インタビュー

『年少日記』ニック・チェク監督 インタビュー映像&著名人コメント解禁!<全6種のアザービジュアル>も到着

ALL RIGHTS RESERVED © 2023 ROUNDTABLE PICTURES LIMITED

 第60回金馬奨で観客賞と最優秀新人監督賞を、第17回アジア・フィルム・アワードで最優秀新人監督賞を受賞した映画『年少日記(原題)』(英題:TIME STILL TURNS THE PAGES)が、邦題『年少日記』として、6月6日(金)より全国公開!

“痛み”と“後悔”を背負った高校教師が
少年時代の日記をきっかけに記憶を辿っていく――

 苛烈な競争社会において子どもが受けるプレッシャーや家庭内暴力など痛切な現実を描きながら、兄弟が魅せる純粋で切ない幼少期の記憶に胸を打つ本作。第36回東京国際映画祭の上映時には、「今年のベスト」「涙が止まらない」と称賛され、多くの観客を魅了した。
 『SPL 狼たちの処刑台』にて脚本を務めたニック・チェクが本作で監督デビューを果たし、脚本と編集も自らが務め、その巧みな構成と細やかな表現がアジア圏の映画祭を中心に高く評価され、第60回金馬奨で観客賞と最優秀新人監督賞を、第17回アジア・フィルム・アワードで最優秀新人監督賞を受賞。『ある殺人、落葉のころに』や『母性のモンタージュ』に出演し、監督・撮影監督としても活躍するロー・ジャンイップを主演に迎え、痛切な苦しみを繊細に描いた感涙ドラマが誕生した。

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 この度解禁されたのは、ニック・チェク監督とデレク・イー プロデューサーのインタビュー映像。脚本家として活躍してきたニック・チェクは本作が監督デビュー作となるが、自身の経験を元にオリジナル・ストーリーを書き上げたという。インタビュー映像冒頭では撮影現場で涙を浮かべる監督の姿が映し出される。監督は「子どもや若者を思いやってほしい、というメッセージを込めた」と説明する。さらに、監督・脚本家としてのキャリアもあるデレク・イー(『新宿インシデント)は、本作で提示する家庭や学校教育の問題は世界で共通していることを指摘する一方で、本作は何かを批判したいわけではなく、「ある事柄を映画で描くことにより、社会・家庭・子を持つ人に違う考え方や見方を提示している」と付け加える。

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 また、子どもならではの“不安”と大人になってからの“痛み”を映し出すアザービジュアル全6種が解禁。「なりたい大人になれなかったら?」とふと将来を不安に思う様子や、父親からの厳しいしつけに耐えながら先生だけでも悲しみに気づいてほしいと願う様子、自分が消えてしまってもすぐに忘れられてしまうだろうと涙を流す姿など、幼少期の苦しみや不安を捉えた。大人になった主人公は、遠くを見つめながら思い悩み、どこか人生に諦めを感じるビジュアルだ。一方で兄弟が並び「大丈夫」と見守る様子は二人の間の絆を感じさせる。

 さらに、本作に惚れ込んだ著名人からも続々と称賛コメントが到着。本年9月に公開を控える映画『ふつうの子ども』の監督を務め、2児の母である呉 美保は「開かれた我が子の未来を願うなら、心をえぐられながらも、けして目を背けずに、この映画を観てほしい」と本作を推薦する。また、『トワイライト・ウォリアーズ 決戦! 九龍城砦』をきっかけに香港映画に注目するぼる塾の酒寄希望・田辺智加は「この作品を観て、過去はいつも今に寄り添っているのだと気づかされました。全てが分かったとき、涙が止まりませんでした」(酒寄氏)、「一生懸命やってもどうにもならないこともある、だけど誰かに認めて欲しい。一言助けて、と言えたなら」(田辺氏)と本作で描かれる苦しみについて言及した。

コメント全文

呉 美保(映画監督)
 子は親の所有物ではなく、別の人格だ。頭では理解できてもほとんどの親はその距離感に苦しんでいるだろう。開かれた我が子の未来を願うなら、心をえぐられながらも、けして目を背けずに、この映画を観てほしい。

ぼる塾 酒寄希望(芸人)
 日記は思い出です。文字になった時点で全てが過去になります。過去はもう過ぎ去ってしまったものです。ですが、この作品を観て、過去はいつも今に寄り添っているのだと気づかされました。全てが分かったとき、涙が止まりませんでした。私には優秀な兄がいます。私は優秀ではありません。それでも私は兄が好きです。

