歳なのに23歳くらいに見られてしまうという秦みずほは「セーラー服を着られたのがすごくうれしくて。でも、その可愛いセーラー服が血まみれに……(笑)」と苦笑い。同じく、まだ15歳なのに172センチという長身で、この日もメイクさんに「大学帰りですか?」と聞かれたというしほの涼は、自分の顔を模したというミイラ話を披露。「特殊メイクの方に、“どれが一番似てると思う?”と聞かれて。でも、どれも顔が半分溶けてたり、髪の毛がなかったりして、似てるも何もなかったんですよね(笑)。でも、その4体の中から“もしも私の顔が溶けたらこれだと思います”という1体を選びました」と笑う。

 最後に、出演陣全員を代表して多部が「いきなり何かが出てくるような怖さじゃなくて、始めから最後までジワジワジワジワとくる怖い作品になっていますので、それを感じ取っていただいて、“怖い!”と思っていただけたらいいなと思っています」と挨拶。それを受けて監督は、「本来ならば、この『表の章』が終わった後にそのまま『裏の章』を観て、すっきりして帰っていただきたいところですが、『裏の章』は3週間後の公開ということで、すみません。それまで童謡にまつわる謎は深まると思いますけど、いろいろと考えていただければと思います。役者さんたちの力のこもった演技もぜひご覧いただきたいですし、音に関する仕掛けがいろいろあり、最後の主題歌にもヒントが張り巡らされていますので、よろしくお願いいたします」と、これから映画を観る観客の期待を高める言葉を残して立ち去った。

 なお、『こわい童謡 裏の章』は7月28日より、テアトル新宿(レイトショー)ほかにて全国順次公開される。

登壇者:多部未華子、近野成美、秦みずほ、しほの涼、霧島れいか、笠原紳司、福谷 修監督

(取材・文・写真:Maori Matsuura)

公開表記

 配給:東京テアトル
 『こわい童謡 表の章』テアトル新宿にて公開中、7月21日(土)よりテアトル梅田、8月4日(土)よりテアトルダイヤ池袋(レイトショー)ほか全国順次ロードショー
 『こわい童謡 裏の章』7月28日(土)よりテアトル新宿、テアトル梅田、8月18日(土)よりテアトルダイヤ池袋(レイトショー)ほか全国順次ロードショー

(オフィシャル素材提供)

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