イベント・舞台挨拶

『遠い山なみの光』公開直前大ヒット祈願イベント

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 登壇者:広瀬すず、松下洸平

 映画『遠い山なみの光』(9月5日公開)の大ヒット祈願トークイベントが8月24日、東京・神田明神で行われ、主演の広瀬すず、共演の松下洸平が出席した。
 ノーベル文学賞受賞作家カズオ・イシグロの長編小説デビュー作品「遠い山なみの光」を、日本アカデミー賞受賞監督の石川 慶氏が実写映画化した本作。1950年代の長崎と、1980年代のイギリスを生きる3人の女たちの知られざる真実に涙溢れる、感動のヒューマン・ミステリーとなっており、広瀬は長崎時代の悦子、松下は悦子の夫・二郎をそれぞれ演じる。

 本日は、夏らしい浴衣姿を披露した二人。広瀬は、薄いピンク地に大胆なモノトーンの縞模様で花が描かれ、そこに上品な花のシルエットや蝶がデザインされているモダンな浴衣を着用、松下は紫と紺のバイカラーのシックな浴衣で登場。お互いの浴衣姿への感想を求められると、広瀬は「似合うわね」、松下は「本当に素敵ですね。しかも帯が初めて見るタイプの帯で……素敵です。素敵です」と同時に大絶賛。

 公開を直前に控えての心境を尋ねられると、広瀬は「ちょうど1年くらい前に撮影をした作品なので、時間が経っているというのもありますし、カンヌ映画祭に行かせてもらったりして、少し前からこの作品で動かせていただいていたので、まだ公開してないんだって感覚にもなるんですけど(笑)、観てくださる方が増えていくというのはドキドキしますけど楽しみです」と胸を躍らせ、松下は「長崎パートにしか出ていないですし、そこまで多くの出番があったわけではないんですけど、たくさんのイベントに参加させていただけてうれしいです。カンヌ国際映画祭にも行かせていただきましたし、贅沢な時間を過ごさせていただいているなと思うので、あとは公開されてお客様に観ていただいて、皆様のお声を聞くのが楽しみですね」と目を輝かせた。

 また、本作で初共演を果たした2人は、共演した感想を聞かれると、松下は「現場では素の広瀬すずのままでしたね。ずっとヘラヘラしてるんですよ」と打ち明け、広瀬が「分かる(笑)」と共感すると、松下は「分かるじゃないのよ(笑)。本番が始まる2秒くらい前までヘラヘラフラフラしてるんですけど、『よーいスタート!』ってなった瞬間にパッと悦子の顔になって、すごい方だなと改めて思いましたし、現場で一緒にいて勉強させていただくことがすごく多かったですね」と称賛。

 広瀬は「私もそう(勉強させてもらった)ですし、(松下さんも)フランクでずっとふざけてるんですよ」と言うと、松下が「それは本当にやめて。ふざけてないから(笑)」と否定。すると広瀬は「私にしか聞こえないような小さい声でずっとボケ続けてくるんです」と続けたが、松下は「1回もそんなことないよ」と完全否定。加えて、広瀬は「松下さんはすごく器用で、二郎さんの中でグルグルと(感情が)動いているような表現がすごく繊細で、監督と話しながら二郎さんという人物像を作っていく中で、真面目で器用な方なんだろうなと思いましたし、セリフのキャッチボールをしていても心地のいいリズム感で楽しかったです」と吐露した。

 改めて、自身の役をどう演じたか尋ねられると、広瀬は「悦子という女性は掴みやすい役じゃなかったので、ずっとモヤがかかっているような存在だったんですけど、私も監督と『そういう方向性のお芝居がいいと思います』とざっくりした話をしたり、悦子さんを言語化するのが難しかったので、1回お芝居をやって、それを見て『そのニュアンスがいいと思います』というやりとりをしました」と明かし、「当時の女性の生き方もありつつ、どこか自分の意思が強い女性だなと思ったので、そのニュアンスの出し方をいろいろ試して現場でやっていたような気がします」と振り返った。

 松下は「男は仕事に邁進して、家のことは妻にという時代背景があったので、そこはリアルに出せればなと思いました。その時代を生きていないと表現過多になってしまいそうなところを、常に監督から抑えていただいたり、僕がイメージする二郎さんは、劇中で描かれている二郎さんよりも口調や態度がもう少しきついかなと思ったんですが、監督は『もう少し柔らかく』と。家族や悦子を愛する気持ちはあっていいので、その微妙なさじ加減を現場で表現するのは難しかったんですけど、監督の中のイメージが常に明確だったので、そこと自分が演じる二郎がどれだけ近づけるかという作業を常にしていたような気がします」と打ち明けた。

 さらに、当時の夫婦の形で見習いたいところや反面教師にしたいところはあるかとの質問に、広瀬は「嘘をついているわけではないですが、どこまで本音で話しているのか、平和を保とうと相手を探っているような、そういう時間の流れ方は今の時代を生きている私からするとギャップを感じて、演じていて面白い部分でした。何を考えているんだろうな、というのがお互いあるんだろうなって。それはいいのか悪いのか」と語り、松下は「二郎さんは口数が多い人ではないので、本音は言わないし、言ったとしてもそれが本心かどうかわからない、掴みどころのない性格だったので、妻である悦子はとても大変だっただろうなと思いますし、支えてくれている悦子さんに面と向かって感謝を言えず、それも当時らしさなのかどうなのか。そこは面白いですよね」とコメント。

