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『PLAN 75』第75回カンヌ国際映画祭カメラドール スペシャル・メンション(特別賞)受賞!

©2022『PLAN 75』製作委員会/Urban Factory/Fusee
©Kazuko WAKAYAMA

 倍賞千恵子主演最新作『PLAN 75』(6月17日より新宿ピカデリーほか全国公開)が第75回カンヌ国際映画祭にてカメラドール スペシャル・メンション(特別賞)を受賞した。日本映画においては、1997年に河瀨直美監督が『萌の朱雀』でカメラドールを日本人監督として初受賞してから、25年ぶりの快挙となり、日本人監督が本賞を受賞するのは初となる。授賞式の様子と併せて、早川千絵監督、倍賞千恵子、磯村勇斗、河合優実のコメントも到着した。

 今回、脚本・監督を務めた長編映画デビュー作『PLAN 75』でカンヌ国際映画祭「ある視点」部門への正式出品という快挙を成し遂げた早川千絵監督。映画監督・是枝裕和が初めて総合監修を務めたオムニバス映画『十年 Ten Years Japan』の一篇『PLAN75』から新たに構築、キャストを一新し、超高齢化社会に対応すべく75歳以上が自らの生死を選択できる制度<プラン75>が施行され、その制度に大きく翻弄される人々の姿を描いた衝撃作。主人公・角谷(かくたに)ミチを演じるのは9年ぶりの単独主演作となる倍賞千恵子。<プラン75>に携わる側には磯村勇斗、河合優実を配し、他にたかお鷹やステファニー・アリアン、大方斐紗子、串田和美らが顔を揃えた。

 現地時間5月20日(金)14時に行われた公式上映には、磯村勇斗とステファニー・アリアン、そして早川千絵監督が登場し、5分以上にわたるスタンディングオベーションを受けた後、感激した観客がそばに駆け寄り、「素晴らしい映画だった」と監督をハグする姿も見られた。現地メディアや映画評論家等からは「表面上は穏やかに見えるが、不必要と見なされた人々を見捨てる社会に対してしっかりとメッセージを伝え、観る者の心をざわつかせる」、「倍賞千恵子の演技は、間違いなく観る人の琴線に触れるだろう」、「繊細な脚本と、それを見事に体現したすばらしい演技で、日本映画として今年のカンヌ映画祭に立派な足跡を残した」、「強烈な余韻を残すが、何よりも物質主義的な現代において、いかに生死と向き合うべきか、疑問を投げかけてくる」と監督の手腕や役者たちの演技へ絶賛の声が多く寄せられた。

 現地時間5月28日(土)に、第75回カンヌ国際映画祭授賞式が開催された。カメラドール スペシャル・メンション受賞者として名前を呼ばれた早川監督は緊張の面持ちで舞台に上がると、まず「メルシーボークー」とフランス語で挨拶をし、「誰にとっても最初の一本目というのは思入れが深く、特別なものだと思うのですが、私にとっての特別で大切な一本目の映画をカンヌに呼んでいただき、評価してくださって本当にありがとうございます」と感謝の言葉を伝えた。そして、「『PLAN 75』という映画は今を生きる私たちに必要な映画であると言ってくれた方がいました。その言葉が心に深く響いています」と万感の表情で本作への反響を語った。日本で、受賞の一報を受けた倍賞千恵子からは「この作品で“生きるということ”を優しく、力強く撮影していた日々が、昨日のことのように熱く蘇ってきました。サァーこれからもどんどん映画作ってくださいね。本当におめでとうございます」と祝福のコメントが届いた。また、公式上映に参加した磯村勇斗は「受賞を聞いて、心が喜びで波打っています。監督に現場で寄り添っていただいた日々が恋しいです」と語り、<プラン75>に携わる瑶子を演じた河合優実は「一人ひとりの心に何かを届け、それが今回このような形で残ることを、私も大変嬉しく思います。これからも、早川監督のように心を尽くしてものづくりをされている方に光が当たる世界であることを願っています」とコメントを寄せた。

 尚、日本人監督の作品が「ある視点」部門に出品されるのは、2017年の黒沢 清監督『散歩する侵略者』以来5年ぶり。日本人女性監督としては、15年『あん』の河瀬直美監督以来2人目となる。

倍賞千恵子(角谷ミチ役) コメント

 おめでとうございます。
 この作品で「生きるということ」を優しく、力強く撮影していた日々が、昨日のことのように熱く蘇ってきました。
 サァーこれからもどんどん映画作ってくださいね。
 本当におめでとうございます。

磯村勇斗(岡部ヒロム役) コメント

 早川監督、受賞おめでとうございます!
 受賞を聞いて、心が喜びで波打っています。
 監督に現場で寄り添っていただいた日々が恋しいです。
 改めて『PLAN 75』に参加させていただけたことを光栄に思います。
 早く日本の皆様にも届けたいです。

河合優実(成宮瑶子役) コメント

 早川監督、受賞、本当におめでとうございます。
 『PLAN 75』が一人ひとりの心に何かを届け、それが今回このような形で残ることを、私も大変嬉しく思います。
 これからも、早川監督のように心を尽くしてものづくりをされている方に光が当たる世界であることを願っています。

早川千絵(脚本・監督) 授賞式スピーチ全文

 すべての映画監督に最初に撮る一本目の映画があります。誰にとっても最初の一本目というのは思入れが深く、特別なものだと思うのですが、私にとっての特別で大切な一本目の映画をカンヌに呼んでいただき、評価してくださって本当にありがとうございます。『PLAN 75』という映画は今を生きる私たちに必要な映画であると言ってくれた方がいました。その言葉が心に深く響いています。

公開表記

配給:ハピネットファントム・スタジオ
6月17日(金)より、新宿ピカデリーほか全国公開

(オフィシャル素材提供)

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