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Netflixシリーズ「リヴァイアサン」トーク付き上映会

 登壇者:クリストフ・フェレラ監督、ダイアナ・ガーネット(エンディング歌手)、倉島亜由美、渡邊喜洋
 MC:持田貴大

 「BEASTARS」「スター・ウォーズ:ビジョンズ」のクリエイターによる、待望の新作「リヴァイアサン」が7月10日よりNetflixにて独占配信スタート。スコット・ウェスターフェルドのSF小説を原作とする本作は、遺伝子操作で作り出した人造獣と機械文明を駆使した戦争兵器のふたつの勢力が拮抗する1914年を舞台に繰り広げられる。物語の中心にいるのは、逃亡中の公子アレックと空への憧れから男装し英国海軍航空隊に志願した少女シャープ。運命に導かれ、巨大飛行獣リヴァイアサンに乗り込んだふたりの旅が歴史の流れを変えていく。

 「リヴァイアサン」は、「スター・ウォーズ:ビジョンズ」シーズン1&3のキュービックピクチャーズと、「BEASTARS」、「TRIGUN STAMPEDE」を手がけたオレンジのコラボレーションにより、西洋のストーリーテリングと日本のアニメーションを融合させ、世界規模の戦争叙事詩をアレックとシャープ、二人の少年少女の目線で描く。

 アレック役には「ハイキュー!!シリーズ」、「DEVILMAN crybaby」の村瀬 歩、シャープ役には「SPY×FAMILY」、「地球外少年少女」の藤原夏海が演じるなど、豪華声優陣が参加。音楽は、戸田信子と「攻殻機動隊 SAC_2045」、「ULTRAMAN」の陣内一真が劇中音楽を担当する。オープニング、エンディング劇中歌は、『千と千尋の神隠し』、『もののけ姫』など数々の有名楽曲を生み出した久石 譲が手掛け、「リヴァイアサン」の世界を彩る。

 そして、7月9日(水)に東京工芸大学芸術学部アニメーション学科のマイブリッジシアターで同科の学生を招待して開催されたトークショー付上映会では、クリストフ・フェレラ監督、エンディング歌手・ダイアナ・ガーネット、キャラクターデザイン担当の倉島亜由美、オレンジのプロデューサー兼宣伝の渡邊喜洋が登壇し、配信開始の喜びや作品の見どころについて語った!

 また、イベントでも紹介されたフェレラ監督が作成したコンセプトアートも到着。小説の世界観が細やかに表現されたアートが、どのようにアニメーションとして動くのか、乞うご期待!

 「自分が子どもの頃に夢見た冒険の話を“真面目に”描きたかった」というフェレラ監督。ジョークなどを交えたものではなくあくまでも真面目にこだわったと語り、その真面目さ、真っ直ぐさを受け取ってもらえたらうれしいとも語った。今回の試写会を企画した理由について渡邊は「配信作品だけど、劇場で観ていただくのも特別かなと思った」と説明し、大きなスクリーンで観るにふさわしい作品であるともアピールしていた。

 複数のコンセプト・アートをスクリーンに映し出しながら、フェレラ監督を中心に制作を振り返る場面も。イメージボードはかなりたくさん描いたことを明かしたフェレラ監督はアニメーションを作るにあたり、原作で削らなければいけない部分が発生したと明かす。「アニメにするには難しいイラスト。世界観は結構暗いものだけど、もっと軽やかに、フレンドリーなアニメにしたくて」とアニメ化する際の思いを吐露。イメージボードを作る際には「基本的には水彩を使って」と話し、(イメージボードの)画を書きながらキャラクターの関係性などを考慮し、アニメで描きたい箇所を3冊12話構成の小説から抽出していったと説明。原作のすべてをアニメ・シリーズにすると3クール以上になってしまう内容だったそうで、「1クールにまとめる必要がありました。イメージボードはかなりの数を描いたけれど、ボツになったものもたくさんあります」と残念そうに話しながらも、充実感を滲ませる。

 脚本を制作している時に意識したのは「キャラクターの魅力をどう表現するか」ということだったとフェレラ監督が語ると、渡邊が「監督がアレックとシャープ、主人公の2人からカメラを離さないと言っていたのがとても印象的でした」と思い出話を披露。2人の目線だけを見せることを大事にしていたと話したフェレラ監督は「戦争の話だけど、戦争だけではなく、2人の目線だけを見せることにこだわりました」とかなりのこだわりがあったことを強調していた。企画を聞いた時は「戦争もの、メカものだと思いました」と振り返った渡邊。「久しぶりにメカものをやれる!と思ったら、あまりメカが登場しなくて……」としょんぼり。しかし「(限られたシーンとはいえ)メカが登場する時も頑張りました!」と制作に気合いが入っていた様子を伝えていた。

