
登壇者:シャオヘイ役・花澤香菜、フーシー役・櫻井孝宏
MC:森 遥香
シャオヘイは良い男に成長するんだろうなって!
2019年の字幕版公開を経て、翌2020年には日本語吹き替え版がロングラン・ヒットを記録した、中国発のアニメ『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』。それから約5年、黒猫の妖精・シャオヘイの冒険ファンタジーが、続編『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』となって帰ってくるカムバック。11月7日(金)より、日本語吹き替え版&字幕版が同時公開を迎える。これを前に11月6日(木)まで、第1作目がリバイバル上映中。11月1日(土)には、シャオヘイ役・花澤香菜、フーシー役・櫻井孝宏が舞台挨拶に登壇した。
リバイバル上映に多くのファンが集まった光景を目にして、「嬉しいです!」と笑顔を浮かべていた花澤と櫻井
まずは改めて『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』が上映された当時の反響を振り返ることに。花澤が「漫画家の先生やアニメに携わる方など、クリエイターさんからも「『羅小黒戦記』が好き!」という声が上がっていて、面白いものに敏感な方々も見つけてくださっていたのを感じました」と話すと、櫻井もこれに同意。アクション・シーンに見られるカンフーのニュアンスなど、日本のアニメーションとはまた違う新鮮な映像体験があったことに触れつつ、「クリエイターさんから、自身の創作活動に良い刺激や影響を受けていると聞いています」と明かし、業界内でも厚く支持されていることが窺えた。
次に役柄の魅力を聞かれたふたり。花澤はシャオヘイについて、「語るまでもないです。可愛いんです、とにかくっ!」と切り出し、「赤ちゃんかのようなモチモチ加減に、ケモ耳に……姿だけでも可愛いし。ちょっとやんちゃで、『そんな口いっぱいに食べ物を入れたら、喉が詰まっちゃうよ〜!』というような、モグモグする描写とか」と、シャオヘイ愛を爆発。それだけでなく「なんだかんだ、自分の信念がちゃんとあって、良い男に成長するんだろうなって」と述べると、櫻井が「そんなことを考えていたの?」と驚いた様子を見せ、「客観的な私の視点ですけど!」と和やかな笑いに包まれる一幕も。「とにかくシャオヘイが生きる道を、“僕が選ぶ未来”を、見つけて進んでいく姿がカッコいいんです!」とバイブス全開で、このフローに乗った客席から拍手を浴びていた。

櫻井はシャオヘイについて、「正しいですよね」とコメント。立場をはじめ、いろんなものを背負ってしまう大人とは違う、子どもならではの純粋なシャオヘイの視点は正しいとしながら、「ちょっと頑固で、譲らないところもあって。良い男に成長するだろうなと」と、花澤の意見に賛同していた。

続いて櫻井演じるフーシーについて、「信念の妖精なんですよ」と言い表した櫻井。「自分の使命、目的を果たすために、一生懸命突っ走るキャラクターで、そのひたむきさが応援したくもなるし、切なくも見えます。理想を実現するのはなかなか難しい場合もありますが、彼の選んだ道はひとつの大きな理想であり、それを掴むために頑張るキャラクターです」。一方花澤は、「なんでこうなってしまったのかな……。手段が違ったら、分かり合えるところがあったのかな……」と切なそうな声色に。しかしそこから「でも! そこが、セクシーなんですよ!」と、ステージを右に左に闊歩してフーシーの魅力を挙げ連ね、「ね? 分かりますか!?」と客席に熱弁。「自分の美学を貫き通している。さらにそこに、櫻井孝宏の声が乗る! もう最高!!」と彼の魅力を語り上げ、盛大な拍手を送られていた。
アクション・シーンを魅せるために、息遣いの芝居はあえて抑える
