
登壇者:妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太、栄莉弥、光路(:みろ)、大友啓史監督
アメリカ統治下の沖縄の史実を背景に、激動の時代を生き抜いた若者たちの葛藤と友情を描く『宝島』。主演の妻夫木聡、大友啓史監督が6月から3ヵ月以上に及ぶ全国キャラバンを通して27都市を訪問(9月19日時点/初日舞台挨拶は含まず)するなど、規格外の熱量あふれる姿でも話題沸騰の本作がついに本日全国公開を迎えるなか、東京・新宿で初日舞台挨拶が開催となった。
上映を終えたばかりの異様なほどの熱気に包まれた場内。満員の客席から盛大な拍手で迎えられ、主演の妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太、栄莉弥、光路、大友啓史監督が一斉に登壇すると、場内のボルテージは早くも最高潮に!
涙を浮かべる観客もいるなか、一人ひとりの顔を見渡しながら感慨に浸る妻夫木は、開口一番「初日から観に来てくださりありがとうございます!」と笑顔を見せつつ、「2019年の企画立ち上げから、6年越しで今日を迎えられました。こうして初日を喜べるのも、皆さんの想いのおかげです」と感謝を述べ深々と挨拶。

笑顔で隣の広瀬にバトンを渡すと、受け取った広瀬も「こんなにたくさんの方々に足を運んでもらえて嬉しいです!」と興奮を抑えられない様子で語りかけた。

続く窪田、永山も「『宝島』を通して皆さんと出会えることが何より嬉しいです」(窪田)、「俳優をやっている中でこの瞬間が一番ドキドキするし、自分は幸せ者だなと感じています」(永山)と、喜びあふれる胸中を明かすなか、客席に目を向けた永山が「あちらのお客さんはポップコーンが全然減ってないですね。それだけ集中して観てくださったんだなと。すごく嬉しいです」と語ると、妻夫木らも「本当だ! 嬉しいですね、ありがとうございます!!」と盛り上げ、場内は大きな笑いに包まれた。

続いて、本作で本格的俳優デビューを果たし、物語のカギを握るウタ役を演じた栄莉弥は、「今日をもって、皆さんの手に映画が渡るんだと実感して、ドキドキしています」と緊張気味に挨拶。

同じくウタの少年期を演じた栄莉弥の実弟・光路は今回が初めての舞台挨拶となったが、隣で心配そうに見つめる栄莉弥をよそに堂々と「ウタ役を演じさせていただいた光路です。とても緊張していますが、最後までよろしくお願いします!」と挨拶を交わすと、キャスト陣や観客から驚きとともに「可愛い~!」という黄色い声援が飛び交う場面も。

思わず広瀬も「もうメロンメロンです……。ちょっと大人になっていて驚きましたが、可愛すぎます」と、釘付けの様子で笑顔を見せた。

そんな中、ひと際喜びを噛みしめている様子の大友監督。構想6年、2度の撮影延期の壁を乗り越え壮大な想いを費やした本作の公開について、「個人的には20年近く温めてきた企画でもあり、その後6年かけて、もはや四半世紀くらいかけて皆さんにようやく届けることができました。今日この場に居ないキャストやスタッフの人たち皆の力で映画は完成しました、どうか皆様、彼らにも拍手をいただけますでしょうか」と万感の想いを口にすると、客席からは自然と温かい拍手が巻き起こった。

キャスト、監督らのたぎる想いと『宝島』への作品愛が会場全体を終始包み込むなか、イベント開始時から妻夫木らの後ろにそびえ立っていた巨大パネルの除幕式が行われ、司会に促された妻夫木と大友監督が勢いよくアンベール。すると、そこには二人が訪れた全国各地の劇場で書き込まれた観客の手書きの感想やメッセージがずらり!
「まさに魂が震えた作品」「3時間ずっと感動しました!」「ぜひ日本国民全員に観てほしい」など、掲出されたものはほんの一部であるものの、500を超える熱いコメントの数々に思わず「本当に嬉しい、感動的です」と感無量の妻夫木は、言葉を詰まらせながら「訪れた先の一つひとつの場所で、なんだか『家族が増えていく』ような感覚がある」と、3ヵ月以上に渡りこれまで30回近くもの舞台挨拶を敢行してきた思い出をしみじみと述懐。サプライズとなった圧巻の光景に、広瀬、窪田、永山からも感動の声が相次いで漏れるなか、妻夫木とともに“映画の力”を信じ、日本中で想いを伝え続けてきた大友監督は、「『宝島』は、さまざまなスタンスや覚悟を問われた映画。成立するかしないかという局面に何度も陥りながら、一つひとつの壁を皆で乗り越えてきました。メッセージをくださった皆さんの顔を全員覚えたいという想いです」と、感慨深げに喜びを語った。

そんな本作に対する並々ならぬ覚悟と情熱を携え、公開まで走り抜けてきた妻夫木と大友監督とともに、沖縄キャラバンに参加した広瀬、大阪キャラバンに参加した窪田も、それぞれ「沖縄の方々に観ていただくのは、不安もありました。でも、映画を受け取っていただいた直後に、“ありがとう”と言ってもらえたのは本当に嬉しかったです。とても、熱い気持ちになりました」(広瀬)、「上映後の皆さんの目が本当にきらきらしていて。映画というフィルターを通じて、皆さんと繋がれたことに感動しています」(窪田)と振り返り、『宝島』を通して肌で感じた“映画の力”について熱く語った。

