イベント・舞台挨拶

『MIRRORLIAR FILMS Season1』初日舞台挨拶

©2021 MIRRORLIAR FILMS PROJECT

 伊藤主税(and pictures)、阿部進之介、山田孝之らが立ち上げた短編映画制作プロジェクト「MIRRORLIAR FILMS(ミラーライアーフィルムズ)」。“変化”をテーマに、俳優、映画監督、漫画家、ミュージシャンなど総勢36名が監督した短編映画をオムニバス形式で4シーズンに分けて公開される。

 Season1の公開初日となった9月17日(金)の新宿バルト9での舞台挨拶には、今回監督初挑戦となった俳優の安藤政信と三吉彩花、漫画家の花田 陵、そして映画監督の枝 優花、武 正晴、山下敦弘、さらに419作品の応募の中から選ばれたクリエイター、西 遼太郎、針生悠伺、藤原知之の3名と、山田孝之プロデューサーが登壇した。 

 安藤は、初監督作のお披露目について聞かれると「素直に嬉しい。自分の作品のために素晴らしい芝居をくれた孝之や葵、撮影クルーに感謝しています」とコメント。タイトルの“桜”が劇中に登場しないが?との質問には「金沢でのロケハン時、『桜並木があるから』と連れて行ってもらったんです。でも行ったら咲いていなくて。これから咲くのかと思ったら、すでに散ったあとでした(笑)」と苦笑い。続けて「桜は登場しませんが、その代わり、ラストシーンで“桜色”を彷彿させる描写を入れました」と独自の美意識を明かした。

 安藤と同じく監督初挑戦となった三吉は「自分にとっての大きい変化が、誰かにとっては些細なことだったり、その逆もある。今回、プロのバレエダンサーである飯島望未さんに、主人公(山口まゆ)にしか見えていない“ニケ”という存在を演じていただきましたが、彼女の踊るシーンを一番美しく撮ろうと思ったし、観た方にも自分の変化を思い返すきっかけになって欲しいと思いました」と語り、最後は「監督業は初めてでしたが、迷いながらも伝えたい気持ちを込められたかなと思う。次は長編にもチャレンジしていきたいです」と意欲を見せた。

 同じく初監督組の漫画家・花田は、「漫画というのは、自分でコマを作って絵を描いていくもの。全て自分で決めていく作業であり、言い換えれば自分の能力を超えるものはない。でも映画というものは、素晴らしい役者さんとスタッフが集まって画面を作ってくれる。自分一人では絶対に生み出せない“画”ができあがっていくのは素晴らしい体験でした」と振り返った。

 一方、枝、武、山下、3人の映画監督たちは「(『Petto』の)着想は、テレビで政治家がある発言が原因で世間から叩かれていたこと。彼はずっと前から同じような発言をしていたし、今に始まったことじゃない。そんな時、我が家で飼っている犬は散歩もせずだらだらしていて、人間がいないと生きられない。その時に、ペットと政治家が結びついたんです」(枝)、「監督作『暴れる、女』は、僕と脚本家の足立 紳にとって10年越しの企画なんです。『百円の恋』より前の、何もしていなかった頃に2人で喫茶店でアイデアを出し合っていました。今の心境は『短編映画で終わらせてたまるか!』というか、長編にしたい気持ちがある。なので、これを観てもらって『続きが観たい』と思う方はぜひご連絡をください(笑)」(武)、「(脚本の向井康介や撮影の近藤龍人など)大阪芸術大学時代からの仲間たちと撮った作品。プロになる前から遊んでいたメンバーなので、若干照れ臭さはありました。第1弾が始まったばかりですが、商業映画がたくさん作られている中で、本シリーズのような“しがらみのない映画”も楽しんでもらえたら」(山下)と撮影の舞台裏を語った。