ぼる塾 田辺智加(芸人)
 親子、兄弟の関係が自分が過ごしてきた環境とは全く違いました。親、少年が背負ってきたものを考えると涙が止まりません。僕はどうでもいい存在。というとても気になる台詞がありますが、そう思う人を1人でもなくしたい、そんな人に全力で手を伸ばしてあげられる人になる!と思いました。

折田侑駿(文筆家)
 誰かが自ら命を絶ったとき、私たちはいつもその理由を探ろうとする。やがてそれらしい原因を見つけてきては、勝手に物語を作り上げ、とりあえず納得しようとする。けれども理由も原因も、ほんとうのところは分からない。ただひとつ分かっているのは、一般的に「自殺」とされるもののほとんどが、この社会からの「他殺」だということだ。そんな社会に立ち向かっていくにはどうすればいいか。その手がかりが、この映画のラストにはそっと差し出されていると思う。

瀧本幹也(写真家・撮影監督)
 日記の内容が切なく、何度も胸が締めつけられた。手持ちカメラのワークは物語の緊張感を見事に際立たせており、後半の展開から目が離せなくなった。また、子どもの表情が非常にリアルに描かれており、これが監督デビュー作とは思えないほどの完成度に驚かされた。これからの映画界を新たに牽引していくであろう、ニック・チェク監督の今後の作品に注目したい。

SYO(物書き)
 現実は過酷だ。持たざるままでは競争を勝ち残れない。だから――。子の幸福を願う親心のはずが本人の今を奪い、将来をも蝕んでいく。観賞中、心が絶え間なく傷んだ。決死の手紙を受け取った気がした。そして誓った。独りにしないと。人と社会を動かす力を宿した一作。

宇垣美里(フリーアナウンサー・俳優)
 過剰なプレッシャーと絶え間ない否定、どこにも味方がいない世界は灰色で、冷たい。触れた先から切れてしまいそうなほどの絶望にじくじくと心が痛む。否定しないでよ、認めてよ。できたら愛して。かつてのあの子が泣き出しそうになるから、あわてて蓋をした。

中井 圭(映画解説者)
 勝ち負けしかない苛烈な競争社会におけるプレッシャーと、その醜さが収斂する先にいる子どもたちの痛切な苦しみ。こんな時代に我々は他者とどう向き合うべきか。悲劇を他人ごと化させない繊細で巧妙な脚本構成と、劇中反復するドビュッシーの「夢想」。上映が終わっても、心の中で響き続ける。

ISO(ライター)
 この社会に自分の席がない。誰にも必要とされない。一度世界がそう見えてしまうと、たちまちほかに何も考えられなくなる。寄る辺を絶たれ希望を失いゆく少年の孤独が、誰とも交わらない目に映る。少年の逃げ場所は大声で叫んでも誰も気にしない秘密基地。もし叫び声を誰かが聞いていたのなら。聞いてくれる人がいると少年が知ることができたなら。大勢の痛みを代弁する彼の姿に、そう思わずにいられなかった。

奥浜レイラ(映画・音楽パーソナリティ)
 幼いうちから人と競って順位が出る社会に身を浸すことは、成長にどれだけの影響を与えるか。「厳しくするのはあなたの幸せのため」愛情を装った、暴力による支配に何度も胸がつまる。これが長編デビューとなったニック・チェク監督の分身のような高校教師の姿は痛々しくも映るが、悲劇の連鎖を絶とうという祈りが本作の強度を高めている。“どうでもいい存在”なんてどこにもいない。

伊藤さとり(映画パーソナリティ・映画評論家)
 子どもの気持ちを知らない大人は、どれくらい居るのだろうか。いや、今でも子どもの気持ちを知ろうと頑張っても頑張っても本当の気持ちにたどり着くまでには、時間と労力が要る。だからこの映画を観て気づかされ、心から感謝した。私は自分と子どもに精一杯、だけどまだまだ足りない。映画では、そこ知れぬ悲しみに向き合うことになるが、だからこそ命を輝かすために大切なことが、溢れるほど詰まっている。私のような大人たちに、特に観てほしい。

公開表記

 配給:クロックワークス
 6月6日(金)より新宿武蔵野館ほか全国公開

(オフィシャル素材提供)

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