作品紹介

『森のムラブリ インドシナ最後の狩猟民』

©幻視社

 

イントロダクション

 バナナの葉と竹で寝屋をつくって野営し、平地民から姿を見られずに森のなかを遊動するムラブリ族の生活。タイ人は彼らを「黄色い葉の精霊」と呼んだ。

 本作は、6ヵ国語を自由に話し、文字のないムラブリ語の語彙を収集する、言語学者・伊藤雄馬とともに足かけ2年、ムラブリ族を追ったドキュメンタリー。伊藤はラオスで狩猟採集を続けるグループへの接触を試み、カメラは世界で初めて、ムラブリ族の謎めいた生活を撮影することに成功。ムラブリ族は言語学的に3種に分けられることが判明し、お互い伝聞でしか聞いたことのないタイの別のムラブリ族同士が初めて会う機会を創出する。また、今は村に住んでいるタイのムラブリ族の1人に、以前の森の生活を再現してもらうなど、消滅の危機にある貴重な姿をカメラに収めた。

 インドシナ半島の密林におけるサステナブルで、政府からも自由なアナーキーな生き方を見つめることで、文明社会で暮らす私たちにも、「真に重要なことは何か」が見えてくる。

 カナダ北部で暮らすイヌイットの文化・習俗を記録した1922年の映画史上初のドキュメンタリー映画『極北のナヌーク』から100年、日本発の映像人類学のドキュメンタリーとして、3月19日(土)より渋谷のシアター・イメージフォーラム、4月8日より岡山・円◎結 marumusibi、さらに大阪・シアターセブン、京都シネマ、神戸・元町映画館などでの順次公開が決定している。

 渋谷のシアター・イメージフォーラムでの上映は、10:45からと17:30からの1日2回。下記の日程の上映後のトークイベントが決定している。(追加のトークイベントについては、公式SNSで発表予定。)

©幻視社

ストーリー

 タイ北部ナーン県のフワイヤク村は、400人のムラブリ族が暮らす最大のコミュニティ。男たちはモン族の畑に日雇い労働にでて、女たちは子育てや編み細工の内職をする。無文字社会に生きるムラブリ族には、森のなかで出くわす妖怪や幽霊などのフォークロアも豊富だ。しかし、言語学者の伊藤雄馬が話を聞いて歩くと、ムラブリ族はラオスに住む別のグループを「人食いだ」と怖れている様子。

 伊藤とカメラは国境を超えて、ラオスの密林で昔ながらのノマド生活を送るムラブリを探す。ある村で、ムラブリ族が山奥の野営地から下りてきて、村人と物々交換している現場に出くわす。それは少女ナンノイと少年ルンだった。地元民の助けを得て、密林の奥へとわけ入る。はたして今も狩猟採集を続けるムラブリ族に会えるのか? 21世紀の森の民が抱える問題とはいったい何なのか?

 (2019年、日本、上映時間:85分)

スタッフ&キャスト

 監督・撮影・編集:金子 遊
 現地コーディネーター・字幕翻訳:伊藤雄馬
 パブリシスト:登山里紗
 デザイン:三好 遙
 WEBデザイン:古谷里美
 製作:幻視社
 協力:多摩美術大学芸術人類学研究所、京都大学東南アジア地域研究研究所
 出演:伊藤雄馬、パー、ロン、カムノイ、リー、ルン、ナンノイ、ミー、ブン、ドーイプライワン村の人びと、フアイヤク村の人びと

ギャラリー

予告編

オフィシャル・サイト(外部サイト)

森のムラブリ
インドシナ最後の狩猟民

公開表記

 配給:オムロ 幻視社
 3月19日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開

(オフィシャル素材提供)

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