
登壇者:オダギリジョー、池松壮亮、麻生久美子、永瀬正敏、佐藤浩市
映画『THE オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ MOVIE』の完成披露試写会が都内で行なわれ、脚本・監督・編集・出演を務めたオダギリジヨーと他の出演者で主演を務めている池松壮介、共演者の麻生久美子、永瀬正敏、佐藤浩市が舞台挨拶に出席して作品についてクロストークを行った。ドラマ化発表時から話題を呼んだ“クセ強キャラ”たちの集結に会場は盛り上がった。

本作は、2021年にNHKで放送されたドラマの続編となる劇場版。狭間県警の鑑識課に属する警察官・青葉一平(池松)と、その相棒である“警察犬”オリバーが、次々と発生する不可解な事件に挑んでいくストーリーなのだが、一平だけにオリバーは、なぜか酒と煙草と女好きの、着ぐるみ姿のおじさん(オダギリ)に見えているのだった――。
オダギリ監督は、まず最初に、作品の完成がこの日に間に合わなかったことを詫びた。「今日上映するものが完成品じゃないんです。ごめんなさい。間に合わなかったんですよ。完成品の一つ前ぐらいかな。ほぼ完成品です。今日は、本当にたくさんの方に来ていただいて、嬉しい限りです」と客席に向かって頭を下げた。続けて、「気合いを入れて旗を作ってきたんですよ。6万円です」と自身の犬に扮した顔が大きくプリントされている巨大フラッグをお披露目した。

すると、値段を聞いた麻生が「高い!」とバッサリ。「世界に1枚だからね」とオダギリ監督は希少性をアピールするもさっき、浩市さんからも『高いな』って言われた」と苦笑いだった。また、旗に使われている写真を撮影したのは、カメラマンとしての評価も高い永瀬であることが明かされた。

鑑識課警察犬係のハンドラー・青葉一平役を演じた池松は「一緒に韓国で撮影があって、オダギリさんとは兄弟役でしたが、その時に話が来ました。脚本も見せてもらいました」とオファー時を振り返った。劇中、オダギリが着ぐるみの犬役を務めている奇抜な設定だが、オリバーは、鋭い洞察とメタ発言で事件解決を導いてくれる一平の頼れる(?)相棒となっている。

オダギリとは共演作も多い麻生は、一平の上司・漆原冴子役を演じる。「前作よりスケールアップしています」とにっこり。「私も新たな挑戦をさせてもらっています。ダンスとか、大変でした」と大きな笑顔でアピールした。どんなダンスかはぜひ劇場で。オダギリは麻生との共演で「キャラクターの名前を決めるのがニガテで、90%は麻生さんに決めてもらっている」と麻生への信頼度の高さを明かした。

フリーランスの記者・溝口健一役を演じた永瀬も「(映画は)スケールアップしまくりでしょ。劇場で確認してください!」と強めのアピール。スーパーボランティア役のコニシさん役を演じた佐藤は「最初からみると、ずいぶん枠が広がったね」と感心しきり。

“世の中には不思議が溢れている”そんな作品にちなんで、不思議体験を聞かれると、麻生は「寝ているときに同じ場面(風景)を見ます。前世かなと思います」。佐藤は「いろんな企画が来て、無くなったりするけれど後で復活したりする」。永瀬「10年位前から夏になると同じところを虫に刺される」。池松は「2、3年に一回ぐらい、らせん階段をライオンに追われる夢を見る」。オダキリは「4年ぐらい前に同じマンションに永瀬さんも住んでいた。全く知り合うことも無く10年後に一緒の仕事が来た」と、それぞれが話した。

最後に、池松は「オダギリジョーという人が期待通りのものを見せてくれるはずもなく、はるか上を行くとんでもない作品が出来上がりました。アートを見るような気持ちで芸術性にたっぷり浸かってください。ユニークで愛嬌たっぷりの作品です。楽しんでください」と期待をあおった。

オダギリ監督は、深津絵里が演じているカリスマ・ハンドラーの羽衣弥生に触れ、「深津さんは冒頭からスゴイです!」と強烈キャラであることを明かし、期待はマックス。1回じゃ分かりにくい作品かもしれません。何回か観ていただければ……。あと、全部を劇場用として作っているのでぜひ映画館で観てください!!」 と オダギリらしいトークでメッセージを送り、会場は爆笑に包まれた。

(取材・文・写真:福住佐知子)
公開表記
配給:エイベックス・フィルムレーベルズ
2025年9月26日(金)より全国公開
(オフィシャル素材提供)
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