
「響け!ユーフォニアム」で知られる武田綾乃による原作「愛されなくても別に」の映画化が決定、日本最年少でカンヌ国際映画祭への出品を果たした井樫 彩が監督をつとめ、南 沙良が主演することが決定し、2025年7月4日(金)公開となる。
この度、歌手の大森靖子や漫画家のグラハム子をはじめとする、著名人から絶賛コメントが到着。あわせて、本作の中でも印象的なシーンのひとつである“自転車の二人乗り”の本編映像も解禁となった。
アイドル・グループ「ZOCX」でステージに立ちながらプロデュース業も手がけ、ソロ・アーティストとしても絶大な人気を誇る大森靖子からは、「事情とか家族とか愛とかどうでもいいほど私になるために、もっとクソだって叫ばなきゃ。私は、どうしてもまだずっとさみしくて、一緒に叫べる誰かをいつも探してるんだ」と熱いコメント。また『母の支配から自由になりたい』や『娘がパパ活をしていました』などで、若い世代を中心に多くの支持を集める漫画家・グラハム子は、「本作を観ていると、そんな必死で生きている子どもたちの幸せを願うのと同時に、自分が若かった頃の葛藤も思い出し胸が疼いた。親と子の物語は綺麗事じゃ済まない。リアルで、鑑賞後の余韻含め素晴らしい時間でした」と共感コメントを寄せた。文筆家・映画監督・元セクシー女優として多彩な表現活動を続ける戸田真琴は、「『愛されなくても別に』って、声に出して呟いてみてほしい。そのとき胸に湧き上がる、希望、動揺、諦念、ひらめき、拍子抜けするような明るさのこと、もっと知りたくなったなら、この映画を観るのがいいと思う」とコメント。
そのほかにも、「この世界は女同士が手を取り合って生き抜くにはあまりにも厳しいが、『愛されなくても別に』はそこにこそ一縷の希望を懸けてみせる」(児玉美月)、「他人と比べて、自分の不幸の沼に浸かっているのは楽だ。愛を理由に、現実から目を背けるのは楽だ。それでも生活は続く。幸せを諦めるな。自分の尊厳を守り抜け」(佐々木チワワ)、「自分の人生を自分で生きると決めたふたりの生きざまは、最高にまぶしくて、最高にとうとい!」(ひらりさ)、「今はただ、嵐が過ぎ去るのを待つように、身体を寄せ合って生きることしかできなかった、それだけだったのかもしれません」(吉川ばんび)など、宮田(南沙良)と江永(馬場ふみか)に共感するコメントが届いた。
そして宮田と江永が自転車に二人乗りをして心の内を明かす本編映像が解禁された。物語では、二人が宗教施設から抜け出してバスを待っていたが、なかなか来ない。そんな中、江永が近くにあった自転車を見つけ、二人は自転車に二人乗りし、山道を下っていくことになる。道中、宮田は「どうしても思っちゃうんだよね。お前より私のほうが苦しんでるよって」と江永に打ち明ける。江永は「それが不幸中毒ってやつですよ……。不幸度で勝ちたいなんて思ってたら、結局自分から不幸になりたがるやつになっちゃうよ」と静かに諭すように言葉を返す。それに対して宮田は、「だから初めて江永とちゃんと話した時、ショックだったんだよ」と、本音を吐露する。
撮影を振り返り、江永を演じた馬場は、「後ろに沙良ちゃんを乗せて、ぐねぐねと曲がる山道を下ったんですが、前を走る軽トラの荷台に設置されたカメラとの距離も意識しながら、安全に気を配りつつセリフも言わなきゃいけない。全部で10回以上は走ったのでだんだん慣れてはいきましたが、怖さはずっとありました」と振り返る。

さらに撮影前には、主演の南 沙良と馬場ふみかに個別でアクティング・コーチによるレッスンが行われた。井樫監督は、「レッスン内容はコーチと相談して決めました。馬場さんには江永が自分の母親に『身体を売れ』と言われたという設定で、私が脚本を書き、実際に演じてもらいました。そのときの感情が、本編で雅が語る場面にも活かされていると思います」と振り返る。一方、南については、「堀口とコンビニで働く日常のシーンを演じてもらいました」と語る。
