イベント・舞台挨拶

『エンドロールのつづき』トークショー付き上映会

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 映画『エンドロールのつづき』のトーク付き上映会が1月21日(土)に新宿ピカデリーで実施され、監督のパン・ナリンと芸人のこがけんが登場!上映前の満員の会場でトークショーが実施された。

 観客の顔を見た監督は嬉しそうに、「本当に心から感動します。日本が大好きで数日滞在していますが、毎日感動しています。映画館に行くことが難しくなった時代でもありますが、皆さんは来てくれました。本当にありがとうございます」と感謝の意を述べた。また、インドの正装でもあるクルターという衣装に身を包んだこがけんが、衣装について「素晴らしい衣装で本当に嬉しいんですけど、インドのホテルのドアマンみたいになってる! そして、こういう人が出る映画ではありません! 小道具として渡されたランプ、これも映画に出ません!」と自ら突っ込みを入れ会場に笑いを起こすと、監督は、「素晴らしい!」と褒めつつ「そのランプを擦ると、スクリーンに素敵な映画が現れます」と、見事な返しでコメント。その内容に「ロマンチックじゃないとこんな映画撮れない!」と、こがけんを唸らせたシーンも。

 13年ぶりの来日だという監督に、日本でお薦めしたいところはあるか?とこがけんに聞くと「本作の見どころの一つとして、お母さんがつくる料理がありますが、僕がお勧めするのは下北沢にある『とん水』というご夫婦がやっている定食屋ですね。そこのナスを焼いて七味と醤油をかけたものがとても美味しい! ぜひ行ってみてください」と具体的にお勧めすると、監督もうんうん、と頷きながら聞いていたが「あとは北九州ですね。北九州が映画の撮影に協力的。どこでも爆破シーンを撮っていい。日本で爆破させたかったら北九州に行ってほしいなと思います」と撮影場所のお勧めには苦笑いをしていた。

 話題は映画マニアの監督に移り、どのような映画を観ているかと聞くと「観る立場という意味ではなんでも観ます。日本映画は『たんぽぽ』など観て、出てくる料理を食べてみたいなと思いました」と異文化を映画で学んでいたと回想。すると、こがけんが再度食の話題に戻し「この映画は、いわば“食テロムービー“といってもいいと思います。こんなに美味しそうな料理を綺麗に撮っているというところが素晴らしい!」と褒めちぎると、監督は「まさにその通りで、母の手料理というのは本当に美味しかったので表現したいとの思いがありました。キッチンも半分戸外で半分室内でしたので本作でも同じように表現しました。日本もイタリアも美味しいものがたくさんありますが、そういう国は文化や映画も素晴らしい。映画と食には何か関係があるんじゃないかと思います」と持論を展開した。

 映画を撮ろうと思ったきっかけは、久しぶりに故郷に帰り、劇中に登場する映写技師ファザルのモデルとなった友人との再会がきっかけだという監督。デジタルの波に飲まれて失職してしまった彼、そして映画監督を志していた子ども時代の思い出が合わさり、インドの地方で暮らす無垢な少年の映画を作りたいと思ったという。
 そんな監督にこがけんは「映画への愛情の深さにオーマイガー!です。映画好きというよりフェティシズムまでいっちゃっているのがすごい! 映画愛と行動力が合わさったときの破壊力。決して裕福な子ども時代ではないサマイと、映写技師との話が『ニュー・シネマ・パラダイス』を思い起こさせるんですけど、本作はとってもリアル。ファザルとのやりとりがとっても面白いし、またフィルム映画の幕開けから終焉まで巡っているのがすごい。そして……ラストは鳥肌がたったので皆さん楽しみにしてください!」と映画愛では負けてられないと、一気に本作の魅力を捲し立て、監督に「素晴らしい。私のエージェントになってください」と言わせるシーンも。

 世界中で観客賞を受賞した本作が米アカデミー賞©国際長編映画部門にノミネートも期待されていることについて聞かれると「映画が好きで、観客に観てほしいという思いから映画を作り始めたので、今日のように自分の作品を観たい人で映画館がいっぱいになる方がアカデミー賞©よりも重要でうれしいです。そして大好きな日本で公開されたことが賞をいただく以上のもの」とコメント。「常に観客の皆さんに自分の作品を届けたいという思いで映画を作ることからはブレないでいたい」との思いを観客に届けた。

 最後に、こがけんは「皆さんが思っているインド映画とは違うかもしれない。でもこれはパン・ナリン監督の映画愛がここまでいくんだ、ということを楽しみにしてほしい映画です。途中で眠ったりしたらオーマイガー!」とサービスたっぷりに伝えると、監督もこがけんに感謝の意をつたえつつ、「これから皆さんには映画を観ていただくわけですが、人に対してやさしい気持ちになり、笑って泣いて、最後にお腹を空かせて帰っていただければと思っています」と笑顔で締めくくった。映画愛の深い監督に、こがけんも観客もあたたかな気持ちになったトークショー。いよいよ公開された『エンドロールのつづき』をぜひお見逃しなく。

 登壇者:パン・ナリン監督、こがけん(芸人)

(オフィシャル素材提供)

公開表記

 配給:松竹
 2023年1月20日(金) 新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネリーブル池袋 他全国公開

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