 キャラクターデザインについては「早い段階からイメージは決まっていました」と話したフェレラ監督。担当した倉島とは2010年に仕事をした経験があるそうで、「アニメにすることを考えた時に、普通のデザインのアニメにしたくないという思いがあって。リアルなもの、変わったものが欲しいと思った時に浮かんだのが倉島さんでした」と笑顔を見せる。

 すでに3Dでやることは決まっていたそうで、フェレラ監督は「だったら日本で一番3Dが上手な会社で作りましょう!ということでオレンジさんにお願いすることになりました」と経緯を説明。当時を振り返り渡邊が「『BEASTARS』をやっているときにQubic Picturesさんから、『リヴァイアサン』というメカもの、戦争ものをやってみたいんですと言われて。日本に住んでいる監督さんがいて……と紹介されたのがフェレラ監督。あとで知ったのですが、会社から5分の場所にフェレラ監督が住んでいて。お子さんを連れて保育園に行くところに遭遇したり、同じ公園で遊んでいたり」と物理的な距離での縁があったことに触れると、「5分はなくて2分の距離!」とすかさずフェレラ監督が訂正し、会場の笑いを誘う場面もあった。

 「3Dでは決めなければいけないことがいっぱいある。お金も時間もかかるし、できないこともある」と2Dが好きということもあり苦労を口にしたフェレラ監督だったが、倉島からは「2Dでは嫌がられるようなデザインも3Dならできるものがあって、私は結構助かりました!」との感想も飛び出していた。

 本作の音楽が、久石 譲が担当していることでも話題に。「久石さんとやることになった時にはびっくりしました!」とうれしそうに振り返ったフェレラ監督。「小説には音楽がない。アニメ化する時には、動きだけではなく、音も大事になります。アニメにする時には、ないものをプラスしたかった。それが音楽でした」とのこと。さらに「アレックとシャープという違う世界からきている2人が、音楽で繋がるんです。アレックがピアノとバイオリンで勉強した音楽で、シャープがお父さんとバーで歌っていた音楽が実は同じ。手段は違ったけれど2人は同じ音楽を知っているということを表現したかったのです」と音楽に込めた思いが並々ならぬものだったことを明かす。チーム内で話し合いの末、Qubicは久石 譲の起用をNetflixに相談。結果、久石 譲がオープニング、エンディング、劇中歌でプロジェクトの参加が決まった。「クラシカル・ミュージックが欲しかった。久石 譲さんは完璧でした」とフェレラ監督は大満足の表情を浮かべながら明かした。

 エンディング主題歌を歌うガーネットは「私でいいんですか?」というのが最初の感想だったとのこと。「4歳くらいから観ていたジブリ。現世での(久石との)共演は無理だと思っていたけれど、私もアニソン歌手を目指して遠い海を渡ってきました。音楽がこの世界の距離を縮めてくれるのも知っています。だからこのアニメにもピッタリなんじゃないかな」と自画自賛するも、観客は納得といった様子で大きな拍手を贈る。最初は希望、途中はいろいろなことを考えるけれど、最後は未来に向かっていく、そんな楽曲になっていると、ガーネットらしい表現で擬音を使いながら解説する場面もあった。

 キャラクターデザインで大事にしていたのは「現実感」だと明かした倉島は、制作時には「資料をたくさんいただいたし、自分でも探しながら描いていきました」と明かしつつ、「リアルを大切にしながらも、現実的ではないようなプロポーションのキャラもいます」と話し、リアルとアニメっぽさがバランスよく入っているとも話していた。トーク中にスクリーンには次々とコンセプトアートが映し出されていた。どれも思い入れがあるものばかりだったようで、画が映し出されるたびに、コメントや思い出話を始めるフェレラ監督。「作画だと大変なことも3Dだからできるというのも多くて」と切り出し、「見たこととのない世界観を作り出すことができた」と胸を張り、「1本で220カット。普通なら400カットくらいあるところを220カットほどで見せるということは1枚あたりを映す時間が長いということ。つまり綺麗な画を描かなければいけない」と解説。3Dだからこそ表現できた世界観があり、その出来栄えにも大満足しているとも明かしていた。

 最後の挨拶でフェレラ監督は、5年の月日をかけて作り上げた作品の完成について語りたいことは山ほどあるとしながらも、「1998年に学校を卒業してアニメーターとして日本に来て、アニメを作るという夢をやっと叶えました。僕が伝えたいのは夢を持って頑張って欲しいということ。道はきっと開けます。夢を持って頑張ってください!」と学生たちにエールを送っていた。
 イベントではガーネットによるエンディング主題歌「その先の空へ」の生歌唱というサプライズ演出もあった。

