インタビュー

戦後80周年平和祈念映画『ハオト』ヒロイン・倉野尾成美 オフィシャル・インタビュー

© JOE Company

 太平洋戦争末期の小さな病院。そこで見つけた、奇跡の物語――戦後80周年平和祈念映画『ハオト』が8月8日(金)より公開されるのを前に、ヒロインの倉野尾成美のオフィシャル・インタビューが届いた。

本作出演のきっかけをお教えください。

 丈さんの監督作品の前作『いちばん逢いたいひと』に出演させていただいたことがきっかけで、「次の作品もぜひ出て欲しい」とお話をいただきました。今回どんな作品なんだろうと思ったら、戦争が題材で、中身がある大変な作品だろうなとなんとなく分かり、しかも出演者の皆さんがすごい俳優の方ばかりで、ここに自分が入ってお芝居できるのかなと最初怯えましたけど、頑張ってみようと思いました。

演じた真関をどのような人物だと捉えましたか?

 丈さんから「実年齢よりちょっと上の役だよ」と言われました。実年齢より上ってなかなかやったことがなくて。この年でも高校生の役だとか下の役のほうが多かったんです。駆け出しで、高島礼子さん演じる看護婦長さんに憧れて頑張っている一生懸命さがある子だと思ったし、難しい内容もあるけれど、役回り的に、真関ちゃんのシーンは箸休めみたいな感じと聞いていたので、分かりやすく明るさを表現しました。そんなシーンがあると(観客にとっても)張り詰めすぎなくていいのかなと思います。
 真関ちゃんは、てんやわんやしていたり、おてんばで、婦長に憧れて手の位置を真似してみるけれど、全然できていない抜けてる役なのかなと捉えてお芝居をしていました。一生懸命な真っ直ぐさや恋心が描かれています。
 前作で丈さんとご一緒した時にも、コミカルさを絶対に入れたい感じがあって、本作にも入ってくるんだろうなと思っていました。

「たまに分からなくなるんです。何がまともなことで、何がまともじゃないか。だってこの施設を一歩出たら、向こうはまともだと思いますか?」というセリフは、本作のメッセージを示すセリフでしたが、そのシーンは、演じていて、いかがでしたか?

 そこが私もグッとくるものがあるなと思っていました。真関ちゃんはおてんばなところもあるけれど、大人な部分もあるんだなとそこで思いました。現代の私たちだとそういう感覚があると思うんですけれど、この時代って多分そういう感覚の方が変わっていると思われていて、「戦争は勝つもの」という気持ちでいなくてはいけなかったと思うけれど、そういう気持ちを抱いているという真関ちゃんはいいなと思って、そのシーンは、目線の動かし方とかを意識してお芝居しました。

大失敗の後の、原田龍二さん演じる水越との桜のシーンは、水越の優しい笑顔に真関も助けられたと思いますが、演じていていかがでしたか?

 原田さん演じる水越さんに助けられている部分もたくさんあったと思うし、だからこそ生き抜けられていたのかなと感じました。

いろんな方と共演されましたが、推しのキャラクターはいますか?

 鈴木君です。(演じた)木之元さんは体が大きくて迫力がある上、すごくセリフの一語一句が低音だけど、響き渡って聞こえてくるし、「発声がすごいな」とずっと感動していました。木之元さんは同じ日に二役をチェンジしている時もありました。切り替えがすごいな、よくごちゃごちゃにならないな、と思いました。

他の共演者の方々はいかがでしたか?

 鶴太郎さんは、すごかったです。普通にされている時はかっこいい俳優さんだなって思ったんですけど、撮影に入ると、別人格のように変化していて、『こんなに切り替えられるのか』とかっこいいなと思いました。
 (戦時中が舞台の映画なので)空気が張り詰めるのかなと思ったんですけれど、合間は朗らかで過ごしやすい現場でした。丈さんを含めてほわっとしていて、逆に高島礼子さんとかがしっかりされていて。「切り替えていきましょう」って、婦長、なんなら現場監督みたいに指揮を取ってくださいました。高島さんは、前作では親子だったんです。前作は1日か2日しか同じシーンがなかったので、少しで終わったんですけど、その時から優しくて。現場の空気を一変してくださるというか、お芝居もそうですし、切り替えという意味でも、しっかりされていてかっこよかったです。私はAKB48では総監督をやっているので、見習いたいと思うくらいでした。何かで撮影で撮影が止まって、「まだ〜?」っていうような空気になっている時も、「皆さん、頑張っていきましょう」っていうような声がけを率先してやられてて、それがすごく素敵でした。役としても憧れていましたし、自分としても憧れました。
 長谷川(朝晴)さんもなんですけれど、効率よく進められるように、よく周りを見ていらっしゃるなと思いました。

6月にAKB48を卒業した藍役の村山彩希さんと映画でご一緒していかがでしたか?

 彩希さんとこんなにしっかりお芝居で共演することがなかったので、どんなお芝居するんだろうとワクワクしていました。お芝居は見たことがあったので、きっと彩希さんはちゃんとやるだろうなと思っていたんですが、私より先にインされていて、すごく馴染んでいました。ちょっと不思議な役柄でしたが、彩希さんが持つ特有のフワッとした雰囲気が生かされていて、すごいなと思いました。ほぼすっぴんですよね。かわいかったです!

ロケ地の旧志賀小学校はいかがでしたか?

 よくこんな場所を見つけたなというくらいのマッチ度でした。窓の開け方が、今見ないような形式だったりして、レトロというか昔の施設にワクワクしました。ただ、扉が開かなかったり、ギシギシいうポイントがいっぱいあって、「踏まないように気をつけよう」などと大変なこともありました。リアルな現場ですごく素敵でした。(他の仕事で一度撮影から離れても)その景色が待っているから、すぐ入れちゃうというか、ここに戻ってきたんだと感じるくらい印象的でした。

桜のシーンは追撮を行なったようですが、春の旧志賀小学校はいかがでしたか?

 ほとんどの撮影が5月で、桜が終わった頃だったので、桜は本当に咲くのかなと思ったら、4月になったらきれいに咲いていて、学校にある桜って風情があっていいなと思いました。

完成した映画をご覧になった感想はいかがでしたか?

 「映画になってる!」と思いました(笑)。いつも不安でいっぱいになるんですが、本当にちゃんと出来事として繋がっているのを見て感動しましたし、自分が撮影にいなかったシーンは「あ〜こうなってたんだ」などと思いました。

読者にメッセージをお願いします。

 私は映画館で映画を観るのが大好きなんです。気持ち的に心構えがないと観られない作品かなと思うんですけれど、迫真の演技や楽しい雰囲気のシーンだったり、銃声があったり、リアリティが出ると思うのでぜひ大きいスクリーンで観ていただきたいです。

© JOE Company
公開表記

 配給:渋谷プロダクション
 8月8日(金)〜池袋シネマ・ロサほかにて全国順次公開

(オフィシャル素材提供)

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