作品紹介

『百年の夢 デジタル・リマスター版』

イントロダクション

かつて16年の長きに渡って国外輸出禁止となっていた衝撃の一作

 カルパチア山脈の東側、スロヴァキア南西部のファトラ山地。この痩せた土地で、厳しい自然条件や孤独と闘いながら、農業や羊飼いを生業として暮らす70歳以上の老人たち。からくり人形作りに熱中する男性。事故で歩けず25年間膝を使い暮らしてきた男性。めんどりに聖書を読み聞かせる男性。結核を患い、納屋で50年暮らすという農婦の姿は、いつか彼女自身の葬儀の写真に連なる。内なる自由をいきいきと生きる彼らにとっての愛や家族、夢、労働や人生の意義とは……。
 本作は1972年、共産党政権下のスロヴァキア共和国で製作されたドキュメンタリー映画である。完成後は16年間の長きに渡り当局により輸出禁止とされた「幻の映画」であった。解禁後の1992年、日本でも劇場公開が実現、話題となった。今回は待望のデジタル・リマスター版での公開となる。

マルティン・マルティンチェクによる老いと死を飾ることなく捉えたスティル・ショットの数々

 マルティン・マルティンチェク(1913年~2004年)は、誤った告発のために公の生活から姿を消し、弁護士から写真家へと転身して以後写真に情熱を傾け続けたスロヴァキアの伝説の写真家である。映画にはマルティンによる40枚の写真が使用され、老人たちの“ありのまま”の姿を映し出している。

原題:Obrazy stareho sveta

(1972年、スロヴァキア、上映時間:67分)

キャスト&スタッフ

脚本・監督:ドゥシャン・ハナーク
撮影:アロイズ・ハヌセック
音楽:G・F・ヘンデル、ヴァクラフ・ハレック、ヨーゼフ・マロヴェッチ
撮影協力:ヤン・シュワンクマイエル
スチル写真:マルティン・マルティンチェク/ウラジミール・ヴァヴレク
後援:スロヴァキア共和国大使館

ギャラリー

予告編

公開表記

配給:パンドラ
2022年12月3日(土)~シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開

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