イベント・舞台挨拶

『渇水』完成披露舞台挨拶

Ⓒ2022『渇水』製作委員会

 映画『渇水』の完成披露舞台挨拶が都内で行われ、生田斗真、門脇 麦、磯村勇斗、尾野真千子、山﨑七海、柚穂、高橋正弥監督、企画プロデュースを担当した白石和彌が登壇してクロストークを繰り広げた。

 本作は、1990年に第70回文學界新人賞受賞、第103回芥川賞候補となり注目を浴びた河林 満による「渇水」を映画化。映画監督・白石和彌が企画プロデュースし、髙橋正弥監督がメガホンを取った。刊行から30年の時を経て映画化となった。

 水道料金を滞納する家庭の水を日々停めて回る業務に就く水道局員が主人公。日照り続きの夏、料金を滞納する家庭を訪ねて“停水執行”をする水道局員・岩切俊作と、二人きりで家に取り残されている幼い姉妹の姿が描かれる。姉妹の姉・小出恵子を山崎七海、妹・久美子を柚穂が演じている。

 主人公の水道局員・岩切役を演じた生田は「自信をもって届けられる作品が出来ました」と熱く挨拶。

 製作経緯を聞かれた高橋監督は「1990年、日本はバブル期で裕福でしたが、本にはその裏にある格差や貧困について書かれています。それから30年経っても、まだその格差がなくなっていないことに深い思いを抱いて映画にしたいと思いました」と説明した。

 プロデューサーを務めた白石も「とにかく脚本が素晴らしかった。絶対映像化したいと思いました」と熱く語る。

 今作で高橋監督は、姉妹役の山崎と柚穂に台本を渡さない演出方法で、その場のリアルな感情を切り取ろうとした。

 生田は「彼女たちのシーンが浮かないように、リアルな生々しいお芝居が求められていたんだと思います。2人のリアルな芝居が浮かないように、僕自身にも生々しい芝居が求められました」と説明する。また、役柄の関係性から監督やプロデューサーから山﨑と柚穂とは『しゃべらないで』と言われおり、そんなことを知らない山﨑と柚穂が話しかけてきてもツレない態度で接していた自分に苦しんだという。「しゃべれなくて、心苦しかった」という葛藤を抱えた撮影期間を振り返った。

 それを聞いた山崎は「私は人見知りすぎて話せない部分があったので、どう皆さんと関係を作ればいいのか分からずにいました。役柄のうえではそれで良かったのかなと……」と冷静に分析する。柚穂は「間違えることもあったけど、周りのみんなが優しくサポートしてくれたのでうまくいきました」と、とびっきりの笑顔を見せた。

 役の関係上、ほかのキャスト陣と山崎たちがコミュニケーションを取れなかったことで、尾野が「弁当も2人は離れて食べていました。今回の経験が、財産になると思います。今後この子たちにとって大きなものになるんじゃないかなと思います」と優しいエールを送った。尾野は、息子を連れ実家に帰ったきり戻ってこない岩切の妻・和美を演じている。

 生田の同僚・木田拓次役を演じた磯村は「現場では、趣味の話をしたり、探り探り、様子見ながら話していく中で関係性が自然と出来上がっていきました」と話す。

 劇中、一緒に車で移動するシーンがあり、生田は「車中という狭い空間だから近くにいざるをえない。ずっとぐるぐる回りながら撮影していたので他愛もない話をしていくうちに関係性を築けました。暑かったよね~」と当時を振り返る。磯村は「現場がとにかく温かかったです。優しい空気が流れていました」と撮影時を振り返っていた。

 姉妹の母親・有希役を演じた門脇は「最後まで役がつかめなかったです」と困惑の表情を見せ、「(山崎と柚穂の)2人が日々姉妹のように仲良くなって、現場でも二人きりでいました。姉妹で一緒に遊んでいるシーンで、2人の小さい背中が夏の日差しに照らされている様子を見て胸が苦しかったです」と撮影時に思いを馳せていた。

 撮影期間は雨が多かったといい、生田は「『渇水』という映画で、撮影中ずっと雨だった(笑)。原因が生田斗真だったんじゃないかと」と苦笑する。

 雨ばかりで撮影が進まず、山﨑と柚穂がてるてる坊主を作って高橋監督に渡したようで、髙橋監督が「台本に挟んで『今日は晴れるぞ』と思いながら撮影に臨んでいたという。そのてるてる坊主を持ってきていた高橋監督はお披露目した。雨男の生田が思わず山﨑と柚穂に「ごめんねぇ~。雨男パワーがゴリゴリに勝っちゃって。申し訳ない」とあやまる場面もあった。

 今作は16㎜フィルムで撮影されており、門脇は「フィルムでの撮影はテンション上がりますよね~。監督の温かいお人柄が充満している現場で、仕上がった映画を観ても監督のやさしさが伝わりました」とコメントした。

 最後に、生田は「(山﨑と柚穂という)2人の新しい時代の女優さんを発見してもらう映画だとも思うので、彼女たちがいろいろな感情を爆発させている瞬間を目撃してほしいです」とアピール。さらに、「いろいろなジャンルの映画があると思いますが、一つひとつフィルムに刻んでいく映画を観るのは貴重な経験になると思います。楽しんでください」と客席に向かってメッセージを送った。

 登壇者:生田斗真、門脇麦、磯村勇斗、尾野真千子、山﨑七海、柚穂、高橋正弥監督、白石和彌(プロデューサー)

(取材・文・写真:福住佐知子)

公開表記

配給:KADOKAWA
2023年6月2日(金) 全国公開

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