 また、選定クリエイターの3人は、「就職をきっかけに九州から上京したものの、すぐにコロナの影響で仕事もあまりできなくなってしまって。そんな時に企画したのがこの作品。『充電人(じゅでんちゅ)』というタイトルの由来は、自分のメモ帳に1行、“充電人”と書いてあったのがきっかけ。その1行から設定や物語を膨らませていきました」(西)、「2014年に撮った、自分にとって初めてのショート・ムービー。スケートボードやトランスフォーマーなど、自分が大好きなものを詰め込みました。いくつかの海外映画祭で上映されましたが、国内ではあまり機会がなかったので、今回の企画は本当に嬉しい」(針生)、「コロナ禍で仕事がなくなったことをきっかけに作ろうと思った映画。一時期は劇中の映画監督と同じような苦悩に陥り、脚本が書けなくなりましたが、この悩みこそ映画にしてみようと思ったんです。『それでも映画を撮っていいんだよ』と言ってもらえるようなものにしたかった」(藤原)と満席の会場を前に、やや緊張しながらもそれぞれの思いを吐露した。

 そんな3人の初々しい舞台挨拶を見守っていた山田は、今回プロデュース業だけでなく、安藤監督作『さくら、』にも出演。「撮影は大変でした。安藤さんには常にマックスの状態でぶつかっていきましたし、そんな僕を安藤さんは全力で受け止めてくれました」と撮影を述懐。シーズン2以降で監督としても参戦する山田は「僕らが考えた面白い取り組みが、多くの方に支えられながらようやくスタートしました。9作品をご覧になった皆さんは、気になる監督や俳優を見つけたら、過去の仕事を振り返ったり、彼らのこれからを応援して欲しい。僕らは映像で何かを表現して、何かしらの気づきや感動を皆さんに提案することがメイン。こういう人たちがいることを忘れずに、これからのシーズンも応援していただけたら嬉しいです」と締めくくった。

 新宿バルト9では18日から25日までの限定上映で、連日上映後には日替わりゲストを招いての舞台挨拶も実施する。『MIRRORLIAR FILMS Season1』は9月17日(金)よりアップリンク吉祥寺、イオンシネマほか全国順次公開。

登壇者:安藤政信、枝 優花、武 正晴、西 遼太郎、花田 陵、針生悠伺、藤原知之、三吉彩花、山下敦弘、山田孝之

『MIRRORLIAR FILMS』とは?

 《MIRRORLIAR FILMS(ミラーライアーフィルムズ)》はクリエイターの発掘・育成を目的に、映画製作のきっかけや魅力を届けるために生まれた短編映画制作プロジェクト。年齢や性別、職業やジャンルに関係なく、メジャーとインディーズが融合した、自由で新しい映画製作に挑戦する。
 “変化”をテーマとした36名の監督による短編映画を4シーズンに渡りオムニバス形式で公開。初監督多数、俳優、漫画家、ミュージシャンらが参加し、⼀般公募枠の12作品は、419作品の応募から選抜された。映画祭の開催ほか、多様な作品を多様な形で国内外に届けていく。
 全国の地域と連携した制作支援や上映会、ワークショップと連動することで、だれでも参加できる参加型プロジェクトを目指す。

『MIRRORLIAR FILMS Season1』

 ■監督:安藤政信『さくら、』、枝 優花『Petto』、武 正晴『暴れる、女』、西 遼太郎『充電人』、花田 陵『INSIDE』、針生悠伺『B級文化遺産』、藤原知之『無題』、三吉彩花『inside you』、山下敦弘『無事なる三匹プラスワンコロナ死闘篇』(五十音順)
 ■出演:安藤政信、飯島望未、宇野祥平、奥村心結、春日潤也、河井青葉、木村多江、友近、永井理子、仁村紗和、本田響矢、水澤紳吾、森川 葵、山口まゆ、山田孝之、山中蓮名、山本浩司、山本剛史、横田真悠、吉田美月喜、渡辺大知、渡辺 哲(五十音順)

©2021 MIRRORLIAR FILMS PROJECT

オフィシャル・サイト

短編映画制作プロジェクト | MIRRORLIAR FILMS
境界線を越えた、その先 9人の監督による「変化」についての物語 -だれでも映画を撮れる時代の幕が開く- “変化”をテーマに、俳優、映画監督、漫画家、ミュージシャンなど総勢36名が監督した短編映画をオムニバス形式で4シーズンに分けて公...

公開表記

 配給:イオンエンターテイメント
 2021年9月17日(金)よりアップリンク吉祥寺、イオンシネマ他全国順次公開

(オフィシャル素材提供)

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