イベント・舞台挨拶

『いつかの君へ』完成披露試写会舞台挨拶

©2007 トライネットエンタテインメント/竹書房

 舞台「テニスの王子様」でブレイクした斎藤 工と河合龍之介という今期待の若手俳優が、友情を超える想いで互いに惹かれ合う大学生を瑞々しく演じている『いつかの君へ』。『ベロニカは死ぬことにした』が話題を呼んだ堀江 慶が監督を務め、切なくも繊細な想いに彩られた物語に仕立て上げた本作の完成披露試写会が行われ、監督と共に、斎藤 工と河合龍之介の二人が舞台挨拶に立った。

 これまでに仕事を共にしただけでなく、信頼関係で結ばれた三人だけに、互いに言いたい放題の気の置けない話っぷりに、映画を観終わったばかりで静かな余韻に浸っていたはずの観客も爆笑の連続だった。脚本の決定稿が撮影直前まであがらなかったことを突かれた監督。「そうね~、本ね~、いいようにどんどん作り変えていたら、ギリギリになっちゃって、タイトルも最終的に変わったし。もともとは『水鏡』で、ちょっと他の映画みたいでしょ? 双子の霊が襲う、みたいな(笑)」。「そうですね、キャストも最終的に変わってしまったし」(斎藤)、「そう、工くんはギリギリで決まりました……嘘、嘘、嘘(笑)」(監督)、「最初は斉藤慶太・祥太でしたからね。嘘ですからね(笑)」(斎藤)、「でも、斉藤慶太・祥太でやったら、ある意味ストレートで……(笑)」(監督)、「ちょっと待ってください! 監督、俺は!? 見捨てないで(笑)!」(斎藤)と言った調子。

 掛け合い漫才のような二人のトークの間でちょっと引き気味の河合は、役について問われると、「そうですね~、今までにない明るい役だったんで、大変でした」とつぶやいたのを見逃さない監督は、「基本、根暗?」と追い討ちをかける。その後は開き直るようにして、自ら“根暗”を受け入れた河合。司会者から「たくさん映画をご覧なるとか?」と聞かれ、「ええ、暇があればいつでも。ホントに根暗なんで」と自虐的ジョークで巻き返す。

 互いにからかい合わなければ気が済まないような三人だが、「工くんは期待を裏切らない男です。彼の主演だったら代表作と言われるようなものになるよう頑張ろうと思って、今回は作りました」(監督)、「たぶん僕らは、映画が好きという共通点があって、ものすごく深くつながっている気がします。だったら、映画を好き同士で映画を作りたいと単純に思いましたね」(斎藤)、「僕も“工さんと堀江さんだったらやる”って、ホントそれだけで」(河合)とそれぞれ語るように、言葉の端々からはその信頼関係をにじませる。「恋愛でもなく友情でもないという危ういところにある」青年たちの物語も、こうした絆で結ばれた三人だったからこそ、自然で爽やかと言ってもよいほどの後味を残す作品になったのだろう。

 プレゼント抽選会とフォト・セッションの後、最後にひとこと求められた三人は、「僕の演じた役柄は問題を抱えているように見えますが、俺自身もそういう部分があるんですね。“自分はこうなんだ、これしかダメなんだ”と思うんじゃなくて、自分を受け入れて、ニュートラルな状態でいろいろなものを吸収し、僕がこの作品を通じて発見できたように、皆さんも新しい自分を発見していただけたらなと思います。いろいろな方に薦めて、この映画を育ててください」(斎藤)、「同性の人を想う気持ち、尊敬する気持ちは誰にでもあると思います。これは非現実的な話ではないし、共感していただける部分がきっとたくさんあるはずです」(河合)、「宣伝部の間では“いつ君”と呼んでいるらしいので、“いつ君”でひとつ(笑)。検索しても何も出てきませんが(笑)」(監督)と口々に語り、大きな拍手を受けながら舞台を後にした。

(取材・写真・文:Maori Matsuura)

(オフィシャル素材提供)

公開表記

 配給:トライネットエンタテインメント、ビデオプランニング
 2007年7月28日(土)より渋谷Q-AXシネマにてレイトショー、8月4日(土)より大阪シネヌーヴォX、8月18日(土)より名古屋シネマスコーレにてロードショー

関連作品

スポンサーリンク
シェアする
サイト 管理者をフォローする
Translate »
タイトルとURLをコピーしました