このレッスンの意図について監督は、「映像には映らないけれど、シーンとシーンの間にもその人物の生活や感情は存在している。そこを補填する意味がありました」と語り、「監督という立場では演出はできても、芝居を言語化して教えるのは難しい。アクティング・コーチはその部分を補ってくれる存在です」と、撮影前の丁寧なアプローチについても明かしている。
さまざまな感情を抱える2人が、少しずつ心を通わせながら、生きていく。そんな本作は、痛みや孤独も抱えながら、それでも進もうとするすべての人にそっと寄り添ってくれる作品となっている。
7月4日、ぜひ劇場でご覧いただきたい。
コメント全文
大森靖子(超歌手)
私の「クソ」の強度が1番だって信じてた。
不幸を飼い慣らしてるつもりが、いつの間にか生活に飼い慣らされても、生きてる。
事情とか家族とか愛とかどうでもいいほど私になるために、もっとクソだって叫ばなきゃ。私は、どうしてもまだずっとさみしくて、一緒に叫べる誰かをいつも探してるんだ。
グラハム子(漫画家)
どんな親だって子を愛している、なんて幻想だ。人を愛するにはまず自分がある程度成熟しなくてはならない。そこに至らない親は悲しいけれどたくさんいる。そんな親の元に生まれそして自分の親が未熟だと気づいてしまった時、子どもたちはどう生きていくのか。本作を観ていると、そんな必死で生きている子どもたちの幸せを願うのと同時に、自分が若かった頃の葛藤も思い出し胸が疼いた。親と子の物語は綺麗事じゃ済まない。リアルで、鑑賞後の余韻含め素晴らしい時間でした。
児玉美月(映画批評家)
愛が介在していたとしても時に離さなくてはならない手があり、まったく予期せずとも時に掴んでしまう手がある。
この世界は女同士が手を取り合って生き抜くにはあまりにも厳しいが、『愛されなくても別に』はそこにこそ一縷の希望を懸けてみせる。
佐々木チワワ(文筆家)
スマホをひらけば煌びやかな同年代の人生が流れてくる。
生まれてきた環境で、人生最初っからマイナス・スタート。
他人と比べて、自分の不幸の沼に浸かっているのは楽だ。愛を理由に、現実から目を背けるのは楽だ。
それでも生活は続く。幸せを諦めるな。自分の尊厳を守り抜け。
戸田真琴(文筆家・映画監督・元セクシー女優)
「愛されなくても別に」って、声に出して呟いてみてほしい。
そのとき胸に湧き上がる、希望、動揺、諦念、ひらめき、拍子抜けするような明るさのこと、もっと知りたくなったなら、この映画を観るのがいいと思う。
――主演二人はもちろん、本田望結さんの演じた女の子のような人が映画の中にくっきりと存在していることも、誰かにとっては勇気になるだろうと思った。
ひらりさ(文筆家)
「愛してる」って、呪いだ。
家族って、呪いだ。
重くて、苦しいのに、希望も与えてくれるそれらを鼻で笑えるようになったとき、人は大人になる。
自分の人生を自分で生きると決めたふたりの生きざまは、最高にまぶしくて、最高にとうとい!
吉川ばんび(作家)
不幸を背負う人同士は、どこかで惹かれ合うのだと言います。手を取り合って行き着く先が自由なのか破滅なのかは彼女らにとってさほど重要ではなく、今はただ、嵐が過ぎ去るのを待つように、身体を寄せ合って生きることしかできなかった、それだけだったのかもしれません。
公開表記
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
2025年7月4日 新宿ピカデリーほか全国ロードショー!
(オフィシャル素材提供)