
登壇者:日穏(KANON)、松田実桜、西尾希美、加藤綾乃、吉井しえる、木村聡志監督
『違う惑星の変な恋人』が東京国際映画祭・アジアの未来部門に選出された木村聡志監督の最新作『代々木ジョニーの憂鬱な放課後』。SKY-HI率いるBMSGのオーディション企画「THE LAST PIECE」から生まれたボーイズ・グループ、STARGLOWのKANONとして注目を集める日穏をはじめ、今森茉耶、松田実桜、西尾希美、一ノ瀬瑠菜、加藤綾乃、吉井しえるといったミスマガジン2023受賞者6名など10代のフレッシュなキャスト陣を迎えて作り上げた、兎にも角にも一筋縄ではいかない厄介系青春群像劇。
この度、本作の公開記念舞台挨拶が、2025年10月26日(日)に横浜ブルク13にて行われ、主演の日穏(KANON)、共演の松田実桜、西尾希美、加藤綾乃、吉井しえる、そして木村聡志監督が登壇し、本作の企画からキャスティング、撮影時のエピソードなど、幅広い話題で盛り上がった。

10代の登場人物たちの話となった経緯について、木村監督は「これまでの作品では20代後半をしながら脚本を書きました」と明かした。続けて「当時、自分が抱えていた“言葉にはできない関係”や感情、もどかしさがいい感じで描けたのではないかと個人的には思っています」と振り返る。
そしてちょっと天然で生真面目な主人公・代々木ジョニー役を演じた日穏(KANON)。映画初出演にして初主演に抜擢された背景には、製作陣のもとに「代々木ジョニーにピッタリの男子高校生がいる」という噂が入ったのがきっかけだったそう。最初に脚本を読んだ時の心境について「僕、こんなふうに思われてるんだ」と苦笑いを浮かべながら振り返りつつ、「ジョニーは愛くるしいというか、どこかずれているのがかわいいんだよなぁという役で嬉しかった」とキャラクターへの思い入れと共感を熱弁。

木村監督は、日穏をキャストとして見つけた時の感想について「撮影前にキャスト一人ひとりと面談のようなことをしたんですが、(日穏は)高校生当時の学園生活について、割と赤裸々に話してくれたんです。それがジョニーらしいなって。そして僕は高校時代、年上の人としゃべる時、“なめられちゃいけない”とイキってたこともあるんですが、日穏くんはしゃべりが落ち着いていて、大人でしたね」と述懐する。
さらに、木村監督作品独特の「長ゼリフ」の覚え方について聞かれた日穏は、「1回、全部を通して読んで、隠しながら、“次、なんだっけ?”と読んでいったら割とすぐ覚えられるタイプで」と自己分析。監督も、ワンカットで8分程度の長いシーンもあり、撮り直しはあったものの無事に乗り切れたことに触れ、「日穏くんはセリフをスッと覚えていて、すごいと思った」と称賛した。

ジョニーを取り巻く個性豊かな女性たちを演じたキャスト陣は、それぞれが注目してほしいシーンについてコメント。ジョニーの今カノ、熱子ちゃん役の松田実桜は、「私のシーンはズーンという感じのシーンが多かった」と独特の表現。続けて「一転して、(自分が出ていない)スカッシュ部のシーンはとにかく爽やかなので、私のシーンの“ズーン”との対比を楽しんでほしいです!」とアピールした。ジョニーが出会う訳ありの少女、名波役の西尾希美もスカッシュ部のシーンに言及。自身はシリアスなシーンでの出演だったため、「いつか名波もスカッシュができたらいいなぁと思いながら観てました」と羨んだ。

一方、スカッシュ部での毒舌が印象的なバタコさん役の加藤綾乃は、熱子や名波のシーンに着目する。「2人のシーンは“集中”できるんです。物語の中でも大事なシーンにも注目することで、“ここはこういうことなんだ”という考察や発見を楽しんでほしい」と述べ、公開直後からSNSで盛り上がっている本作にまつわる“考察”を楽しんで読んでいることを明かした。

そして熱血新入部員、デコ役の吉井しえるは、ジョニーと一ノ瀬瑠菜演じる神楽の会話のシーンが特に好きだとし、何気ない会話の中にも言葉の一つひとつに重みがあるところに注目してほしいと述べた。

撮影中に印象的だったエピソードとして、日穏は初めての映像作品での主演で全てが新鮮だったとしつつも、「真夏の廃校の一室でスカッシュ部の部室での撮影をやったんですが、クーラーも効かない状態でマジできつかった(笑)」と吐露。「春のシーンで春服での撮影だったので、汗を避けるために、氷を脇に挟みながら撮影していました」と明かした。

また、松田は日穏が撮影地である海老名のサービスエリアの有名なメロンパンを大量に差し入れし、キャストやスタッフに喜ばれたエピソードを披露。そのシーンに参加していなかった西尾からは「いいなぁ、私も食べたかった」と恨み節も飛び出し、日穏も「すいません……」と恐縮しきり。また吉井からは撮影最終日にみんなでボトルフリップチャレンジを行い、「成功した日穏くんが“イェイ!”と喜ぶ姿が、高校生だなって思いました」という微笑ましい思い出も語られるなど、同世代同士の和気藹々とした雰囲気に包まれた舞台挨拶となった。

舞台挨拶の最後に、メッセージを求められた日穏と木村監督。日穏は、「本作は本当に面白い映画なので、公開期間中に何回も観に行って欲しい」と熱く呼びかけ、「鑑賞後にはハッシュタグ“#代々木ジョニーの憂鬱な放課後”を付けてつぶやいちゃったり、Filmarksなどで評価しちゃったりして、どんどん盛り上げてってください」とPR。
木村監督は「本作はコメディ映画なので普通に楽しんでもらえれば」としつつも、「映画の良さは“楽しかったな”だけで終わらないところにある」と強調した。観客に向けては、「映画を観て、多分何か感じることがあると思うので、それを自分で考えたり、友達と話したりとか、帰って家族と話したりとか、そういう時間もこの映画を観たら大切だと思ってもらえたりしたら嬉しい」と、映画について深く考察する楽しみを提案し、舞台挨拶を締めくくった。


『代々木ジョニーの憂鬱な放課後』は全国順次ロードショー。
公開表記
配給:SPOTTED PRODUCTIONS
全国順次ロードショー中
(オフィシャル素材提供)






