作品紹介

『草原に抱かれて』

イントロダクション

広大な内モンゴルの草原を認知症の進む母と旅するミュージシャンのアルス……

 ミュージシャンのアルスは、アルツハイマー病を患う母に対する兄の介護方法に不満を抱き、母と共に故郷の草原へ帰ることを決意する。アルスは、母の徘徊を防ぐため、母と自らを太いロープで括り、広大で荒涼とした草原を“思い出の木”を探す旅に出る。あたかもふたりが<へその緒>で繋がったかのようだ。ある種の不思議な“逆転”母子愛のような繋がりが、ふたりを草原の奥深くと導く。遥か彼方まで広がる草原、季節ごとのゲル(天幕)の移動、天地に感謝を捧げる祈りの作法……生と死が隣り合わせの世界に思わず見入る。フランスで映画を学んだ1990年生まれのチャオ・スーシュエ監督のデビュー作は、昨年の東京国際映画祭を始め、各国の映画祭で上映され話題となった。

伝統と現代の文化の交錯点をベテラン女優と若手俳優のタッグで描く

 監督の脇を固めるのはモンゴルが誇る女優、バドマ。ウルリケ・オッティンガー監督作“Johanna d’Arc of Mongolia”をはじめとして名だたる作品で主演女優を務めてきたバドマと、本作がデビュー作となるミュージシャン、イデルの共演は見ものである。シンガーソングライター、馬頭琴奏者、ホーミー・アーティストとして活躍してきたイデルは、本作内でも電子音楽から馬頭琴まで幅広い音色を響かせる。伝統、過去に帰りたい母と、現代の象徴とでもいえるアルスの二人が、物語に新鮮さを加えている。

内モンゴル自治区の広大な草原 その懐に抱かれるような心地よさ

 内モンゴル自治区フルンボイル市が舞台の本作。母の“思い出の木”を探す旅は、内モンゴル自治区の広大な草原を巡るロードムービーでもある。草原の美しい風景を映し出すのは、撮影監督ツァオ・ユー。『南京!南京!』(ルー・チューアン監督/2009年)でアジア・フィルム・アワード最優秀撮影賞、金馬奨最優秀撮影賞、サン・セバスチャン国際映画祭最優秀撮影賞他多数、『空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎』(チェン・カイコー監督/2017年)で金鶏奨最優秀撮影賞、アジア映画批評家協会賞最優秀撮影賞、『エイト・ハンドレッド 戦場の英雄たち』(クワン・フー監督/2020年)で北京電影学院アカデミー賞最優秀撮影賞ノミネートなど多数の受賞歴に輝く実力派である。

ストーリー

 内モンゴルの都会に暮らす電子ミュージシャンのアルス。人生に迷う彼の気がかりは兄夫婦と共に暮らすアルツハイマーを患う母だ。ある日、兄夫婦の家を訪れたアルスは、集合住宅の小さな部屋で、あたかも囚人のように一日を過ごす変わり果てた母の姿を目にする。息子の自分を認識できない母。見るに耐えかねたアルスは母を引き取り、母が求めてやまない故郷に連れ帰ることを決意する。
 草原の中でふたりだけの生活が始まるが、次第に母の病状は悪化し、徘徊を繰り返すように。ついにアルスは、母親が迷子にならないようと、縄で母と自分の体を結んでしまうのだった。まるで少女に戻ったかのようになっていく母を縛りつけたまま、ふたりは母の<思い出の木>を探す旅に出る。
 壮大な草原の上での伝統的なゲルでの移動の生活のなか、母は徐々に解放されていくのだったが、母の最期の時が近づいてくる……。

 (原題:脐带、2022年、中国、上映時間:96分)

キャスト&スタッフ

 監督・脚本:チャオ・スーシュエ
 プロデューサー:リウ・フイ、フ
 撮影:ツァオ・ユー
 音楽:ウルナ(Chahar-Tugchi)、イデル
 出演:バドマ、イデル

ギャラリー

予告編

オフィシャル・サイト(外部サイト)

『草原に抱かれて』(監督:チャオ・スーシュエ/96分/カラー/モンゴル語/2022年/中国)9月23日(土)K’s cinemaにてロードショー!!

公開表記

 配給:パンドラ
 9月23日(土)~新宿K’s cinemaにてロードショー、全国順次公開

(オフィシャル素材提供)

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