一方、妻夫木、広瀬、窪田が演じるグスク、ヤマコ、レイにとっての“英雄”であり、リーダー的存在のオンを演じた永山は、本作の参加を決意した当時の心境を告白。本作がもつ“圧倒的な熱量”に衝撃を受けたという永山は、「オンという役は、この映画にとってすごく大きな意味をもつと感じていました。自分に全うできるかと大きなプレッシャーを感じて、正直何度も不安を口にしてしまう瞬間もあった」と撮影前の本音を吐露。それでも、「大友監督やスタッフの方々と打ち合わせを重ねていくうえで感じた、監督の熱意と愛情を力に、皆さんに支えてもらいながら覚悟を決めてカメラの前に立つようにしました」と、沖縄での決意の想いを明かした。
そんな錚々たる先輩俳優たちに囲まれ、大友監督が指揮する規格外の撮影に初めて挑んだ栄莉弥。「現場ではあまり頭で考えすぎないようにしていました。とにかく『ウタを生きること』だけを意識しました」と語ると、弟の光路も「すべてが初めてだったので、監督に教えてもらったことをただひたすらにやるという気持ちで臨みました」と撮影時を述懐。ひたむきな姿勢を見せる二人の姿に、大友監督も「実は、ウタ役が一番難しい役だと思っていて、適任を見つけるために日本全国を探しまわる意気込みでした。でも、栄莉弥君と光路君に出会って、“ウタがいた!”と即決できたんです」と、新たな才能を見出した秘話を明かした。
熱いトークは続き、撮影期間106日、その内41日間・43ヵ所のロケ地で行われた沖縄での撮影を振り返った一同。
大友監督は苦労を匂わせつつも、「特殊飲食街の躯体だけを使い、装飾を重ねて当時の飲食街を再現しました。すると、地元の辺野古の方々が、撮影終わりに集まってきて、当時を思い出しながら涙した方もいらっしゃった。そして、最終的にはみんなで宴会していたみたいです(笑)。僕はその場にいることはできなかったけど、その話を聞いて嬉しかった。映画というメディアはそうした側面もあって、だから僕は映画が好きなんです」と、沖縄で感じた確かな手応えを明かし力強くアピール。
妻夫木らもそんな監督をねぎらいながら、「撮影初日のコザでのシーンで、オンちゃんの背中をグスクとレイが追いかけるシーンは特に印象深かったですね。瑛太がキラキラしていたんです。あの後ろ姿はオンちゃんだなって。スクリーンで観たあのシーンは忘れられません」(妻夫木)、「私は沖縄の海がすごく印象に残っています。ずっとオンちゃんへの想いが続いたままだったので感情のコントロールが難しかった時もあったのですが、海を見ていると、循環する自然の流れが感じられて……。その光景に、気持ちがどんどん溢れてきました」(広瀬)、「僕は御嶽(読み:ウタキ)での撮影がすごく印象に残っています。すごく生きているというか、鼓動を感じる感覚がありましたね」(窪田)、「僕は少し違う話ですが……、エンドロールを見た時にすごく“一体感”を感じました。こんなにもたくさんの町が、たくさんの方々が協力してくれたんだと、感動したのを覚えています」(永田)と語り、キャスト・スタッフが一丸となって作り上げられた『宝島』の魅力を熱く呼びかけた。
こうしたキャストたちの熱い想いを映画にすべて込めたと語る大友監督。「どこか分からない回路、地図のない旅をしていたような感覚のなかで、妻夫木さんはじめ俳優の皆さんが肉体を通して探り当ててくれたパワーが確かにこの映画にはある。俳優の瞬発力というか、瞬間瞬間で感じたものの凄さが支えとなって『宝島』は完成しました」と語ると、妻夫木らも大きく頷いていた。
最後に、「『宝島』は6年がかりでようやく今日という日を迎えました。不死鳥のように蘇るこの映画を観ていると、“想いの力”ってすごいなと改めて感じます」と語りかけた妻夫木。「想いがそこに在る限り、絶対立ち上がることができると思う」と続け、「『宝島』も、想いがつながっていく物語でもある。グスクが思い描いた未来が今なんだとしたら、僕たちはグスクから託された“命のバトン”を、どうやってこれから繋げていけるのか。『宝島』を観てくださる方々にとって、何か少しでも心に変化があったり、この映画の力によって世界の何かが、誰かの人生が変えられる力が1%でもあるのだとしたら、僕はその“映画の力”を信じたいと思っています」と力説。

そのうえで、「今回、キャラバンで全国をたくさん回りました。明日も栃木と千葉に伺います。こうして公開初日を迎えた今、映画の宣伝というのは『映画に栄養を与えている』ものなんじゃないか、という気持ちになっています。『宝島』は、僕たちにとって子どものような存在。これからこの映画を育ててくれるのは、お客様の皆さんだと思っています。どうか立派な大人になるように、僕らとともに可愛がってもらえたら嬉しいです」と、魂のこもったメッセージが送られると、場内は割れんばかりの拍手が巻き起こり、初日舞台挨拶はキャスト、監督らの満面の笑みで締めくくられた。
時代の波に翻弄されながら、立ち向かい、熱く生き抜いた若者たちを描く感動超大作。圧巻の191分で描く、映画『宝島』は大ヒット公開中! キャスト、監督のたぎる想いを乗せて日本中に広がる『宝島』の“感動のバトン”。ぜひ、劇場でご覧いただきたい。
公開表記
配給:東映/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
全国公開中!
(オフィシャル素材提供)