
登壇者:板橋知也(監督)、クーン・デ・ローイ氏(ロッテルダム国際映画祭プログラマー)
若手クリエイターの登竜門であるSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2025のコンペティション部門にて、板橋知也監督の長編デビュー作、映画『ひみつきちのつくりかた』が観客賞を受賞した。
今年で第22回を迎える本映画祭は、7月18日(金)から9日間にわたり開催。最終日となる26日(土)、クロージング・セレモニーにて表彰式が行われた。映画祭ディレクターの土川勉氏から観客賞受賞作品として『ひみつきちのつくりかた』が発表されると、板橋監督がステージに登壇。プレゼンターを務めた審査員のクーン・デ・ローイ氏(ロッテルダム国際映画祭プログラマー)より、トロフィーが授与された。

本映画祭への出品が決定した際にも「嬉しすぎて泣きそうになった」と語っていた板橋監督。受賞の瞬間は、緊張した面持ちながらも、万感の思いを噛みしめていた。
また、プレゼンターを務めた審査員のクーン・デ・ローイ氏からは、以下のように講評を述べられた。
クーン・デ・ローイ審査員講評
観客賞を受賞した『ひみつきちのつくりかた』は、我々審査員も大いに楽しむことができた作品でした。非常に完成度が高く、これが長編デビュー作だと伺い、大変驚きました。板橋知也監督は、人間関係や葛藤、孤独といったテーマを鋭い観察眼で描き出す素晴らしい手腕をお持ちです。丹念に紡がれたシーンとセリフは、4人の登場人物それぞれの内面に観客をいざない、彼らが歩んできた道のりを理解するにつれて、自然と深い共感が生まれてきます。この作品は、より多くの人々に観ていただくにふさわしい映画であり、きっと多くの観客の心を打つこととなるでしょう。

板橋知也監督 受賞者コメント
この度は、観客賞という大変光栄な賞を賜り、心より感謝申し上げます。
今作は、コロナ禍の暗いニュースや、私自身の不幸な出来事が続く中で企画が始まりました。「こんな時だからこそ、みんなが笑って楽しめる、とにかく面白い作品を作りたい!」という反骨精神にも似た想いから、がむしゃらにエンターテイメントな映画を目指して作らせていただいた作品です。
皆様の投票によって選ばれるこの観客賞は、その僕らの想いが届き、何より楽しんでいただけた証だと思っておりますので、大変嬉しく、光栄に思います。
今作はもちろん楽しく笑える作品ですが、友人の死から始まるこの物語は、登場人物たちの喉に刺さる小骨のように、最初から最後まで存在し続けます。それが観ているお客さんにとっても、ご自身の人生や死生観を少し重ねて考えさせてくれるような作品でもあると同時に、観終わった後には、人生にそっと手を添えてくれるような、前向きになれる希望に満ちた作品になっていると信じております。
映画祭の観客の皆様、審査員の皆様、そして映画祭関係者の皆様に深く感謝申し上げます。
そして何より、この賞は僕だけのものではありません。共に作り上げた俳優の皆様とクルーのメンバーへの賞でもあります。改めて感謝を申し上げるとともに、私からも映画に関わってくださった全ての皆様に心よりお祝いを申し上げます。
本作は、8月1日(金)より、シモキタ・エキマエ・シネマ『K2』にて公開されます。
劇場のほうもどうぞよろしくお願いいたします。

公開表記
製作・配給:emir heart Inc.
8月1日(金)よりシモキタ-エキマエ-シネマ『K2』にて公開!
(オフィシャル素材提供)