
1945年、沖縄県伊江島で激しい攻防戦が展開される中、二人の日本兵が木の上に身を潜め、終戦を知らずに2年もの間生き延びた――そんな衝撃の実話から着想を得た作家・井上ひさしが原案を遺し、こまつ座にて上演された舞台「木の上の軍隊」が映画化され、終戦から80年となる今夏、絶賛公開中。
宮崎から派兵された厳格な少尉を演じるのは、確かな演技力で日本の映画界を牽引してきた名優・堤 真一。沖縄出身の新兵に抜擢されたのは、数々の話題作で存在感を示す山田裕貴。ダブル主演を務める堤と山田は初の共演ながら、阿吽の呼吸で極限状態の兵士たちを、繊細かつ力強く、そして人間らしい可笑しみをもって表現する。監督と脚本を手掛けるのは、『ミラクルシティコザ』のスマッシュヒットが記憶に新しい沖縄出身の新進気鋭・平 一紘。全編沖縄ロケ、伊江島では実際に生い茂るガジュマルの木の上で撮影が敢行された。
「ニヌファブシ」のように、そこにあり続ける「平和への願い」
劇中の印象深いシーンが紡がれた珠玉のスペシャル映像解禁!
6月13日に先行公開した沖縄では、初週の金土日3日間の週末動員がNo.1を獲得。2週目以降には評判が評判を呼び、沖縄・スターシアターズ系の4劇場では、金土日3日間の観客動員が5週連続No.1を獲得するなど大ヒット中の本作が、ついに7月25日に全国公開を迎え、夏興行大作映画がひしめく中、好調なスタートを切っている。
劇場には、男女問わず、子どもからお年寄りまで幅広い年齢層が足を運び、夫婦、親子、家族三世代などでの鑑賞も見受けられ、上映後には拍手が巻き起こる劇場もあるという。
SNSでは「山下と安慶名が紡いだ言葉、表情、どれもが忘れられない」「戦争を題材にした作品でこんなにも『生きることを諦めない』を強く感じた作品は初めて」「いろんな感情が込み上げてきて涙が溢れ出た」「こんなに作品に没入したのは初めて」「大切なことを伝えてくれる映画」「戦後80年の夏に相応しい、大変な力作」「語り継がれるべき名作」など絶賛の声が多く寄せられている。中でも「エンドロールでボロ泣き」「主題歌を聴いて、(山田裕貴演じる)安慶名の気持ちが心にしみる」「帰りたいという言葉の重さを感じる」など、本作のエンディングで流れる主題歌についてのコメントも多く寄せられている。
そしてこの度、平 一紘監督が自ら手掛けた【主題歌「ニヌファブシ」版 スペシャル映像】が解禁された。
タイトルの「ニヌファブシ」は、沖縄の言葉で「北極星」を意味する。Anlyは「木の上のお二人が見上げていた星、そのお二人を見守っていた星のように、ずっとそこにあって揺るがないもの、それが平和への願いであるように」という想いを込めた。
主題歌のオファーがきた時、「伊江島に生まれて、この土地で育って、物心ついた時から6月23日が近づくと、必ず平和学習というのがあるんです。学校の廊下に、今の島の風景とはまったく違う戦争当時のものが飾られて、すごく怖かった思い出があります。でも、それを見ていたからこそ、今私たちが生きている奇跡を小さいながらに感じていました。私たちが平和を学ばせてもらったように、次は私が伝える番になったのだなという責任感と使命を感じた」という。
「少しずつ触れてはいたんですけど、真正面から自分の土地で起きた戦争に関して歌を書くのは、正直避けていたところがあって……生半可な気持ちじゃ書けないし、伊江島だけじゃなく沖縄はいろんな問題があって、すべての人の心にフィットするような曲を書けるかというと、すごく難しくて。だからこそ避けていたんですけど、『木の上の軍隊』を通して、ちゃんと向き合いなさいと言われた気がしました」とAnlyは語る。
今回解禁された映像は、平監督が厳選した劇中の印象深いシーンが紡がれ、魂がこもった主題歌のメロディと歌詞が相まって、珠玉の映像となっている。本作を観る前と観た後では、異なる感情が押し寄せるに違いない。
戦後80年の今年、あの戦争が映画として語り直されることには、計り知れない意味がある。しかも本作は、監督・脚本・キャスト・スタッフの多くを沖縄出身者が占め、全編を沖縄ロケで撮影。いわば「沖縄の人たちが、自らの言葉で沖縄戦を語る」初めての“本格的沖縄戦映画”と言える。
戦争を懸命に生き抜いた2人の兵士の真実の物語は、観る者すべての心に深く刻まれ、ずっとそこにあり続ける「ニヌファブシ」のように、次の世代に語り継がれていくだろう。
公開表記
製作幹事・配給:ハピネットファントム・スタジオ
全国絶賛公開中
(オフィシャル素材提供)