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『かがみの孤城』フランス・アヌシー国際アニメーション映画祭 コンペティション部門 公式上映

©2022「かがみの孤城」製作委員会

 2018年本屋大賞を史上最多得票数で受賞した辻村深月のベストセラー小説を、當真あみ、北村匠海、吉柳咲良、板垣李光人、横溝菜帆、高山みなみ、梶 裕貴、芦田愛菜、宮﨑あおいなど豪華声優陣を迎え、『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』の原 恵一監督が劇場アニメ化した映画『かがみの孤城』。興行収入10億円突破の大ヒット作となる本作は、昨年12月23日の公開初日からの半年が経った今も、原 恵一監督による完全オリジナルで新たに製作したスペシャル映像「かがみの孤城の前と後」を本編に加えた特別上映が続いており、映画館で感動の輪を広げている。
 そしてこの度、フランスで開催中のアヌシー国際アニメーション映画祭(開催期間:6/11~17)のコンペティション部門に選出された本作の公式上映が、現地時間6月12日(月)10時より開始。上映前には渡仏した原 恵一監督が舞台挨拶を行った。
 上映が行われたのは、本映画祭最大のホール「grande salle」。キャパ900名が満席で埋め尽くされた会場に登壇した原監督は「またここに戻って来られて嬉しいです」とコメント。現代の日本の子どもたちの実情に触れながら観客に向けてスピーチを行ない、「私はメンターではなく、ただの映画監督です。でも、私は映画の力を信じています。映画には人の人生を変える力があります。この映画はフィクションで、ファンタジーですが、多くの事実も含まれています。もちろん、人生は甘いものではなく、公平ではありません。しかし、人生は時に美しく、時に素晴らしいものです。そして時に人生は、私たちに最高の瞬間を与えてくれます」と語った。


 映画上映中、客席からは涙で鼻をすする音も聞こえ、エンドロール開始から温かい拍手が送られた。場内が明るくなり、原監督が拍手に応えると、総立ちの観客からさらに歓声があがった。


 同映画祭は、1960年にカンヌ国際映画祭からアニメーション部門が独立して設立された世界最古かつ最大規模のアニメ映画祭。原 恵一監督の作品は、2011年『カラフル』で長編部門特別賞&観客賞、2015年『百日紅 ~Miss HOKUSAI~』で審査員特別賞を受賞。最高賞となる長編部門クリスタル賞(グランプリ)には、1993年『紅の豚』(宮崎 駿監督)、1995年『平成狸合戦ぽんぽこ』(高畑 勲監督)、2017年『夜明け告げるルーのうた』(湯浅政明監督)が輝いており、『かがみの孤城』でも受賞が期待される。授賞式は現地時間6月17日(土)20時より開始となり、発表が注目される。

原 恵一監督 舞台挨拶スピーチ全文

 またここに戻って来られて嬉しいです。
 今からお話をさせていただきます。
 この数字を見てください。
 昨年、日本では514人の子どもたちが自ら命を絶ちました。
 小学生や中学生、高校生の子どもたちです。
 1980年に統計を開始してから、過去最多の数字となりました。
 なぜ彼らはそんな結末を選んでしまったのでしょうか?
 学校や日本社会に、絶望したに違いありません。
 彼らは途方もない痛みの中、一人きりで逝ってしまったのです。
私たちは、514の未来を失いました。
 私たち日本人全員が、その責任を負っています。もちろん、私もです。
 私には彼らを止める術が分かりません。
 私はメンターではなく、ただの映画監督です。
 でも、私は映画の力を信じています。
 映画には人の人生を変える力があります。
 この映画はフィクションで、ファンタジーですが、多くの事実も含まれています。
 もちろん、人生は甘いものではなく、公平ではありません。
 しかし、人生は時に美しく、時に素晴らしいものです。
 そして時に人生は、私たちに最高の瞬間を与えてくれます。

 子どもたちへ
 君たちはこの馬鹿げた世界で生きています。
 でも、どうか恐れないで。君たちは一人じゃない。
 君たちの帰りを待っている人がいるのです。
 さあ、鏡の向こう側に行こう。

 登壇者:原 恵一監督

公開表記

 配給:松竹
 大ヒット公開中

(オフィシャル素材提供)

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