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『レオ:ブラッディ・スウィート』特別先行上映会

© Seven Screen Studio

 登壇者:小尾 淳(インド文化研究家、本作字幕監修)

 『囚人ディリ』、『ヴィクラム』のローケーシュ・カナガラージ監督が、『マスター 先生が来る!』に続き再びヴィジャイとダッグを組んだインドの大ヒットクライム・アクション『レオ:ブラッディ・スウィート』(原題:LEO/配給:SPACEBOX)の特別先行上映会が、埼玉のSKIPシティービジュアルプラザ映像ホールで13時から行われ、上映後にインド文化研究家、本作の字幕監修:小尾 淳氏によるトークショーが行われた。

 司会から「小尾さんは、本作を含めローケーシュ・カナガラージ監督の『囚人ディリ』、現在公開中の『ヴィクラム』の3作品の字幕監修をご担当されています。まず、『レオ』をご覧になったご感想をお聞かせください」と聞かれると、「皆さんご存じのように、本作はローケーシュ監督がデヴィット・クローネンバーグ監督の『ヒストリー・オブ・バイオレンス』に着想を得て製作されました。比較して観ましたが、ヴィジャイがカリスマ性がすごく、平凡な男と何度も言われているが、全然平凡ではありません。監督のインタビュー映像を探して見てみたのですが、平凡な男パールディバンを8割描いたということです。レオの見分け方、どこでレオになるのかというところですが、グレーな境界線はあるのですが、レオはチェーン・スモーカーというところがポイントだということです。ワシがいい動き、役割をしています。最後にたばこをふかし交信するシーンがあります。鷲は30年ぐらい生きるので、20年前のレオのことを覚えている。あらゆる動物と交信できるようなキャラクター設定にしたと話しています。ブチハイエナが大きな存在感を持つのですが、名前がスブラマニと言い、少し神様的な名前かと思いました。スプラマニとかチュプラマニとか、ヴィジャイの発音がセリフによって違ってくる。字幕翻訳家の渡辺はなさんや配給さんと話しました。タミル語はスとチュ、ブとプを同じ文字で表します。渡辺さんがチュプラマニのほうがかわいいのではということでその表記を採用しました。皆さんにかわいいと思っていただければと思っています。チュプラマニは、カマル・ハーサンの映画『三つ目の三日月』(原題:Moondram Pirai/ 1982/未)いう作品の中でシュリデヴィが飼っていた犬の名前ではないかというトリビアがあります。ヴィジャイの一人二役が印象的でした。『カッティ 刃物と水道管』のカディルとジーヴァ、『ビギル 勝利のホイッスル』のラーヤッパンとマイケル・ラーヤッパンと、非常に巧みに演じ分けられたヴィジャイですが、今回は過去を封印して平凡な男を演じています。家族にも完全に封印している。サティヤに“何で疑うんだ”と泣いていたシーンがあり、最後までどっちなんだ、レオは誰なんだと考えながら見ていました。ワシに関しては、『ヴィクラム』で置物が出たり、オープニング曲のタイトルにも使われたりしている。ヴィクラムはヴィシュヌ神に関係している部分もあります。『ヴィクラム』と『レオ』の関係性も、そこからワシが関係していると読み取れる。ラスト近くで電話がかかってくるシーンで、その声が誰なのか、ワシだけが知っている。ローケーシュ監督の張り巡らせた謎解きに夢中になりました」と語った。

 続いて、小尾さんの後について観客席の皆さんも印象的なセリフをタミル語で話したり、ヴィジャイ演じる主人公のキーになるタバコの銘柄に関するトリビア、作品の中に見るインドの風習の話等で、楽しいトークは終了した。

 321席の座席はほぼ満席、主演のヴィジャイ人気の高さを反映してか、8割が女性だった。

 『レオ:ブラッディ・スウィート』は、6月20日(金)より新宿ピカデリー他にて全国公開。

公開表記

 配給:SPACEBOX
 6月20日(金)より新宿ピカデリーほかにて公開

(オフィシャル素材提供)

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