イベント・舞台挨拶

『大名倒産』トークイベント

©2023『大名倒産』製作委員会

 徳川家康の血を引くプリンス、そしてその仲間たちが藩の借金100億円を返すために奮闘する人生逆転エンターテイメント『大名倒産』。数々のヒット作を⽣み出しているベストセラー作家・浅⽥次郎のノンストップ時代⼩説「⼤名倒産」(⽂春⽂庫刊)を実写映画化した本作だが、先日公開を迎え、満足度93.6%、口コミ推奨度90.7%と観客から非常に高い評価を受け、じわじわと口コミが広がっている。

 この度、“きさぶ様“こと松平喜三郎役の桜田 通と前田 哲監督をゲストに迎え、トークイベント付き上映会が実施された。

 本編を観終えたばかりの観客で満席となった会場には、桜田演じる喜三郎こと“きさぶ様”たちの登場を今か今かと待ちわびる空気感に包まれていた。GReeeeNの主題歌「WONDERFUL」が会場に流れ、桜田 通と前田監督が登壇。

 まずはじめに一言挨拶。神木扮する小四郎の兄、松平家三男の喜三郎役を演じた桜田 通は「隣に神木さんも松山さんもいらっしゃらないのでちょっと心細いですが、監督がいらっしゃるということですごい楽しみにしておりました。最後までよろしくお願いいたします」と挨拶。続いて前田監督は「すごいアウェイ感(笑)。視線が全部こっち(桜田側)に向いているような……」とボソッと冗談混じりにつぶやくと「ここが一番ホームですよ!」とすかさず桜田がフォロー。会場にどっと笑いが起こり、トークイベントがスタートした。

 観終えたばかりの観客の反応が知りたいという桜田の「楽しんでいただけましたか?」という掛け声に応えるように会場いっぱいは大きな拍手に包まれた。複数回鑑賞したお客さんの中には、8回も鑑賞した人がいるということを知った監督は「今日はよく眠れそう」と大満足の様子。

 続いて、事前に公式SNSで募集した二人に聞きたい質問の中からランダムに選んで回答していくトークコーナーへ。
 「撮影中、松平兄弟の愛に溢れたエピソード」という質問に対し、監督は神木と桜田2人のシーンを挙げ、「実際にプライベートでも仲が良い二人の関係から滲み出る良さが表れていて、回を重ねるごとに良くなっていった」と撮影当時を回顧。桜田は松山について初共演とは思えないほどの空気感に驚いたと話す。「接しやすくしてくださった空気感だったり、僕とりゅう(神木)が話しているところにも自然と入ってきてくださった」と松山・神木のコミュニケーション能力の高さに驚きつつも、「そこに巻き込まれながら一緒に楽しめたので愛に溢れてる現場だと思った」と振り返った。

 続いての質問では本作の見どころの一つ、喜三郎がハイトーンで和歌を詠むシーンのボイス・トレーニング再現のリクエストが。監督の熱血指導のもと練習を重ねたという本シーン。「普段は撮る側だから恥ずかしい」と再現演技には照れ気味な監督の一方でやる気満々な桜田に押され、和歌シーンの練習風景を再現。 「春の野に幼きつくしの子どもらがぴょこぴょこ!顔を出すが如し」と喜三郎の和歌詠みが生披露されると、会場は待ってましたと言わんばかりの拍手で埋め尽くされた。

 さらに「喜三郎のスピンオフを作るとしたらどんな作品か?」という問いに対し、監督は「スピンオフはもう僕の中で決まっていて、元気になった喜三郎が殿になった小四郎の地位を取りに行くという設定のミュージカル映画」とまさかの回答。そこに合わせるように桜田はもう一度喜三郎を演じるとしたら、「今回はずっと病に臥せていたので、元気な喜三郎だったらどういうふうに外を歩くだろうなど考えていた。続編ではアクティブな部分をこだわりたい。和歌はラップ調かな、DJは新次郎(松山)かな」とノリノリで理想を語った。

 ここでサプライズ!“巻き込まれプリンス”松平小四郎役を演じた主演・神木隆之介から二人への質問ムービーがスクリーンで流れ、桜田は「この(サプライズ)演出は台本になかったぞ……」と驚きを隠せない様子を見せた。
 前田監督へは「撮影の時、“本番!よーいスタート”と基本的には言ったりすることが多い中、前田監督は毎回“ローリング!”とおっしゃるのですが、そう言い出したきっかけは?」という質問を投げかけた。それに対し監督は、「“カメラを回してください”という意味のローリング。かつてはフィルムだったため回してから少し間が必要だった。僕の場合は、役者さんと向き合いたいし集中してもらいたいところでローリングと合図をし切り替えている」と話した。自然に役に入ってもらいたいから最初にカチンコを叩かなかったり、シーンによってスタートの声色も変えているという前田監督のこだわりが語られた。
 続いて神木から桜田へは「桜田 通にとってプロフェッショナルとは?を伺いたいです。親友として仲良くさせていただいておりますが、がっつり共演させていただくのは今回が初めて。仲が良いからこそ安心してお芝居ができた部分はありますが、プライベートではお芝居のお話をしたことがありません。ぜひここで桜田 通のプロフェッショナルを聞きたいです。牧野まん……、小四郎の神木隆之介でした」と現在放送中のNHKの連続テレビ小説「らんまん」の役名を言いかけるという神木の小ボケにどっと湧く会場。そんな中で桜田は、「一人で喜三郎を作っていたわけでは無く、同じ空間にいるプロフェッショナルな方を信じて、一緒にその世界に入っていく」と自身のプロフェッショナルに対する考えを答えると、それに対し監督は、桜田の練習を繰り返す姿を見てその真剣さには驚いたと話す。

 そして最後に桜田は「映画が届いていることが何より嬉しくて、これからの自分の自信に繋がると思う。ここにいない神木隆之介はじめ、他の共演者たちやスタッフさん、取材をしてくださったライターさんも皆さん温かい方たちばかりで、そんな作品に携わることができて嬉しく、役者冥利に尽きると思う。公開してなおこんなにたくさんのお客さんが来てくださってとても嬉しい、きっと小四郎や喜三郎、新次郎も喜んでるんじゃないかな。また大名倒産の世界で生きることができる日があったら良いなと思います」と込み上げる想いを吐露した。


 前田監督は「通さんと出会えてよかった。喜三郎を膨らませていただいたことには感謝しかない。(観客に向けて)あと20回くらい観ていただければスピンオフも夢じゃないのかな」と挨拶。黄色い歓声と盛大な拍手に包まれる中、トークイベントは幕を閉じた。

 登壇者:桜田 通、前田 哲監督

公開表記

 配給:松竹
 大ヒット上映中!

(オフィシャル素材提供)

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