
映画『宝島』が全国公開中。大友啓史監督、そしてこの作品にすべてを注いだ主演・妻夫木聡のもと、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太ら日本最高峰のキャスト・スタッフが集結。これまであまり描かれてこなかった戦後沖縄の時代を真正面から描き切り、二度の撮影延期を乗り越え完成させた本作は、映画公開から1ヵ月経った今も鑑賞者からの熱い声が絶えず、「映画に込められた覚悟と情熱がスクリーンを超えて心に深く響く」「高度経済成長の裏側で、戦後沖縄で起きていた真実に衝撃を受けた」「今の時代にこの作品を残す価値がある」「観るたびに生きる意味を問われるような作品」など、今年を代表する1本として多くの観客の心を掴んでいる。また映画の舞台となった沖縄では、数々の話題作を押さえ4週末連続動員ランキング1位に輝く劇場もあるほど大きな反響を呼んでいる。
さらにこの度、映画『宝島』が11月6日より台湾・台北で開幕する第45回台北金馬映画祭で正式上映され、妻夫木聡と大友啓史監督が渡台し参加することが決定! 台北金馬映画祭はアジアで最も歴史の古い国際映画祭のひとつであり、本作は、現代日本映画の持つ多様性と創造性を際立って描いた作品を集めた今年特別に新設された〝Rising Japan”部門で上映。映画祭側からは「複雑な歴史的背景を持つ沖縄を舞台に、『宝島』は壮大な志を持ってアイデンティティの問いに深く切り込み、現代日本映画に新たな深みと視野をもたらした」と作品への評価が寄せられた。
台北金馬映画祭
公式サイト:https://www.goldenhorse.org.tw/(外部サイト)
開催期間:11月6日~23日
また本作は先日、10月16日よりハワイで開幕された第45回ハワイ国際映画祭にも正式招待され、沖縄移民がハワイに渡ってから125周年を迎えるにあたり、沖縄とハワイの間に築かれてきた永続的な絆を称える特別企画として設立された“Spotlight On Okinawa”部門にて、現地時間10月18日にインターナショナルプレミアとして上映された。


会場であるホノルルのカハラ・モールの中にある「Consolidated Theatres Kahala」には上映前から長蛇の列ができ、若者から高齢者まで幅広い年齢層と人種の観客が詰めかけ、立ち見客も出る満席状態の中、3時間11分、全ての観客がスクリーンに集中した。上映後、熱気に包まれた空気のなか大友啓史監督が登壇しQ&Aイベントが行われ、沖縄にルーツをもつ現地の方々をはじめとする観客から、作品に対する感想や制作への感謝の気持ちと共に、熱心な質問が繰り出され、大友監督が丁寧に答えていった。

まず映画化を決めた理由を聞かれた大友監督は、「アメリカに統治されていた時代の沖縄を、日本国内の本土の人間がしっかりと知らなきゃいけない。戦争が終わった後、絶対的強者と弱者の間に何か生まれるのか。その残酷な現実をしっかりと伝えたかった。当時を生きた戦果アギヤーの若者たちは、生きていくことに必死だったからこそ生命力と粘り強さをもっていて、今の時代に届けるべきメッセージがあると感じました。我々がニュースで見ているウクライナやガザで起きているいろいろな出来事と、この時代の沖縄は重なり合うものがたくさんあると思っています」と改めてメッセージを訴えた。

さらに観客の一人からは、「この映画にどれほど感謝し、感銘を受けているかをお伝えしたいです。監督が取り組まれたのは、本当に力強いものです。日本とアメリカによってさまざまな形で抹消されてきた歴史が、このような細部へのこだわりと配慮をもってスクリーンに描かれているのを見て、非常に感動しました。ありがとうございます」と感謝と賛辞の言葉が贈られた。続いて「Hero’s Island」という英題について問われると、「沖縄がなぜ宝の島と呼ばれているのか?ということを皆さんに考えてほしい。沖縄には“命どぅ宝”という言葉がありますが、命こそが宝であるということを、もう一度知ってほしいという思いが一つ強くありました。ヒーローというのは、むしろ誰にも知られていない、歴史に名は残らなくても、大切なものを守ろうと人知れず生きて人知れず亡くなっていく。そういう無名の人たちこそがヒーローなのではと思っています。“宝島”は、だから“Hero‘s Island”でもあるのです」とタイトルに込めた想いを明かした。

映画への感動の声は海を超え、さらに多くの人々の心へと届きつづけている。
公開表記
配給:東映/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
2025年9月19日(金)より全国公開
(オフィシャル素材提供)