
第75回ベルリン国際映画祭にて、ノルウェー映画で初めて最高賞<金熊賞>を受賞したダーグ・ヨハン・ハウゲルード監督の『DREAMS』が、トリロジーとして制作された『LOVE』『SEX』と共に、特集上映「オスロ、3つの愛の風景」として、3作品を一挙公開。
9月5日(金) よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショーとなる。併せて特集上映ビジュアル、予告編が解禁された。
第75回ベルリン国際映画祭でノルウェー映画初の最高賞<金熊賞>受賞!(DREAMS)
イングマール・ベルイマン、アキ・カウリスマキ、ヨアキム・トリア―に続く、北欧映画界の知られざる名手、ダーグ・ヨハン・ハウゲルード監督の長編作が日本初上陸!
ベストセラー小説家や図書館の司書といった異色の経歴を持ちながらも、長編映画デビュー作「I Belong」(英題/2012)や「Beware of Children」(英題/2019)がノルウェー・アカデミー賞(アマンダ賞)を席巻するなど、北欧映画界ではその確かな実力が評価されてきたダーグ・ヨハン・ハウゲルード。トリロジーとして発表した『SEX』で昨年の第74回ベルリン国際映画祭にてエキュメニカル賞を含む3部門を受賞、『LOVE』では第81回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に出品、そして『DREAMS』では今年の第75回ベルリン国際映画祭にてノルウェー映画初となる金熊賞という快挙を成し遂げ、世界的な映画監督の仲間入りを果たした。歴代の名匠たちに続く北欧映画界の知られざる名手の渾身の3作品が、満を持しての日本初劇場公開となる。
これまでにない感情に出会うとき、人は何を考え、どんな言葉を交わすのか――
自然と文化の美しい街、オスロから届く「恋」「愛」「性」にまつわる3つの“風景”。
女性教師に恋をした17歳の少女の赤裸々な初恋手記をめぐる『DREAMS』、2人の医療従事者がさまざまな愛の形を模索する『LOVE』、妻子がいる男性がとある体験から“らしさ”を再考する『SEX』。3作に共通するのは、自らの心の奥底にある欲望に気づいた人々が繰り広げる、ウィットに富んだ会話の数々。正義のジャッジを下すことなく、これまでに刷り込まれてきた価値観と内から湧き出てくる感情を、穏やかに、時には葛藤し紐解いていく人々の姿にわたしたちは共感し、戸惑い、そして未知の刺激と余韻に出合う。さらに、日常的に使用されるフェリー、ランドマークであるオスロ市庁舎、煙突のある家々など、ノルウェーの首都・オスロならではの自然と文化が融合する美しい景色が広がり、人々の優しくささやかな営みを映し出す。エリック・ロメールから多大な影響を受けたというハウゲルードが描く、現代社会で生きる人間の”おかしみ”をご堪能あれ。
特集ビジュアル&予告編が解禁!
特集ビジュアルは、大きく映る『DREAMS』の主人公ヨハンネの虚ろな表情が印象的。
『DREAMS』では緑色のマフラーをしたヨハンネの恍惚とした表情、『LOVE』では主人公のマリアンヌとトールが向かい合い、『SEX』には煙突そうじ人の2人が屋根で話し込んでいる姿が。「恋」「愛」「性」という答えのない永遠の問いを探求する珠玉の3作品の各ビジュアルは、続報をお楽しみに。
予告編について、『DREAMS』では初めての恋に夢中になる主人公ヨハンナの姿と、彼女が書いた手記を見た母と祖母が翻弄される姿が映し出され、3世代の思いもよらない物語の展開を匂わせる。続く『SEX』は妻子がいる男性の「男とセックスをした」という衝撃の発言から、さらにそれを妻にも話したと飄々と告げ、次から次へと意表を突かれるような会話が起きることを予感させる。『LOVE』では、「結婚する必要はない」と言い切るもどこか迷いがある女医のマリアンヌの姿が映し出され、愛することに不器用な大人たちが本音をさらけ出すしっとりした物語を想起させる。初めての感情に出会った主人公たちのその先の物語を予感させる予告となっている。
作品紹介

