イベント・舞台挨拶

『ある男』初日舞台挨拶

©2022「ある男」製作委員会

 映画『ある男』の初日舞台挨拶が都内で行われ、妻夫木聡、安藤サクラ、窪田正孝、清野菜名、小籔千豊、坂元愛登、石川 慶監督が登壇してクロストークを繰り広げた。

 本作は、「第70回読売文学賞」を受賞した平野啓一郎氏の同名小説を、『蜜蜂と遠雷』の石川 慶監督が映画化したヒューマン・ミステリー。
 弁護士の城戸(妻夫木)は、依頼者である谷口里枝(安藤)から、亡くなった夫・大祐(窪田)の身元調査を頼まれる。愛したはずの夫は、名前も過去も分からないまったくの別人だったというのだ。“ある男”の正体について調査を進める城戸は、さまざまな人物からの話を聞き、真相に迫っていく――。そんな“ある男”の真実に迫っていく衝撃と感動の物語。
 妻夫木と石川 慶監督とは『愚行録』「イノセント・デイズ」に続き、本作で3度目のタッグとなる。撮影後から2年かけて公開初日を迎えた妻夫木は「感慨深いです。映画はお客さんに観てもらって初めて完成するもの。きょうは嬉しいです。でも、我が子が巣立っていくような感じもして、少し寂しい気持ちにもなります……」としみじみと語った。


 海外でのキャンペーン活動で、妻夫木は「イタリアでは鑑賞後に笑いが起こり、文化の違いを改めて感じました。釜山では盛大な拍手をいただき、「認められた証拠」を体感できて、「いっぱい、いい思いをさせていただきました」と感謝、感謝だった。
 窪田と共演した妻夫木は撮影現場でふたりのシーンがほとんどなかったことを明かし、「宣伝活動を通して、窪田くんを知るという不思議な体験をしています(笑)」と話す。窪田も「ずっと一緒にいさせていただきました」とにこやかに応じた。


 窪田はキャンペーン活動中の飛行機で安藤と隣どうしだったことを明かし、「ず―っと、サクラさんと話していました(笑)」と楽しそうに語った。妻夫木は「僕は知らないおじさんの隣でした」とちょっと不服そうだった。

 妻夫木と同僚の弁護士役を演じている小籔は、撮影開始前に妻夫木から声をかけられ、仲を深める目的として一緒に食事へ行ったことを話した。


 そのかいあって、現場で妻夫木がいろいろ話しかけてくれたそうだが、小籔は「僕はセリフを覚えるのにギリギリやったからあんまり話しかけてほしくなかったんです……」と話して、周りを笑いに包んだ。


 本物の谷口大祐の元恋人・後藤美涼役を務めた清野は、本作品について「素敵な作品に参加できて、幸せです。台本を読んでどんどん自分が没頭し行きました」と本作品へ関われたことへの感謝の気持ちを語った。


 里枝の息子の悠人役を努めた坂本は、撮影から2年がたって、みんなから「大きくなった。イケメンになった」と言葉をかけられ大テレの様子。「監督から演技の殻を割りなさいと言われ、木に向かって大きな声で何度も叫びました」と打ち明けると、周りからは「エ~ッ!!」と驚きの声が上がっていた。安藤は「素敵に成長していて嬉しい」と優しい笑顔を向けていた。


 終盤、本作品にちなみ、気になっている“ある〇〇”を披露する場面もあった。
 安藤は、最近Instagramを始めて、共演者の写真を撮って投稿している妻夫木に向かって「窪田くんの写真はインスタで見るんですけど、私の写真はなくて、その理由がずっと気になってて……」と疑問を投げかけると、妻夫木は「サクラちゃんの写真は、何かを食べてる時で、ムホッってなった顔しかなくて(苦笑)。そんな顔を載せるわけにはいかない」と理由を明かしていた。


 また、撮影中に安藤から「私、この仕事やめようかな~」と引退を示唆され、妻夫木は動揺し、本気で心配していたことを明かすと、安藤は「初日から自信を喪失していたんですが、現場を重ねていったら、今ではやっぱり現場が大好き!と思っていますと明るく答え、妻夫木を安心させた。
 最後に妻夫木は「この作品で、ダメな自分を認めてあげるのも大事だと気づかされました。意外と幸せってその辺に転がってるもんだなって。皆さんにとってもそういう作品になっていたら良いなって思います」と客席に向かってメッセージを伝えた。

登壇者:妻夫木聡、安藤サクラ、窪田正孝、清野菜名、小籔千豊、坂元愛登、石川 慶監督

(取材・文・写真:福住佐知子)

公開表記

企画・配給:松竹
全国公開中

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