
登壇者:美絽、坂本悠花里監督
2019年公開の『21世紀の女の子』の一篇「reborn」を監督し、中編「レイのために」(2019)や短編「木が呼んでいる」(2020)などで国内数々の映画祭で受賞し、その才能が評価されてきた坂本悠花里の初の長編作品『白の花実』(しろのかじつ)が今年の12月26日(金)に公開となる。
先日スペインで行われた第73回サン・セバスティアン国際映画祭のNewDirectors部門ではクロージング作品として上映され、現地で熱い喝采を浴び注目を集めた。
第38回東京国際映画祭(10⽉27⽇〜11⽉5⽇)では、Nippon Cinema Now〉部門にて公式出品された本作。27日(月)に実施されたレッドカーペットイベントでは、美絽、池端杏慈、蒼戸虹子、坂本悠花里監督が参加し、観客からの声援に笑顔で応じた。




そして記念すべき”アジアン・プレミア”として10月30日(木)に公式上映を実施。上映前には、主人公・杏菜を演じた美絽、そして本作の監督を務めた坂本悠花里監督が登壇し、舞台挨拶を実施した。
記念すべきアジアン・プレミアとして、日本で初めてとなる観客に温かい拍手で迎えらえた美絽と坂本悠花里監督。サン・セバスティアン国際映画祭に続き二度目の映画祭となる東京国際映画祭へ参加した。
まず初めに、同級生の死をきっかけに揺れる少女たちの魂や衝動を描いた本作の着想を聞かれると坂本監督は「私自身がアイデアを思い浮かべるときに、こういうことが映画で起きたら面白いんだろうな、ということを考えて始めていくことが多いです。『白の花実』もまさにそうで、所々にこういうシーンがあればいいなという自分の中で最初に感じたものを映画に映しながら着想しています」とデビュー作にして独自の世界観を繰り広げる本作の着想について明かした。

また、これまで多数の広告や雑誌のモデルとして活躍を遂げてきたものの、本作が映画初出演にして初主演となる美絽を起用した理由については「オーディションで決めました。お母さんと喧嘩するシーンを演じてもらったのですが、美絽さんがお母さんとぶつかろうとするパッションが見えたのが決め手で。これは杏菜に合うなと思いました」と坂本監督が話すと、美絽は「自分と杏菜の共通する部分をとにかく探していきました。初めてのお芝居でしたが、自分ではない人生を歩むというところが楽しかったです」と初挑戦にして確立した役作りについて明かした。

更に「撮影の半年前からダンスのレッスンを監督と受けました。監督から、特に呼吸を意識してほしいと演出いただいて、特に頑張ったシーンなので呼吸の音にも注目して観ていただきたいです」と、これから作品を鑑賞する観客に呼びかけた。

一緒にダンスレッスンに参加していたことについて問われると坂本監督は「未成年のキャストが多かったこともあり、9時までに撮影を終えなければいけない、などの制約が多くて。短い時間での撮影だったので、事前にみんなでコミュニケーションをフラットに取れるように、参加しました」と坂本監督自らのコミュニケーション手段であることを語った。

イベントの最後に坂本監督は「私が今ここに代表して立っていますが、スタッフのみんなの職人的な仕事によって成り立った作品なので、全員の思いがちゃんと皆様に届けばいいなと思います」とスタッフへの感謝を述べると、美絽は「少女たちの葛藤とか悩みとか、心情の変化を繊細に描いている作品なので、その心情に何かを感じてもらえたら嬉しいです」と語り、イベントを締めくくった。

公開表記
製作・配給:ビターズ・エンド
12月26日(金) 新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開!
(オフィシャル素材提供)










