
登壇者:ギャレス・エドワーズ監督、デヴィッド・コープ(脚本家)
松本若菜(ゾーラ・ベネット役)、吉川 愛(テレサ・デルガド役)、楠 大典(ダンカン・キンケイド役)
映画『ジュラシック・ワールド/復活の大地』日本最速上映ファンイベントが都内で行われ、メガホンを取った監督のギャレス・エドワーズと脚本を書いたデヴィッド・コープ(脚本家)が舞台挨拶に出席して作品について熱く語った。中盤からは、ゲストで日本語版の声優を務めた松本若菜、吉川 愛、楠 大典が参加してクロストークに参加した。

本作はスティーブン・スピルバーグ監督が手掛け、シリーズ全6作の累計世界興行収入が9,400億円以上を突破する「ジュラシック」シリーズの新作となる。舞台は、前作『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』(2022)から5年後の世界。恐竜たちは、赤道直下の隔離された場所に生息していた。人類の心臓病に奇跡的な治療効果をもたらす新薬の開発に不可欠な、陸・海・空の3大恐竜のDNAを確保すべく、挑戦する探検隊の姿が描かれる……。
最初にエドワーズとコープが登壇してクロストークを行った。エドワーズ監督は「8回目の来日になります。日本が大好きです。ゴジラ映画も監督しています。今回『ジュラシック・ワールド』を公開することが出来るというのは、本当に自分の夢が叶ったような気持ちです」と喜びを溢れさせた。

また、エドワーズ監督は、オファーがあったスピルバーグ監督について「彼は僕の英雄なんです」と前置きし、スピルバーグ監督にプレゼンしたときのことを思い出し、「とにかく非現実的な体験で、気に入ってくれるのかとずっと思いながら最後までいったら、誉め言葉をいただいて、死んでもいいと思うくらい嬉しかった。これまでの人生で一番ハイになった出来事でした」と新章の監督に抜擢された瞬間を振り返り、喜びを溢れさせた。
初来日となったコープは「東京が大好きになりました」とにっこり。「東京に来て皆さんにお見せできることができて、非常に嬉しく思います。夢のような思いです」と話す。コープは本シリーズ以外にも『インディ・ジョーンズ』シリーズや『宇宙戦争』(05)などでスピルバーグとタッグを組んできた。28年ぶりに「ジョラシック」シリーズへのカムバックとなったコープは「スピルバーグから『また恐竜映画をやりませんか』と声がかかったときを思い出し、「スピルバーグは、監督、製作者としても数多くの作品を手がけていて、いつもインスピレーションを与えてくれる人。彼のフレッシュさは、20代のころから50年経っても変わっていない。本当に素晴らしい!」とスピルバーグの変わらぬ創作意欲を絶賛。エドワーズ監督も「スピルバーグ監督は、唯一無二の存在。彼はマジシャンだ。魔法を使える」と感心しきり。
ファンからの質問に答えるコーナーがあり、「ハリウッドで活躍するクリエイターになりたい」という問いかけに、コープは「自分の大好きな作品を作りたいという想いを持つことが大切。自分が愛してやまない、こういうものが好きだという自分自身を信頼して、観客となって、自分が観たいと思うものを作ることです」とアドバイスを送る。
エドワーズ監督は、自身が16歳のときに観た『ジュラシック・パーク』が映画業界に携わりたい思ったきっかけだったことを明かし、それから映画学校に通ったものの、なかなか思うように行かなかった仕事のことなども話した。「今日この舞台で『ジュラシック・ワールド』を皆さんに公開することができます。私は今50歳です。絶対にギブアップしないこと! 夢は叶うものだと思います」と力強くアドバイスを送った。

この日、ゾーラ・ベネットの吹き替えを務めた松本若菜、テレサ・デルガドの吹き替えを務めた吉川 愛、ダンカン・キンケイドの吹き替えを務めた楠 大典がゲストとして参加した。3人はそれそれに『ジュラシック・ワールド/復活の大地』のロゴの入ったTシャツ姿で登壇。コープは「声を当てる仕事というのは、技法というよりも芸術。あまり光を当てられていないけれど、素晴らしい。衝撃を受けました。吹替は技術ではなく芸術。見事な表現力でした」と吹替陣に称賛の言葉を送った。

日本語吹替版を一部鑑賞したというエドワーズ監督は松本に「続編では、スカーレット・ヨハンソンらキャストを一新するかも(笑)。あとで、楽屋で名刺交換して、エージェンシーを紹介してください」とジョークを飛ばす。スカーレット・ヨハンソンが演じる熟練の特殊工作員ゾーラ・ベネットの声優を務めた松本は「あとで、楽屋で……」と笑顔で応える。

テレサ・デルガドの吹き替えを務めた吉川は、ロゴ入りのTシャツに手を加えたスタイリッシュなデザインのTシャツ姿で登壇。新作の恐竜選びについて「魅力的な恐竜はどのように選ぶのですか」と質問する。コープは「観客の期待はときに矛盾します。新しさを求めつつ、『あの恐竜もまた見たい』と。人間の配役と同じです。どの恐竜がクールでかっこいいか、そしてまだ誰も見たことのないかを基準に考えています」と応えた。

ダンカン・キンケイドの吹き替えを務めた楠がコープに「日本の文化で影響を受けた人やものはありますか?」と質問すると、コープは「映画の作り手として、黒澤 明監督から影響を受けていない人はいないですね。彼は、映画界のシェイクスピア的な存在です。小津安二郎監督からも影響を受けています。そして『ゴジラ-1.0』からは大きな刺激を受けました(笑)」と話した。エドワーズ監督も「日本に来ると、いつもSFの世界に来たような気持ちにさせられます。アメリカと日本はお互いに影響し合っています。とても強い文化的な絆があると思います」と話した。

松本と吉川がエドワーズ監督とコープに名前やロゴの入った真っ赤な法被をプレゼントし、最後に、みんなで壇上の巨大な絵馬にそれそれが願い事を書き入れ、大ヒットを祈願した。



(取材・文・写真:福住佐知子)
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配給:東宝東和
8月8日(金) 全国ロードショー!
(オフィシャル素材提供)