次に第1作目のアフレコ当時を思い返したふたり。花澤は原音のお芝居が素晴らしいため、プレッシャーも感じていたそう。世界観を崩さず、でも真似でもない、ヤンチャで可愛らしいシャオヘイをどう表現するか――自分なりに“彼がどう成長するのか”考えて演じたことを打ち明ける。
そんな花澤のシャオヘイを、「可愛い……可愛いですよね……可愛いし……」と語る櫻井。「『可愛い』って、3回言った……やったあ!」と喜ぶ花澤を挟みつつ、櫻井は「歯切れが良い原音版の雰囲気を、日本語でどうローカライズするか?という点で、花澤さんはピッタリ。キャラクターを豊かにしているなと思いました」と述べ、これに花澤は「嬉しい」と笑顔を咲かせていた。
一方櫻井自身はフーシーを演じる際、原音版では息遣いが入っている箇所も、吹き替え版ではあえて入れなかった部分があったことを明かす。アクション・シーンが大きな見どころとなるうえで、原音のニュアンスをいかに拾うか考えたとき、「過剰に息遣いを入れると、ともすると必死さが出たりするので。あえて表現しすぎず、決めるところは決められるようなアクションのカッコよさを、日本語でもうまく表現できたら」と、吹き替え版ならではの収録エピソードを教えてくれた。
そんなフーシーは物語前半と後半で、大きく印象を変えるキャラクターだ。その心情部分も、物語が進むにつれて作っていけたという櫻井。「フーシーはひとつ覚悟を決めていたところがあるので、そこをどう表現し、最後の顛末に彼とどう一緒に行こうかなと、場面ごとに考えていきました。だって最後彼は、夢を叶えるために頑張っていましたから」。
上映目前の続編。その収録は「死んじゃうぬかと思いました(笑)」
ここでふたりに「もし自分が妖精だったら、どんな能力が欲しい?」という質問が投げ掛けられると、櫻井は「飛びたいです」と即答。花澤に「速度はどのくらい?」と聞かれ、「妖精たちはピュンッ!と飛んで行ってしまうから、もう少し気持ち良く、鳥が横を飛ぶくらいのファンタジー感で」と、景色も楽しめるスピードが良いのだそう。「『現場に櫻井さん飛んでくるらしいよ!』って(笑)」「屋上にどうやら降り立つらしいよ?って(笑)」と、笑い合うふたりだった。対して花澤は「お気に入りのパン屋さんのシェフに、じりじり近くに寄って来てほしい……」と回答し、「どういうこと? どうしたいの? ちょっとマニアックな能力(笑)」と、ハテナを浮かべる櫻井。最終的に「店ごと動かそう!」と思いつくも、「冷静に考えたら迷惑ですね!?」と気づき、会場の笑いを誘う花澤だった。
いよいよ11月7日(金)から上映が始まる続編『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』について、を、すでに観ているふたり。新作はアクション・シーンをはじめ、さらなる進化が感じられるものになっていると力説する。
また花澤は「リアクションがいっぱい付いていて、私は(演じながら)死んじゃうぬかと思いました(笑)」と、演者ならではの苦労も吐露。『羅小黒戦記』はこのように細かな芝居が多いため、収録中に台本を目で追っていると、芝居が追いつかないのだとか。そのため花澤は今回、何度も映像資料を巻き戻しては練習を重ね、セリフを頭に入れてから収録本番に臨んだという裏話を教えてくれた。続編への出演はないものの、すでにご覧になった櫻井も「1秒間にリアクションが3つ入っていたりするから、(収録現場で)映像と照らし合わせながら進めることができないんだよね」と同意を示しつつ、シャオヘイ役を務める花澤を「今回は本当に頑張ったね! スゴいなと思った」と労っていた。
また新キャラクターで名前が挙がったのが、悠木 碧演じるルーイエ。「ルーイエといるときのシャオヘイは、ムゲン様と一緒にいるときとはまた違う感じで、シャオヘイの解釈も深まるのでは」と花澤。これに櫻井も「ルーイエ様と言いたくなるような」キャラクターだと語ると、「確かに! 叱られたい!!」と花澤は大きく頷いていた。一体どんなキャラクターなのか、活躍をどうぞお楽しみに!
