作品紹介

『向田理髪店』

2022映画「向田理髪店」製作委員会

イントロダクション

 寂れた元炭鉱町「筑沢町」にある理髪店の親子の葛藤を軸に、過疎化、少子高齢化、介護、結婚難など、どこの地方も抱える深刻な問題に直面しながらも懸命に生きる人々の姿を通して、現在の日本で忘れられてしまった家族の絆、人とのつながりの大切さを観る人に思い出させてくれる心温まる物語が誕生した!

 原作は「イン・ザ・プール」「空中ブランコ」「オリンピックの身代金」「純平、考え直せ」などを送り出し、直木賞などを受賞するベストセラー作家・奥田英朗によるもの。

 「筑沢町」で理髪店を営む主人公・向田康彦を演じるのは、本作が映画初主演となる高橋克実。また、東京で働いていたものの突然、帰郷し「会社を辞めたから店を継ぐ」と宣言する息子・向田和昌を白洲 迅、康彦の同級生役で板尾創路と近藤芳正、息子が理髪店の後継ぎになることを素直に喜ぶ母・恭子には富田靖子。どこにでもいそうな等身大の登場人物たちを細やかでやさしさ溢れる演技で魅せてゆく。

 脚本・監督はNHK「ツレがうつになりまして。」の脚本を担当し、映画『子猫の涙』(08)で東京国際映画祭「日本映画・ある視点部門」特別賞受賞、深津絵里主演『女の子ものがたり』(09)、本作同様、奥田英朗原作、野村周平主演『純平、考え直せ』(18)など、様々な作品を手掛けている森岡利行。深刻になりがちな地方問題を監督の持ち味であるユーモラスでちょっぴり切なく、そして最後はほっこりさせるタッチで描いている。

 撮影は福岡県大牟田市などをメインとして行われ、地元の人々の大々的な協力によりこの作品の持つ絶妙な世界観を作り上げることができた。変わりゆく故郷の中で私たちがこれからどう生きてゆくのか? 年代を問わず観る人すべてにやさしく問いかけ、そして答えてゆくそんな映画だ。

ストーリー

 向田康彦(高橋克実)は妻の恭子(富田靖子)と親から継いだ筑沢にある理髪店を営んでいた。理髪店の客は近所の老人たちがほとんど。仕事が終われば、近所にあるスナック「昭和下町」で中学からの同級生でガソリンスタンドを営む瀬川真治(板尾創路)や電気店を営む谷口修一(近藤芳正)と移り変わってゆく町の愚痴を口にする毎日。そんなある日、東京で働いていた息子の和昌(白洲 迅)が帰郷し、会社を辞めて店を継ぐと言い出す。

 思春期のもがき、アイデンティティのゆらぎ、創作をめぐる葛藤――。

 和昌の言葉を聞き、恭子は素直に喜ぶが、康彦は自分の過去が頭を過ぎり、不安を感じる。和昌はそんな康彦の思いを知らず、ゆくゆくはカフェを併設する店にするという夢を語り、理容師学校へ通うための費用を稼ぐために近くの運送会社でバイトを始める。

 久しぶりの親子の生活を続けてゆくなかで、市役所で商工会の経営者を集め、地域振興に関する会議が開催される。会議では中央官庁から出向してきた佐々木良平(田中俊介)が和昌をはじめ若者世代からの今後、筑沢の活性化のための意見を聞く。

 コミュニティFM開設などの意見が上がる中、康彦は過疎化の進む筑沢の現実を終末医療に例え、地方振興の名のもとに和昌など若者たちを煽る佐々木に疑問を投げかける。しかし、和昌は自分たちの想いを否定する康彦へ反発。不穏な空気が流れる中、谷口のとりなしでどうにかその場は丸く収まるが、その後、和昌は康彦がいう街の現状を目の当たりにすることになってゆく。

 やがて人気アイドル・大原零(矢吹奈子)主演の映画撮影が筑沢で行われることになり、一気に街が活気づく。この撮影をきっかけに康彦を始め、街の人々も変わり始めた――。

キャスト&スタッフ

原作:奥田英朗「向田理髪店」(光文社文庫刊)
脚本・監督:森岡利行
主題歌:「全然 変わらない」 HKT48 (Mercury/EMI Records
特別協賛:三友通商株式会社
撮影協力:大牟田市、大牟田観光協会、大牟田商工会議所、大牟田商工会議所青年部
出演:高橋克実、白洲 迅、板尾創路、近藤芳正、芦川 誠、田中俊介、坪内 守、鈴木大輝、永田崇人、重松隆志、運上弘菜(HKT48)、カイラ(カイキンショウ)、ショウきん(カイキンショウ)、佐藤順一、中尾新吾、前田みどり、林田麻里、まこパーティー、矢吹奈子(HKT48)、本宮泰風、筧 美和子、根岸季衣、富田靖子ほか

公開表記

配給:キャンター
10月7日(金)より福岡+熊本先行公開、10月14日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開

オフィシャル・サイト

mukouda.com(外部サイト)

ギャラリー

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