コンセプト・アート

Netflixシリーズ「リヴァイアサン」

配信情報:7月10日(木)より独占配信開始

STORY
 1914年、ヨーロッパではふたつの勢力が拮抗していた。遺伝子操作された動物を基盤とする、英国などの〈ダーウィニスト〉と、蒸気機関やディーゼル駆動の機械文明を発達させたドイツら〈クランカー〉。両者の対立は深まり、オーストリア大公夫妻の暗殺につながった……。両親を殺した一派に追われる公子アレックと、空への憧れから男装し英国海軍航空隊に志願した少女シャープ。運命に導かれ、遺伝子操作で作り出された巨大飛行獣リヴァイアサンに共に乗り込んだふたりは、戦争、忠誠、そしてアイデンティティに関するすべての認識を揺るがす、世界を変える冒険に乗り出す。
 壮大なアクション、上空で繰り広げられる戦闘、感情豊かなストーリーテリングを融合させた「リヴァイアサン」は、崩壊寸前の世界で、ふたりの若者がどのようにして歴史を書き換えることができるかを探求する。

STAFF:
原作:スコット・ウエスターフェルド 挿絵:キース・トンプソン
監督:クリストフ・フェレラ
シリーズ構成:木戸雄一郎
CGチーフディレクター:井野元英二
音楽:戸田 信子、陣内一真
オリジナルソング:久石 譲
美術監督:中島 理
キャラクターデザイン:倉島亜由美
メカニックデザイン:帆足タケヒコ、常木志伸
色彩設定:茂木早誉
クリーチャーデザイン:山村れぇ
CGディレクター:都田崇之、池谷茉衣子、青木俊介、師橋忠生
モデリング監修:長川 準
フェイシャルディレクター:國島かおり
VFXアートディレクター:早川大嗣、山本健介
特殊効果:小川 猛
編集:EDIT ROOM SEYAMA、松原理恵
撮影:T2 Studio
撮影監督:上田程之
アフレコ演出:宇出喜美
リレコーディングミキサー :石坂紘行
スーパーバイジングサウンドエディタ:勝俣まさとし
音響制作:Sonilude.inc
アニメーションプロデューサー:小川拓也、池田大悟
プロデューサー:カトリーナ・マイネット、渡邊喜洋
共同 エグゼクティブプロデューサー:スコット・ウエスターフェルド
エグゼクティブプロデューサー:ジャスティン・リーチ、櫻井大樹
制作:オレンジ
プロデュース:キュービックピクチャーズ

CAST:
アレクサンダー公子:村瀬 歩
シャープ:藤原夏海
ヴォルガー伯爵:咲野俊介
クロップ:間宮康弘
バーロウ博士:園崎未恵
ニューカーク:柴田あいばん
リリト:ファイルーズあい
ニコラ・テスラ:東地宏樹
ネネ:谷 育子
ホフマン:中村源太
リグビー:林 大地
マシューズ:丹羽哲士
トーマス:小林直人
ハースト:名村幸太朗
リヴァイアサンの艦長:比嘉良介
ジョージ・ダーウィン:羽佐間道夫
パベル:藤原貴弘
ザヴェン:楠見尚己
スルターン:玄田哲章

主題歌:
オープニング:久石 譲「ひとすじの道へ」
エンディング:久石 譲 feat. ダイアナ・ガーネット 「その先の空へ」

作品視聴ページ
 https://www.netflix.com/jp/title/81152269(外部サイト)

Netflix作品ニュースページ:
 https://about.netflix.com/ja/news/leviathan-takes-flight-on-july-10(外部サイト)

作品発信Xアカウント
 Netflix Japan | ネットフリックス(@NetflixJP):https://x.com/NetflixJP(外部サイト)
 Qubic Pictures Japan(@qubicpicturesjp):https://x.com/qubicpicturesjp(外部サイト)
 オレンジ (@cg_orange_inc):https://x.com/cg_orange_inc(外部サイト)

Netflixとは

 Netflixは、190ヵ国以上で1億9500万人の有料メンバーが利用するエンターテインメントに特化した世界最大級の動画配信サービスです。各種受賞作を含む幅広いジャンルのシリーズやドキュメンタリー、長編映画などを多くの言語で配信しています。あらゆるインターネット接続デバイスで、好きな時に、好きな場所から、好きなだけ映画やシリーズを楽しんでいただけます。また、一人ひとりの好みに合わせた作品をおすすめする独自の機能により、観たい作品が簡単に見つかります。広告や契約期間の拘束は一切ありません。

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(オフィシャル素材提供)

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