イベント・舞台挨拶

『旅と日々』前夜祭舞台挨拶

©2025『旅と日々』製作委員会

 登壇者:シム・ウンギョン、堤 真一、髙田万作、三宅 唱監督

 11月6日(木)、『旅と日々』の公開を目前にTOHOシネマズ シャンテにて前夜祭舞台挨拶を行った! ロカルノ、釜山、サン・セバスチャンをはじめ、各国映画祭を“旅”してきた本作がついに日本公開を迎えるにあたり、主演のシム・ウンギョン、共演の堤 真一、髙田万作、そして三宅 唱監督が登壇した。

「堤さんとの共演も大きな支えになった」(シム)

 満席となった観客から大きな拍手で迎えられた三宅 唱監督と主要キャストの3人。「今日のお客さんは超重要! 楽しんで帰ってほしい」と開口一番、話したのは三宅監督。

 主演の‟李(イ)”を演じたシム・ウンギョンも、「今年の頭ごろ撮影しまして、まだ公開される実感がないのですが、観客の皆さんがどうご覧になるのかとても楽しみ」とドキドキしながらも期待でいっぱいの感想を語った。

 ちなみにシムは以前、‟べん造”を演じた堤と舞台で共演したことがあるとのこと。堤はその頃を振り返って、「全然変わらないのよシムちゃん。僕は確実にジジイになっているけど……」とおどけてみせると、シムは「舞台の時、私はいろいろと未熟でしたが、堤さんのことを見習うことが多かったので、三宅監督の作品でこうやって面白い役で共演できてとても嬉しかったです! 撮影の前には緊張しちゃうんじゃないかな?とも思ったんですが、それもなぜかなくなったことがとても不思議でした。堤さんの存在は、私にとってとても大きな支えでした」と感謝の気持ちを話した。

 今回、重要な役どころの‟夏男”役に抜擢された髙田万作が、‟渚”役の河合優実との共演について尋ねられ、「すごくエネルギッシュでパワーのある役者さんなので、ぼくの存在がなくなってしまうのでは……」と不安な気持ちを素直に打ち明けると、それを打ち消すように大きな声で三宅監督が「全く問題ないですよ! 彼はたぶんきっと近い将来、『俺あの時、髙田万作の舞台挨拶見てるよ』といえるような存在になる。そのくらい素晴らしい仕事をしたと思います」と大絶賛。これには髙田も恐縮しきりだった。

「世界各国の映画祭でもユーモア伝わり嬉しい!」(三宅)

 最高賞である金豹賞を受賞したロカルノをはじめ、釜山、サン・セバスチャンと各国の映画祭で印象に残った観客の反応を尋ねられた三宅監督は、「共通して言えるのは、ちゃんと笑ってもらっているということ。この映画はふざけたことは何もしてないけど、登場人物に愛着を持ってくれているから、きっとリラックスして笑い声が上がっている。俳優たちや登場人物の魅力っていうものが、どの街でも伝わったかなという思います」と語った。シムが「釜山での上映ではみんな爆笑していて、びっくりしました」と話すと、三宅監督が「堅苦しくない映画だとは思うので。笑うか笑わないかはお客さん次第です。でも、今日、お仕事終わりの方もいらっしゃるといますが、その疲れがちょっとでもほぐれたら嬉しいなと思います」と、作品を通して観客にリラックスしてもらいたいと自信を持って語った。『旅と日々』は撮影現場も、リラックスした空気が流れていたと想像できるエピソードも。山形ではなんと移動の車の横をずっとタヌキが並走していたことがあったと明かされ、「ねぇ監督、タヌキ見た?」と嬉しそうに語る堤を見て、「中学生の男の子かよ!」と感じたという三宅監督。さらに、髙田は撮影中、三宅監督と河合と3人で楽しく語らい、夜更かしをした翌日、「明日も早いから、寝坊しちゃダメだよ!」と釘を刺して帰宅した三宅監督本人が、まさかの翌朝寝坊……というエピソードをバラしてしまい、それに対しては三宅監督も「その節は失礼しました……」と恐縮しきりだった。監督と俳優が、高いレベルで仕事をしながらも、常にユーモアを大切にして現場に臨んでいたことが伺え、満席となった場内の観客も終始、クスクスと笑い声が漏れていた。さらに釜山国際映画祭、プレミア舞台挨拶(10月22日実施)、本日と本作で人生3度目の舞台挨拶となった髙田から「どうやったら緊張せずにいられるのか?」との質問がシムと堤に向けられると「私も教えてください」と堤にシムが問いかけ、堤が「俺も知りたいです」と監督に問いかけ、「俺かよ!」と監督が慌てる場面も。

「奇跡のような素晴らしい映像にびっくり」(堤)
「みなさんの人生に重なる映画」(髙田)

 最後に一言ずつ、観客へのメッセージを求められると、三宅監督は「肩の力を抜いてゆっくり楽しんでください。そして、原作となったつげ義春さんのマンガもぜひ読んでもらいたいです。そして、マンガを読んだら、もう1回、映画館に戻ってきてくれたら嬉しい」と語ると、堤も「本当にいい映画に参加させていただいたなって心から思っています。出来上がりを見た時、監督のカット割から情景の捉え方とか、本当にびっくりしたし、『これ、奇跡だよ……』っていうような映像があったりとか。間合いもすごく素敵だから、皆さんじっくりと味わってほしい」と熱く語った。髙田は「この映画は皆さんの人生とすごく重なる部分があると思います。夏と冬という対照的な季節をぜひ楽しんでいただけたら」と話し、シムは、「この映画を通して、映画がなぜ存在するのかについて、皆さんと共有したいし考えたいです」と誠実に話してトークを締めくくり、忙しない毎日を生きる人々にこそ観て頂きたいデトックス映画らしく、ゆるく笑いの絶えない舞台挨拶となった。

© 2025『旅と日々』製作委員会
公開表記

 配給:ビターズ・エンド
 11月7日(金) TOHOシネマズ シャンテ、テアトル新宿ほか全国ロードショー

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