イベント・舞台挨拶

『フロントライン』大阪舞台挨拶

© 2025「フロントライン」製作委員会

 登壇者:窪塚洋介、近藤久禎医師、関根光才監督

 6月13日(金)より劇場公開し、初週から大ヒット・スタートとなった『フロントライン』。6月21日(土)に大ヒットを記念して大阪で舞台挨拶を2回実施。上映終了後の劇場に登壇した、DMATの隊員・仙道を演じた窪塚洋介、仙道のモデルとなった近藤久禎医師、本作のメガホンをとった関根光才監督は大きな拍手で迎えられた。

 大阪在住の窪塚は「(大阪に住み始めて)13年ぐらいになるので、ナビを使わずに運転できるようになりました(笑)。関西圏の雑誌で連載もさせていただいていて、総集編が本になって発売になると思うので楽しみにしていてください」と告知をしたところで、客席から「見てます!」との声が。「ありがとうございます! 感謝!」と窪塚が返し、アットホームな雰囲気に。

 大阪で窪塚が舞台挨拶に立つことが決定し、急遽駆けつけた近藤医師。DMATとして全国を飛び回りいろんな現場を経験するなかで「実際に一番大変だったのは1年後の大阪で流行り出した変異株だったかと思います。大阪の全ての救急車は現場で2時間以上スタックしてる、クラスターも40を超えるという状況で我々も支援に入らせていただきました。実際に船で一緒に対応していた医師も何人かいて、そんな中でも、医療事業の福祉の方が患者さんのために何ができるかと考えていただいて。大阪のスタッフの方々と一緒に乗り越えたというのは思い出になってます」と大阪で対応にあたった時のことを振り返った。そして、「太陽の塔」のドキュメンタリーなど大阪にゆかりのある作品を制作していた監督は「大阪には何度も足を運んでいて、毎回ほっとして。普通にご飯食べていてもコミュニケーションしてくれるので有難いですね」と大阪の魅力について語った。

 今回は2回とも上映後の舞台挨拶ということで今だから話せるQ&Aのコーナーを実施! 最初に手を挙げた方から「私事なんですけれども、先日妻が妊娠していることが発覚しまして、窪塚さんのファンなんで何か一言いただけたらと」というリクエストに窪塚は「おめでとうございます! 夫婦は向かい合うな、寄り添えということでかれこれ10年ほど仲良くやっております。向き合うと嫌なことが見えたりするけど、寄り添うと前向きな話をするといのがあって。それは、大きな現場で100人と一緒に仕事をしている時も、100人一列になって同じ方向を見てるっていう気持ちでいるようにしていて。自分自身にも寄り添うという感覚でやっています。バー・カウンターの法則というんですけど。そんな感じで仲良くやっていっていただければなと思います」と俳優としての現場での心構えも交えながら窪塚ファンという夫婦にエールを送った。

 続いて「何を大事に作品を作っていったのか」という問いに、「近藤先生がモデルになった仙道という役だったんですけど、今回は近藤先生になるというアプローチではなくて、近藤先生が体験したことを仙道として追体験するみたいなことでした。DMATの方は忙しいのにいつもどなたかは現場にいてくださって監修していただきました。一心同体という感じで安心感が本当にありました。監督がOK出してもDMAT的におかしいところがあったら絶対言ってくださいってお願いしてたんです。そのリアリティは胸を張って良いんじゃないかと思ってます」と撮影の様子を窪塚。近藤医師は「友人からいろいろ感想を聞いていると窪塚さんのしゃべり方がなぜか僕にそっくりだと(笑)。それはどちらかと言うとしゃべり方というよりも、我々が何を大切しているのか、それを分かっていただいているから特徴とかも出てきたんじゃないかと思います」と周囲からの感想を受けて気づいたポイントを明かした。

 そして、1回目の会場を後にした三人は次の会場に到着。こちらでも映画を見たばかりの感動に包まれた雰囲気のなか大きな拍手で迎えられた。

 この日2回目に行われたQ&Aでは、最初に「素晴らしい映画を作っていただいたことに感謝いたします。私も医療関係者で、自分の勤めてる地域のコロナ患者さん第1号を受け入れた病院に勤めていたんですけれども、やっぱりその時の誹謗中傷だったりとか、差別を受けたり、すごい電話の対応とかも大変で、実際に同僚が保育園断られたりとか、本当に現実的なリアルな話を見ても、走馬灯が走ったぐらいでした」との感想が上がり、近藤医師は「ダイヤモンド・プリンセス号だけじゃなくて、特に受け入れた病院もそうだったんですよね。自分たちが起こしちゃったというような罪悪感があったりします。誰も悪くないんだよって、運が悪かっただけだって言って声をかけると、その時点でもう泣き崩れちゃう方もいました」とパンデミックが起きた当初の状況にもふれ、窪塚も「他の映画にはなかなかないなと思うのは、この映画の中に自分も登場人物として参加してるっていう。5年前のことなんだけど、やっぱりすごい強烈な時間だったから、すごく親近感を持って見ていただいて。映画の力というのを感じています」と誰もが経験したことを題材とした本作のポイントを話した。

 関根監督は「やっぱり差別って本当に身近にあるっていうか。知らない間に自分たちが差別をする側に加担している可能性がすごくある。だからこの映画ではできるだけ善悪というか、そういうことを描かないようにしておりました。自分はどうだったかなというのを振り返られたら。明日の見え方が変ってくるのではないかという思いがあります」と制作する上で本作に込めた思いを明かした。

 語り合う感想や質問が尽きず、窪塚は「ちょっとなんかもう、もう1回観ましょうか」と笑いを誘いつつ時間が許すまでQ&Aが続き、観客と登壇者が直接言葉を交わし合う熱い舞台挨拶となった。

公開表記

 配給:ワーナー・ブラザース映画
 絶賛上映中

(オフィシャル素材提供)

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