イベント・舞台挨拶

『愚か者の身分』ティーチイン試写会 in 大阪

© 2025映画「愚か者の身分」製作委員会

 登壇者:林 裕太、永田 琴(監督)

 人間ドラマを巧みに描くことに定評のある永田 琴監督が、主演に北村匠海、共演に綾野 剛、林 裕太の豪華実力派キャストを迎え、愛を知らずに育った3人の若者たちの青春と、闇ビジネスから抜け出す3日間を描く逃亡サスペンス『愚か者の身分』(10月24日[金]公開・配給:THE SEVEN/ショウゲート)。第30回釜山国際映画祭コンペティション部門に選出された本作の公開を記念し、10月9日(木)にTOHOシネマズなんばにてティーチイン付きヤングプレビュー試写会を開催、上映後に林裕太と永田琴監督が登壇した。

 この日が大阪での初上映となった『愚か者の身分』。上映後には観客とのティーチインイベントが行われ、マモル役を演じた林 裕太と永田 琴監督の2人が登壇した。

 まず、本作を振り返り、林は「この映画は“リレー”のように、バトンを繋いでいく物語だと思っています」と語り、「その最終地点にマモルがいる。梶谷(綾野 剛)やタクヤ(北村匠海)が“生きることを託して繋げていく”という話です」と説明。撮影中もそれ以外の時間も、北村や綾野と、このテーマについて何度も話し合っていたことを明かし「それが映像になって皆さんに届けられるのは本当に嬉しいです」「観終わった後に皆さんとお話しできるのがとても楽しみです」と笑顔を見せた。

 さらに、先日開催された第30回釜山国際映画祭のコンペティション部門で、北村匠海・林 裕太・綾野 剛の3人がそろって最優秀俳優賞を受賞したことについても触れ「3人一緒に受賞できたことで、役者としても作品としても評価していただけた気がしました」と喜びを語った。そして、「現地で開催された授賞式には僕しか行けなかったんですが、知らせを受けたときは剛さんと匠海さんも一緒にいて、『あとは裕太にまかせた』と言われたんです。その思いを背負って、ガクブルのまま釜山でスピーチしました」と苦笑い。後日、日本でスピーチを見ていた北村から「素敵なスピーチをありがとう」とメッセージをもらったことも明かした。

 続いて観客からの質問コーナーへ。脚本家志望の観客から「監督が日頃から作品づくりに向けて行っている日課はありますか?」と尋ねられると、永田監督は「ヨガです」と即答。撮影の体力作り目的に加えて「例えば自然。突然雨が降ったりとか、いろいろある中で、スタッフとのセッションもそうですし、いろんな事件がある」「それを冷静に<こうしましょうか>と判断をするために、とても大事」と精神面での効果を述べ「今冗談っぽく言いましたけど、そうではなくて、本当にやっています」と説明した。

 また、タクヤが“鯵の煮付け”を調理するシーンについての質問では、永田監督が「匠海さんはこの撮影で初めて魚のさばき方を覚えました」と明かす。「何度も練習してもらいましたし、役柄上、見えない状態でもさばけるように練習していました。匠海さん自身も『料理はよくするけど魚はさばけなかったから、いい機会だった』と楽しんでいました」と思い返す。そして林も「あの煮付けを一緒に食べるシーンがすごく好きです。“いっぱい食べろ”という言葉は、“生きろよ”というメッセージにも繋がっている気がします」としみじみ。

 「時間がなくて1シーンしか見直せないとしたら、どこを選びますか?」という難度の高い質問には、永田監督が「トイレに行く時間を削ってでも全部観ます! 今からでも100回くらい観たい」と作品への溢れる愛を語る一幕も。一方の林は「歌舞伎町でわちゃわちゃしているシーン」と答え、「普段の自分では絶対できないことばかりで、あの数時間だけは本当に<僕の街>になりました(笑)」と振り返った。

 また、金歯が印象的な組織の幹部ジョージ(田邊和也)や、彼の部下で関西弁を話す佐藤(嶺 豪一)など、個性的なキャラクターについての質問が飛んだ。嶺は佐藤役のために10キロ増量、彼が話す関西弁の特訓は関西出身の監督自ら行ったというが、今回は大阪での上映ということもあり、永田監督が「佐藤の関西弁、大丈夫でしたか?」と観客に問いかける場面も。

 本作のキャッチコピー「生まれ変わるんだ。」にちなみ、「撮影前と撮影後で何か変わったことはありましたか?」という質問に、林は「すごく人が恋しくなりました」と回答。「この現場では本当に多くの人に支えられました。監督や匠海くん、剛さんだけでなく、スタッフの方々も僕に居場所をくれて、そのことがマモルという役にも繋がったと思います。撮影後は“誰かに何かしてあげたい”と思えるようになりました」と感謝を述べ、それを受けた永田が、キャストへの演技指導について「セリフが終わってもすぐにはカットをかけなかった」と明かす場面も。「セリフが終わっても、その後2人がどんな会話をするのか、放っておいたらどうなるのか、そういう“余白”を大事にしていました。カットがかかるまでの時間も役の延長として過ごしてもらえるよう、少しずつ時間をかけて撮っていました」と語るなど、作品づくりへの丁寧な姿勢をのぞかせた。そして最後は、観客に向かって林と永田監督からそれぞれ感謝を述べ、観客からの温かい空気に包まれながらイベントは締めくくられた。

公開表記

 配給:THE SEVEN ショウゲート
 2025年10月24日(金) 全国公開

 (オフィシャル素材提供)

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