(原題:Drømmer|英題:Dreams[Sex Love]、2024年、ノルウェー、上映時間:110分)
女性教師のヨハンナに初めての恋をした17歳のヨハンネは、この恋焦がれる想いや高揚を忘れないようにと自らの体験を手記にする。そしてこの気持ちを誰かに共有するため詩人の祖母に手記を見せたことから、物語は思いもよらない展開へと進み始める。
ヨハンネが経験するのは、誰もが一度は経験したことのある相手の一挙手一投足に対する期待や不安、過度な妄想、理不尽な嫉妬などあまりにも無垢な初恋。そしてその気持ちを秘密にしておきたい、でも誰かに共有したいという矛盾した思いが、祖母や母を巻き込み、ヨハンネの手から離れた手記の行方が、モノローグで綴られる。娘の手記を見て、詩人の祖母は自らの女性としての戦いの歴史を思い出し、母は“同性愛の目覚めを記したフェミニズム小説”と称し、現代的な価値観にあてはめようとする。3世代で異なる価値観を持つ3人が初恋手記を通して辿る運命は――。今年のベルリン国際映画祭でノルウェー映画初の金熊賞を受賞した珠玉の1作。
監督・脚本:ダーグ・ヨハン・ハウゲルード
出演:エラ・オーヴァービー 、セロメ・エムネトゥ、アネ・ダール・トルプ、アンネ・マリット・ヤコブセン
配給:ビターズ・エンド
後援:ノルウェー大使館

(原題:Kjærlighet|英題:Love、2024年、ノルウェー、上映時間:120分)
泌尿器科に勤める医師のマリアンヌと看護師のトール。共に独身でありステレオタイプな恋愛を避けている。マリアンヌはある晩、友人から紹介された男性と対面するが、子どもがいる彼との恋愛に前向きになれない。その後乗ったフェリーで偶然トールに遭遇すると、彼はマッチングアプリなどから始まるカジュアルな恋愛の親密性を語り、マリアンヌに勧める。興味を持ったマリアンヌは自らの恋愛の方法の可能性を探る。一方トールはフェリーで知り合った精神科医のビョルンを偶然勤務先の病院で見かけ――。
出会いが多様化した現代の恋愛観がリアルに映し出されており、主人公たちは劇中に度々登場するフェリーのように本能と理性をゆっくり行き来しながら、しっくりくる「愛し方」を探す。恋愛に不器用な大人たちが、静かな本音をさらけ出しながら、あらゆる“愛”を肯定し模索する、3作で最も今を映し出した1作。第81回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門出品作。
監督・脚本:ダーグ・ヨハン・ハウゲルード
出演:アンドレア・ブレイン・ホヴィグ 、タヨ・チッタデッラ・ヤコブセン、マルテ・エンゲブリクセン、トーマス・グレスタッド、ラース・ヤコブ・ホルム
配給:ビターズ・エンド
後援:ノルウェー大使館

(原題:Sex|英題:Sex、2024年、ノルウェー、上映時間:118分)
煙突掃除を営む妻子持ちの2人の男。ひとりは客先の男性との思いもよらない一度きりのセックスを通じて新しい刺激を覚えるが、悪びれることなく妻にこの体験を話してしまったことで夫婦間がこじれてしまう。もうひとりはデヴィッド・ボウイに女として意識される夢を見て、自分の人格が他人の視線によってどう形成されていているのか気になり始める。良き父、良き夫として過ごしてきた2人は、衝撃的な出来事がきっかけで自らの“男らしさ”を見つめ直すようになる。
当たり前だと思っていた自らの性を疑う出来事を語る会話のなかには「どこからが浮気か」「夢は現実世界にどんな影響を与えるのか」といった誰もが一度は考えたことのある普遍的なテーマが散りばめられている。また“セックス”や“セクシュアリティ”といったデリケートな話題を出しながらも、飄々と会話する登場人物たちはどこか滑稽でオフビートな空気を纏う。3作で最もコメディタッチな異色作。第74回ベルリン国際映画祭でエキュメニカル審査員賞を含む3部門を受賞。
監督・脚本:ダーグ・ヨハン・ハウゲルード
出演:トルビョルン・ハール、ヤン・グンナー・ロイゼ、シリ・フォルバーグ、ビルギッテ・ラーセン
配給:ビターズ・エンド
後援:ノルウェー大使館
特集上映「オスロ、3つの愛の風景」
9月5日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー
公式サイト:bitters.co.jp/oslo3/(外部サイト)
公式X: @BittersEnd_inc
配給:ビターズ・エンド
(オフィシャル素材提供)