2年の間に何が……?続編は「シャオヘイの成長も見えます!」
舞台挨拶当日の11月1日は、シャオヘイの誕生日。みんなでお祝いするにあたって、スクリーンに映し出されたのは、花澤直筆のお祝いメッセージ&イラスト。最初これに照れと謙遜を見せていた花澤だが、シャオヘイのイラスト部分をアップにした特製Tシャツをスタッフが着ているのを発見し、「ちょっと待ってよ!」と絶叫。その様子に「めちゃくちゃイジって来てる」と言う櫻井と客席は笑顔に。もちろん客席からは、花澤作・シャオヘイTシャツに「可愛い〜!」と、グッズ化熱望の声が上がっていた。
可愛いらしいシャオヘイ・ケーキも登場し、花澤の「シャオヘイ!」の掛け声で、会場一体となって「お誕生日おめでとう!」と合唱。さらに花澤は「あ……ありがとう……」と、シャオヘイ・ボイスでリアクションも。櫻井が「すごい。可愛い!」と微笑ましげに零す傍らで、花澤はMCの森に「続編ではシャオヘイが成長して、照れが大きくなっているんです。それを表現してみたんですよ!」と詰め寄り、それにまた笑いが起こるという、温かな空気が劇場を包んでいた。

この日初めて『羅小黒戦記』を観るという来場者もいたことに、「嬉しい!」と喜んでいたふたり。『羅小黒戦記 ぼくらが望む未来』について、「シャオヘイ自身も進化していますし、お話もテンポよく進んでいって、片時も目が離せない。スリルも味わえます」と語ってくれた櫻井は、最後の挨拶で「第1作目『ぼくが選ぶ未来』を観た勢いで、第2作目の『ぼくらが望む未来』もご覧いただけたらと思います」と、客席に伝えていた。
シャオヘイネイルの客席ファンを見つけ、その前まで歩み寄って「可愛い!」と感動していた姿も印象的だった花澤。「皆さんからの“『羅小黒戦記』愛”が伝わってきて、とても嬉しいです」と客席を見渡しながら、「いつ観ても普遍的なテーマがあり考えさせられる」「映像もずっと新しくてスゴい」と作品の魅力を述べ、「来週から上映が始まる『ぼくらが望む未来』も、ぜひ何度も劇場に足を運んでいただけたらと思います」と、ファンにメッセージを届けていた。
前作から2年後が舞台となる続編について、「その間に何があったんだろう?と想像したくなるような、シャオヘイの成長も見えます!」とも教えてくれた花澤。シャオヘイに新たに待ち受ける冒険とは? パワーアップして帰ってくる新たな『羅小黒戦記』を、ぜひ劇場でご鑑賞いただきたい。
ストーリー
人間たちの自然破壊により、多くの妖精たちが居場所を失っていた。森が開発され、居場所を失った黒猫の妖精シャオヘイ。そこに手を差し伸べ
たのは同じ妖精のフーシーだった。フーシーはシャオヘイを仲間に加え、住処である人里から遠く離れた島へと案内する。その島に、人間でありなが
ら最強の執行人ムゲンが現れる。フーシーたちの不穏な動きを察知し、捕えにきたのだ。戦いの中、シャオヘイはムゲンに捕まってしまう。
なんとか逃れたフーシーたちはシャオヘイの奪還を誓い、かねてから計画していた「ある作戦」を始める。一方、ムゲンはシャオヘイとともに、人と共存
する妖精たちが暮らす会館を目指す。シャオヘイは、新たな居場所を見つけることができるのか。そして、人と妖精の未来は、果たして――。
(原題:羅小黒戦記、2019年、中国、上映時間:101分)
キャスト&スタッフ
原作・監督:MTJJ
プロデューサー:叢芳氷、馬文卓
副監督:顧傑
脚本:MTJJ、彭可欣、風息神涙
作画監督:馮志爽、李根、周達炜、程暁榕、鄭立剛
美術監督:潘婧
撮影監督:梁爽
3D監督:周冠旭
音響監督:皇貞季
音楽:孫玉鏡
制作会社:北京寒木春華動画技術有限公司
<日本語吹替版>音響監督:岩浪美和 音響制作:グロービジョン
キャスト:シャオヘイ・花澤香菜 ムゲン:宮野真守 フーシー・櫻井孝宏
予告編
オフィシャル・サイト(外部サイト)
公式X:@heicat_movie_jp
公開表記
配給:アニプレックス、チームジョイ
(オフィシャル素材提供)






