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「TBSドキュメンタリー映画祭 2022」『ムクウェゲ 「女性にとって世界最悪の場所」で闘う医師』舞台挨拶

 現在都内で開催中の『TBSドキュメンタリー映画祭 2022』で3月18日(金)、ドキュメンタリー映画『ムクウェゲ 「女性にとって世界最悪の場所」で闘う医師』が上映され、立山芽以子監督が舞台挨拶を行った。

 2018年にノーベル平和賞を受賞したデニ・ムクウェゲ医師(コンゴ民主共和国の産婦人科医、社会活動家)の活動にフォーカスしたドキュメンタリー作品。ムクウェゲ医師とはノーベル平和賞を受賞する前の2016年に取材を通して初めて出会ったという立山監督。取材当時の日本でのムクウェゲ医師の知名度はゼロに等しかったといい「社内では『立山には先見の明がある』と褒められました」と明かし、笑わせた。

 ムクウェゲ氏のいるパンジ病院では、武装勢力から性被害を受けた女性たちにインタビューを実施した。「パンジ病院は入院女性の経歴などをすべて把握しているので、病院スタッフの方々がインタビュー対象者を選んで決めてくれました。通訳も看護師か精神科の先生が担当してくれました」と徹底した配慮とケアの中で貴重な証言を得ることができたという。

 立山監督は「被害について聞かれる彼女たちにとってインタビューに応えるということは気持ちのいいことではありません。しかし聞かなければ何が起きているのかを伝えることができない。私を信頼して話してくれる彼女たちの話を聞く中で、日本の人たちに彼女たちの証言を伝える義務があると強く感じました」と被害者女性たちと向き合う覚悟を持って臨んだことを明かした。

 加害者側にもインタビューを敢行。「彼らの中に罪の意識がないのか、あまりにも生々しく話してくれたことにこちらが驚いた。しかし彼らも好んで武装勢力に加担したわけではなく、彼らも人生を狂わされた被害者でもあった。この問題は簡単な構図で片づけられるものではないと思わされました」と振り返った。

 映画化にあたり、ナレーションを常盤貴子が担当。「優しいけれど力強い声を持つ方が良くて、かつ、この内容に共感してくれる方が良かった。常盤さんは作品内容に共感してくれて、コメントも寄せてくれました。常盤さんのナレーションのお陰で作品テーマもより一層立体的に伝わるものになったと思う」と手応え。

 また立山監督は「男性にこそ観てほしい」と訴え「女性の性被害を扱う内容を男性は敬遠しがちで、女性の問題は女性の問題だと処理されることがある。でも女性の問題は男性の問題でもある。多くの男性にも観てもらい、男性にこそアクションを起こしてほしい」と願いを込めていた。

登壇者:立山芽以子監督

映画祭概要

 正式名称:TBSドキュメンタリー映画祭 2022
 開催期間:3月18日(金)~3月24日(木) 7日間
 開催場所:ヒューマントラストシネマ渋谷(東京) ほか全国順次開催

 ■ 公式HP: https://www.tbs.co.jp/TBSDOCS_eigasai/ (外部サイト)

(オフィシャル素材提供)

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