 松下自身は感謝を伝えられているか追及されると「僕は『ありがとう』と『ごめんなさい』だけは(しっかりと伝える)」と答え、広瀬は「すばらしいです」と感嘆。同じ質問に、広瀬は「両方あると思います。でも年齢を重ねて、いろんな人と会ったり、自分の感覚も変わってきたりする中で、今までは(心に)留めてきたけど、言葉にするのも大事だなと思うようになりましたが、そんなつもりはないのに言っちゃうこととかあります」と明かし、「言葉の変換が下手くそで、知っている言葉が少なくて困っちゃうタイプなので、気をつけようって思っています(笑)」と吐露。
 これに、松下は「よくありますね、あなたは」と心当たりがあるようで、「カンヌ国際映画祭に一緒に行ったりして、けっこう食事をする機会があったんですけど、僕の食べ方を見て『おじいちゃん?』って(笑)。僕はゆっくり丁寧に食べているのに『おじいちゃん?』って」とエピソードを明かすと、広瀬は「“ハッシュタグ丁寧な暮らし”って感じがするんですよ(笑)」と表現。これに松下が「だったら『丁寧な暮らしぶりですね』でいいじゃないですか。『おじいちゃん?』って」と突っ込むと、広瀬は「ごめんなさい。いつもありがとう(笑)」と松下の『ありがとう』『ごめんなさい』を引用して笑いつつ、「言える人にしか言わないです」とフォローすると、松下は「ありがとうございます。心を開いていただいて」と笑顔を見せた。

 そして、この夏の思い出を聞かれると、広瀬は「最近、連日お仕事が続いていたのですが、この感じ久々だなと思ったのは、夏に真冬の格好をした撮影をしたことですね。それで自転車を漕いだんですけど、一般的に役者さんって汗かかないって言うじゃないですか。私、めちゃくちゃ汗かきました。ビッシャビシャ(笑)。笑っちゃうくらい汗をかいたんですけど、ある意味楽しくて思い出に残る日でした」と告白し、松下はファッションの撮影でスペインに行ったそうで「連日38度で暑い日は40度近くになる中、僕もセットアップの分厚い裏起毛のパーカーを着て、『あっついな』と笑いながら撮影しましたね」と回顧。汗をかいたか追及された松下は「僕は一切……」とコメントしたが、広瀬から「えっ!? いいよ、かっこつけないでよ」と声が飛ぶと、松下は「ビッショビショでした(笑)。あそこまで暑いと笑うしかないですね」と語った。

 同イベントでは、2人が巨大絵馬に大ヒットの願いを書いて披露する企画が行われ、広瀬が“また皆さまとご飯が食べたい!”と書くと、松下は「食べればいいじゃん。絵馬に書くことじゃないですよ」と突っ込んだが、広瀬は「キャストの皆様とか監督とかお忙しいからなかなか食べられないと思うんですよ」と主張。これに松下から「すずちゃんが『食べたい』って言ったらみんな来てくれますよ」と声をかけられた広瀬は「言う勇気もないので、皆さまいっぱい記事にしてください(笑)。(二階堂)ふみちゃんや皆さんに届くように。緊張しちゃって直接言う勇気はないので(笑)」と報道陣にお願いした。

 続けて、MCから「松下さんもいますから誘ってあげてください」と声をかけられると、松下は「僕はいつでも行きます」と力強く語ったが、広瀬は「いつでも行けそう(笑)。いい意味で! いい意味で!」とイタズラな笑顔を浮かべ、松下が「ちょっと……。ちょろいと思ってる?」と苦笑すると、広瀬は「唯一いっぱいなんでもしゃべれるから、心強い存在として力をお借りできたら。いい意味でです。ごめんなさい。いつもありがとう(笑)」とちゃめっ気たっぷりに笑った。
 そして、松下は“多くの人に届きますように”。と書き「これよ!」とドヤ顔をすると、広瀬は「100点!」と太鼓判を押した。

 最後に、本作に込めた祈りや願いを聞かれると、広瀬は「当時の長崎を生き抜いた女性たちの生き様みたいなものを、今の時代の方がどんなふうに受け止めていただけるのか、そして戦後80年という節目の年にこの作品を届けられることは意味のあることなのかなと。観てもらうのは怖いんですけど、少しでも皆さまの希望になるような作品になったらいいなと思っています」と言葉に力を込め、松下は「当時の長崎のことを描いた作品ではありますけど、必ず最後には登場人物それぞれがしっかりと明るい未来を観て終われる作品になっていますので、とても前向きな作品ですし、戦争の悲惨さを伝えるだけの作品ではないと胸を張って言えると思うので、作品全体を通して、エンターテインメントとして楽しんでいただきたいですし、これを機に当時の長崎、広島などで、何があったのかというのを少しでも知るきっかけになればいいなと思います」と熱く語った。
 松下のコメントを受け、広瀬も「(当時のことを)知ってもらえるようなきっかけになったらいいなと思います。私も作品やお芝居を通してじゃなかったら、なかなか知ったり体感を得るようなことってなかっただろうなと。見て見ぬふりではないけど、近い存在ではなかった出来事が、映画という1つのものを通して知ってもらって、皆様の(知る)きっかけになればいいなと思います。ぜひ映画館で大きなスクリーンで体感してもらえたらうれしく思います」とアピールした。

公開表記

 配給:ギャガ
 9月5日(金) TOHOシネマズ 日比谷 他 全国ロードショー

(オフィシャル素材提供)

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