イベント・舞台挨拶

映画『岸辺露伴は動かない 懺悔室』ジャパンプレミア

© 2025「岸辺露伴は動かない 懺悔室」製作委員会 © LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社

 登壇者:高橋一生、飯豊まりえ、戸次重幸、井浦 新、渡辺一貴監督

 映画『岸辺露伴は動かない懺悔室』のジャパンプレミアが都内で行われ、主演の高橋一生と共演者の飯豊まりえ、戸次重幸、井浦 新とメガホンをとった渡辺一貴監督が出席してクロストークを行った。

 本作は、荒木飛呂彦の漫画「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズから生まれたスピンオフ作品「岸辺露伴は動かない」シリーズの実写映画化第2弾。(映画版第1作『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』は23年5月26日に公開)。原作エピソードの最初の一編となる「懺悔室」をベースに、特殊能力の“ヘブンズ・ドアー”の力で人の心や記憶や秘密を本にして読み、さらに自分の指示を書き込むこともできる岸辺露伴(高橋)が、イタリア・ヴェネチアで遭遇する奇妙な呪いについて描かれる。

 最初に登壇者がそれぞれに映画の注目してほしいシーンを説明。2020年のドラマ・シリーズ放送開始から、主人公の岸辺露伴を演じている高橋は「高橋一生役を演じさせていただきました岸辺露伴です。さっき取材されたときに、間違えて言ってみたら面白かったんでまた言ってみました(笑)」と挨拶。会場に笑いを誘った。注目シーンについて、高橋は子どもの頃から荒木作品の大ファンであることを明かし、「やっぱりポップコーン・バトルからの後半のバトルですね。 (「ポップコーンを投げて3回続けて口でキャッチできたら呪いは消える。しかし失敗したら最大の絶望を受け入れろ」という試練。)また、 原作にはない部分も白熱しています」と話す。

 ボブヘアでイメチェンの飯豊は、セクシーなワンピース姿で出席。担当編集者・泉 京花を演じた飯豊は、「注目していただきたいシーンは、この作品の大きなテーマでもある『幸せ』というものについてです。私が演じる泉が自分の意見を言葉にする場面があって、彼女の持つ明るさと、その裏にある邪悪さに、演じながら私自身も驚かされました。幸せの感じ方とか価値観とかは、人によって違うと思いますが、この作品の登場人物のキャラクターの幸せも、それを受け取る側によって全く異なる表情が見られると思います。そのそれぞれのキャラクターの幸せの形にもぜひ注目してみていただけたら嬉しい」と伝える。

 今回出演した井浦と戸次は子どもの頃から荒木作品の大ファン(オタク)であり、本作への参加に大喜び。

 懺悔室で自らの犯した「あやまち」を露伴に告白する謎の男・田宮役を演じた井浦は撮影現場について「みんなが、愛と敬意をもって映画を作ろうという熱い思いと高い志のある現場でした。皆さんウェルカムの雰囲気で受け入れてくださって肩がほぐれました」と感謝を伝える。続いて、「お二人(高橋と飯豊)は出番がないときもそれぞれ見に来てくださったりして、自分も出番じゃない時に見に行っちゃったりして……。この一座の中に入って作品作りをしていくことが幸せでした」と撮影を振り返った。

 田宮が告白する恐ろしい話のカギを握る浮浪者・ソトバ役の戸次は、「絶対どのシーンに、誰役で出ているか分からないと思うので、注目して観てくださいね」と観客にお願い。「自分で言うのもなんですが、僕って、ちょっとだけカッコいいじゃないですか(笑)。ですから、オファーされて驚きましたが、メイクさん、衣装さんのおかげで役になりきれました」と話した。浮浪者役で大変身している戸次に注目。

 高橋は日本語のセリフをイタリア語にして話したいと考え、自ら変更を申しでたことを明かし、「自業自得なんですが、長いセリフになってしまい、『言わなければ良かった』と後悔しましたが、リズム感を大事にしたかったので、そのままやらせていただいきました」と苦労を吐露した。

 映画版第2作となる今回は、漫画シリーズの記念すべき最初のエピソード「懺悔室」を原作に、邦画初の全編ヴェネチア・ロケが敢行された。ロケを振り返り、飯豊は「ヴェネチアでのオールロケという貴重な経験をさせていただきました」と大喜び。また、自身が演じる泉 京香の衣装について「本作では人間の二面性、光と影を衣装にも含めていたのが印象的でした。ショッキングピンクの衣装は、泉くんが持つ生命力の象徴で、黒と白のフリルのトップスは泉くんなりのフォーマルへの敬意。リボンは彼女のファッションに対する敬意を、攻めながらも込めています」と力を込めて話した。

 また、飯豊は、井浦と戸次についても話す。過去に数度、共演経験のある戸次については「毎回、全く異なる役を演じられて、幅の広さに驚かされます。今回も全身で役を生きていらっしゃって、漫画から飛び出してきたような説得力がありました」と絶賛。

 井浦とは初共演で「食事休憩でお話をさせていただき、『この人、ジョジョ愛がある!』と思って心の中でガッツポーズしました」と笑顔で話す。「命をかけて向き合ってくださる姿が、この作品に大きな力を与えてくださった。とても心強かったです」と感謝していた。

 渡辺監督は、撮影について「半年前なんですけど、昨日のような気もするし、3年前のような気もします。不思議な気持ちです」と振り返る。見どころを聞かれると、「ラスト・シーンがとても好きです。映画はその瞬間にしか撮れないシーンを切り取っていく作業なんですが、ラスト・シーンでは、あの日のあの時間帯でしか撮れないものを一発本番で、しかも一生さんがアドリブをぶっこみながら(笑)撮れたシーンです」と、手ごたえを伝えた。

 この日は、原作者の荒木からコメントが届くサプライズがあり、高橋が代読する場面かあった。「『短編』だった作品の『岸辺露伴』が大きく広がっていくことがとても感慨深いです。旅情豊かで、人生があって、香り高い宝石のような第一級のサスペンス作品。私たちの目指すところはそこだからです」という荒木の言葉に、高橋は「飛呂彦さんがおっしゃる“私たち”に、僕らも含まれているのかと思うと身が引き締まる思いです」と話し、「期待に応える作品になった」と自信をのぞかせる。

 その後、荒木氏からの書下ろしのイラストが贈られ、ビックリした高橋は「ヒャ~。ウワ~! スゴーイ!」と驚きを口にし、「こんなありがたいことはないですね!」と感激しきり。荒木氏のイラストは、ヴェネチアの運河を航行するゴンドラに乗った岸辺露伴を描いたもの。キャスト陣も皆でかわるがわる手に取り大感激たった。

 最後に高橋は「縁と奇跡に恵まれた5年間。確実に相互関係というのがあります。チームとして作品を作っていて、その相互関係がない限りここまで作品が長く続くことはありえないと思ってます。この幸運を、皆さまと分かち合うことで、絶望しなくなるんだと思ってます。ヴェネチア、飛呂彦さんの作品、そしてチームが紡ぎ出した作劇に酔いしれてください!」とファンへ感謝を伝えた。

 (取材・文・写真:福住佐知子)

公開表記

 配給:アスミック・エース
 5月23日(金) ロードショー

(オフィシャル素材提供)

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