
登壇者:細田 守監督、神木隆之介、井上伸一郎(フェスティバル・ディレクター)
愛知県名古屋市で「第1回あいち・なごやインターナショナル・アニメーション・フィルム・フェスティバル」(通称ANIAFF)がついに2025年12月12日に華々しく開幕した!
この度、映画祭の目玉のひとつである特集上映部門のディレクター・フォーカスでは、最新作『果てしなきスカーレット』も大ヒット中、話題騒然の細田 守監督を特集し、細田監督自身が上映会場にてトークセッションを行った。さらに、サプライズゲストとして、神木隆之介も登場! 『サマーウォーズ』以来という二人から、当時の思い出のトークなどが繰り広げられた。
上映を終えた後、万雷の拍手に迎えられながら井上伸一郎フェスティバル・ディレクターと細田 守監督が登場。新たに誕生した映画祭ANIAFFについて、これまでアヌシー国際アニメーション映画祭やザグレブ国際アニメーション映画祭などのアニメ映画祭だけでなくカンヌ国際映画祭やベルリン国際映画祭などの映画祭にも参加してきた細田監督は「映画祭と街が一体になって盛り上がるというものをたくさん見てきましたが、日本の映画祭は商業的な部分が大きくて、街との一体感が感じられなかった。そんな中についにこの愛知県で新たに映画祭が誕生したというのがとても素晴らしいことだと思います。アヌシーに行かずしても、アニメーション映画祭の楽しさ、面白さを日本の皆さんが感じてくださるっていうのは、非常に意義深いことだと思います」と新たな映画祭の誕生を喜んだ。
公開から16年経っても今なお愛されている『サマーウォーズ』について、「そもそもインターネットの世界は今ではこんなに自分たちの生活に身近になっていますが、この映画が公開された2009年当時は良い面と悪い面が出てくるっていうことがまだない時代の牧歌的な世界というか、 私自身もまだインターネットの世界にすごく希望を持って描くことができた時代の、非常に大らかで明るい、すごく健全な作品だなというふうに自分でも思いますね」と改めて今ならではの想いを明かした。
その中でも特に印象的な存在である陣内家の当主としてみんなの中心人物でもある栄おばあちゃんのモデルが実は自身の祖母であることを明かした細田監督は「橋本カツヨっていうんですよ。実は昔僕はペンネームで使っていたのがおばあちゃんの名前だったんです。カツヨおばあちゃんはまさに栄おばあちゃんみたいな人でした」と明かした。
ここで、さらにシークレットゲストとして『サマーウォーズ』で主人公・小磯健二を演じた神木隆之介が花束を抱えてサプライズ登場! 思わず細田監督も「大きくなったね!」と久しぶりの再会を喜びながら花束を受け取ると、公開当日16歳だった神木も「32歳になりました。16×2で倍の年齢になってしまいました」と苦笑い。「でもその当時の眩しさっていうか、神木くんの素敵さって今も全然変わってない」と細田は神木の魅力をたたえた。

当時は声変りを迎えてすぐだったという神木は、初めて声優として主人公役に抜擢されたことについて「嬉しかったですね。純粋に嬉しかった気持ちと、自分が高校生になったばかりで、いろんなことに挑戦したいなって思っていた時期だったので、初めてのことがいっぱいあって本当にただただ嬉しかったです」と明かしつつ、「声優さんたちと一緒に1本のマイクを4、5人で順番に台本を持って、しゃべったらすっと引くっていうのが初めての経験だったので、そこが一番難しかったですね。やはり声優さんたちってすごいじゃないですか。なので足をなるべく引っ張らないように頑張りました」と当時の苦労を明かした。
久しぶりに顔を合わせたことで懐かしさがこみ上げてきたという細田監督は印象的だったシーンを聞かれると「もうどのシーンも印象的なんですが、前半で丸いちゃぶ台の周りを走り回ってリモコンを奪い合うっていうコミカルなシーンがあるんです。アニメーターの方が非常にクオリティ高く、とてもいい動きを作ってくれたんですが、そこに神木くんが健二としてテンションを合わせながら、何回もやる度にどんどん上手くなって作画に近づいていく感じが、どんどん自分のものにしていくんだな、すごいなって思ったのを思い出しますね」と懐かしんだ。
作品が長年愛されていることについて神木は「本当に長いことこの作品を愛していただいて、嬉しい気持ちでいっぱいですし、キャストの1人として嬉しい気持ちと、そして観客の1人としてもすごく嬉しい気持ちでいっぱいです。今後もこの作品を愛していただけたらなと思っております」と感謝を述べると、ここでさらに、『サマーウォーズ』でおなじみのセリフ「よろしくお願いしまぁぁぁす!」を生披露!!大 絶叫に観客から大きな拍手が送られると、照れながらも笑顔を見せていた。
最後に細田監督は「作っている最中はもう精一杯で、作品のこと以外を考えられないんですが、まさかこうして何年も経ってこの作品のことを話すなんて思いもよりませんでした。こういうことも含めて、本当に幸運だなと思いますし、映画の魅力、アニメーションの魅力なんだと思います。それを感じさせてくれた今日の観客の皆さんにも御礼を言いたいと思います」と感謝をして、イベントは大盛況のうちに幕を閉じた。
第1回あいち・なごやインターナショナル・アニメーション・フィルム・フェスティバル概要

名称:あいち・なごやインターナショナル・アニメーション・フィルム・フェスティバル
英語表記:Aichi Nagoya International Animation Film Festival
会期:2025年12月12日(金)~17日(水)
主催:あいち・なごやインターナショナル・アニメーション・フィルム・フェスティバル実行委員会
ジェネラル・プロデューサー:真木太郎
フェスティバル・ディレクター:井上伸一郎
アーティスティック・ディレクター:数土直志
企画・制作:株式会社ジェンコ
共催:愛知県・名古屋市
協力:中日本興業株式会社、株式会社東急レクリエーション、株式会社新東通信、学校法人 日本教育財団名古屋モード学園・HAL名古屋、animate、BVコミュニケーションズ株式会社
協賛:アンスティチュ・フランセ、アルプスアルパイン株式会社
特別協力:ASIFA-Hollywood、Women in Animation
会場:ミッドランドスクエア シネマ、ミッドランドスクエア シネマ2、109シネマズ名古屋を中核とした上映施設、名古屋コンベンションホール、ウインクあいち 5カ所を予定
(オフィシャル素材提供)





