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『じょっぱり―看護の人花田ミキ』International Festival of Red Cross and Health FilmsにてRed Cross Special Award(赤十字特別賞)を受賞!

© stormpictures

 ブルガリアのヴァルナにて開催された第21回International Festival of Red Cross and Health Films(国際赤十字・健康映画祭)において、映画『じょっぱりー看護の人花田ミキ』(監督:五十嵐匠)が、Red Cross Special Award(赤十字特別賞)を受賞した。
 本作は、戦後の混乱期に青森で命の現場を支え続けた実在した看護師・保健師の花田ミキの生き様を描いた映画。社会的に弱い立場に置かれた人々に寄り添い、「看護」とは何かを問いかけ続けた彼女の姿が、国際的にも高く評価された。

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映画祭概要

 International Festival of Red Cross and Health Filmsは、ブルガリアのヴァルナで開催される国際映画祭で、赤十字の理念に基づき、「人道支援」「医療」「社会的弱者の保護」などをテーマにした映画が世界中から集まります。カンヌ、ヴェネツィア、サンセバスティアンなどの映画祭と同様に「A」カテゴリーに分類されています。
 1965年に始まり、隔年開催されており、平和や人間の尊厳を訴える作品に光を当てる場として高く評価されています。Red Cross Special Awardは、赤十字精神を最も体現した作品に贈られる特別な賞です。

【イルコ・ラエフ International Festival of Red Cross and Health Films ディレクターによる受賞理由コメント】

 映画『じょっぱり―看護の人花田ミキ』は、三世代の交流を通じて、戦後の日本において赤十字の精神を体現した看護師・花田ミキさんの物語を描いています。彼女は赤十字の看護師として訓練を始めた当初は、赤十字運動そのものに特別な関心があったわけではありません。しかし、保守的な社会の中で成長していく中で、赤十字の掲げるメッセージの深さと率直さを徐々に理解し、やがて「命を阻むものはすべて悪」という、彼女が大切にしていた言葉にたどり着きます。
 本作は、花田ミキさんが直面した数々の困難や挑戦を、繊細に描かれた歴史的背景の中でたどっていき、日本社会の奥深さと多層性を鮮やかに浮かび上がらせます。人間の持つ力が、いかに複雑で硬直した官僚制度さえも乗り越え、人々のためにそれを動かすことができるかが描かれています。花田ミキさんの優しさと信念は、観る者に『自分も誰かのために役に立ちたい』『善くありたい』という想いを残し、物語が終わったあともその余韻は心に深く残ります。私たちは、赤十字の基本理念を率直かつ誠実に表現し、それを主人公・花田ミキの行動によって力強く示したこの作品に対し、Red Cross Special Award を授与します。

五十嵐匠 映画監督 コメント

 うれしいニュースがブルガリアから飛び込んできました。ブルガリアのヴァルナ市で行われる60年続く伝統ある国際映画祭で、映画『じょっぱり―看護の人花田ミキ』が、赤十字特別賞を受賞しました。今回は110ヵ国から2000本以上の映画がエントリーされました。看護師、保健師を主人公とした映画が世界の方々に受け入れられたことは意義あると共にとてもうれしく思っています。花田ミキさんは私の命の恩人です。ほんの少しだけ命のお礼が出来たと思いました。ご協力くださったスタッフ、キャスト、そしてたくさんのサポーターの皆様、ありがとうございました。心より感謝申し上げます。

【プロフィール】
 1958年青森県生まれ。立教大学時代、シナリオセンターに通うかたわら自主映画を制作。岩波映画・四宮鉄男監督に師事し、『津軽』(86)、『ナンミン・ロード』(92)を監督。 96年にはピューリッツアー賞カメラマン沢田教一の軌跡を追った ドキュメンタリー映画『SAWADA』で 毎日映画コンクール文化映画部門グランプリ、キネマ旬報・文化映画グランプリなど数々の賞を受賞。その後もカンボジアで 消息を絶った戦場カメラマン・一ノ瀬泰造を映画化した 『地雷を踏んだらサヨウナラ』(00、浅野忠信主演)、『みすゞ』(01、 田中美里主演)、『HAZAN』(03、 榎木孝明主演)、『長州ファイブ』(07、松田龍平主演)などを監督。国内外で高い評価を得ている。

ストーリー

 シングル・マザーとして息子リクの子育てに追われる日々をおくっていたちさと(王林)は、仕事場のスーパーの常連である花田ミキ(木野 花)と出逢う。人嫌いとして近所でも有名であった花田だが、ちさとやリクとの何気ない日々を過ごす中で、人のぬくもりに触れ、自然と心を通わせていく。花田は自分がかつて看護師であったことをちさとに告白し、当時の社会情勢や自分が今日までどのような生き方をしてきたのかについて語り始める。花田の若い頃(伊勢佳世)の姿は、八戸赤十字病院で集団感染が起きたポリオの治療法を広め、看護に対して誰よりも直向きに向き合い、生き抜いた姿だった。ちさとは、幼い頃に亡くなった自分の母親も看護師であったことから、花田により親近感を抱くようになっていったのだが……。

 (2024年、日本、上映時間:90分)

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キャスト&スタッフ

 監督:五十嵐匠
 出演:木野 花、王林、伊勢佳世、相馬有紀実、丸山燈大、半覚醒、松本 実、舞の海秀平、草野とおる、佐々木史帆、竹の子みさ子、梅津芽生、宮本大誠、クリスチャン・ブル、チャールズ・グローバー、犬山ヴィーノ、本宮真緒、小田切一、銀次郎、十日市秀悦、阿部伸勝、山口よりとも、中村レナ、ほか
 製作:ストームピクチャーズ
 制作プロダクション:トロッコフィルム

公開表記

 配給:ポルトレ

(オフィシャル素材提供)

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