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『アバウトアス・バット・ノット・アバウトアス』著名人からの賞賛コメント到着!

©The IDEAfirst Company, Octobertrain Films, Quantum Films

 映画『アバウトアス ・バット・ノット・アバウトアス 』が、いよいよ1月17日(土)よりシアター・イメージフォーラムほかにて公開を迎える。
 孤独な文学教授と若き作家志望の青年が、亡き恋人の秘密を巡って繰り広げる、ワンシチュエーション・ノンストップな90分間の会話劇『アバウトアス・バット・ノット・アバウトアス』がいよいよ日本初公開。

 『ダイ・ビューティフル』(2016)で東京国際映画祭の観客賞と最優秀男優賞の2冠を制したジュン・ロブレス・ラナが監督・脚本を手掛けた本作は、発表するやいなや国内外の映画祭で20冠近くに輝き、フィリピンでは舞台化も決定しています。「死」をトリガーに「生」と「性」に鋭くメスを入れ、現代フィリピンの病巣と愛憎を描いた《都会派・新感覚・会話劇》が誕生した。愛する人との別れ、LGBTQ+、性加害、SNS世代の危うさなど様々なテーマがウィットたっぷりに盛り込まれた洗練されたプロットは、良質の短編小説のごときカタルシスをお楽しみいただける。

 大ヒット・ドラマ『ゲームボーイズ』で日本でも人気を博した若手演技派イライジャ・カンラスが小悪魔な美青年を、フィリピンのベテラン俳優ロムニック・サルメンタが傷心の教授を演じた。1卓のテーブルのみという超ミニマルなセットを舞台に、目に見えないものも描き出す二人の洒脱な会話劇が幕を開ける。

 今回、本作の公開に併せて、多くの著名人の方々より作品へ称賛のコメントが届いた。

コメント

石坂健治(東京国際映画祭シニア・プログラマー/日本映画大学教授)
 文学部の教授と学生。男二人の食卓のスモールトークが、やがて心の闇に潜む悪魔的なサイコ・スリラーへと変貌していく。しかもひたすら静かな会話の往き来だけで。
 会話の中には才人ジュン・ロブレス・ラナのいつものテーマ――『ブワカウ』『ダイ・ビューティフル』に続くジェンダー論や、『ある理髪師の物語』を思わせるフィリピン論――がしっかりと刻印されている。
 フィリピンという場を超えた普遍的な物語だが、実はフィリピンでしかあり得ない物語でもあるという両義性に唸った。加えて、コロナ禍での制作の不自由を逆手にとった舞台設定と構成の見事なこと。紛れもない傑作!

岩崎う大(かもめんたる / お笑い芸人、脚本家)
 エンタメとは、根源を辿っていくと他人のことを知りたいという下世話な欲求だと僕は信じている。そして、その最新の地点がこの魅力的な映画であるように思える。この映画で、年の離れた男性二人が繰り広げる会話は、とても現代的で、2020年代でしかあり得ないものだ。その秘密の話を特等席で聞くどころか、余すところなく観られるのは、素晴らしいエンタメ的体験だった。登場人物の二人には申し訳ないけれど。

増田セバスチャン(アーティスト)
 誰でも、隣の人の会話をつい聞いてしまったことはないだろうか?
 よくよく聞くと、二人は友達以上の関係で、かといって単なる教師と教え子でもなくて、話が良からぬ方向へ展開して……。
 それが、聞けば聞くほど「知らなくてもよかった」と思うような会話だったとしても?
 言葉のかけ引き。
 じりじりと八方塞がりに追い込まれる記憶の断片。
 果たして、それは最後まで聞いてしまっていいのだろうか?

南Q太(漫画家)
 遠い昔の同級生と当時のことを振り返って話していたら、同じ人物に対する印象が、ふたりのあいだでずいぶんと乖離していて驚いたことがある。
 愛するパートナーを亡くした男と、憧れの師を亡くした男、ふたりの会話から浮かび上がる、姿のない第三の男。この会話劇にはちょっと変わった装置があって、そこがとてもかっこいい。記憶の中の男の姿はくるくると変わる。理解していたはずの、大切な人の姿が思いもかけず変わっていくのはとても恐ろしいことだ。

ケラリーノ・サンドロヴィッチ(劇作家・音楽家)
 2020年に世界に蔓延したウィルスが、落ち付きを見せ始めた頃だろうか。ダフト・パンクは解散しているらしいから、2022年か、23年だろう。
 ふたりの主人公が、真っ昼間の、たいして美味そうにないレストランで、延々会話してるだけの映画である。なのにすこぶる面白く、まったく飽きない。言ってみれば演劇的な設えなのだが、演劇ですら、ここまで物理的な動きを封じたものをやるには、なかなかの勇気がいる。もちろん、心理的な動きは満載で、それが全てと言ってもよい。
 昔、私がファミレスで仕事をしていた頃、隣席に訳アリの客たちが来ると、店員に頼んで席を移動させてもらったことを思い出した。隣にいると、彼ら彼女らのやりとりに聞き入ってしまい、とても仕事にならないからだ。入店時に気取った関係に見えれば見えるほど、虚飾の剥げ具合が面白かった。そんなことを思い出した。”

児玉美月(映画批評家)
 この映画のクィアな登場人物たちは皆、表の顔と裏の顔、善と悪が共存した多面的で複雑な人間として造形されている。
 それは、これまで映画が構築してきた「模範的なクィア表象」への異議申し立てでもあるのかもしれない。

青野賢一(文筆家/選曲家)
 エリック(ロムニック・サルメンタ)とランス(イライジャ・カンラス)、ふたりの対話からそれぞれが見ていたエリックの恋人であるマルコスの姿をあぶり出し、認識の相違や真実と思っていることの脆さを明らかにしながら、ホラーともいえそうなグロテスクな展開へとなだれ込む本作。その序盤にはダフト・パンクにまつわるエピソードが配置されている。極めて自然に作品とリンクする示唆に富んだ話題を挿入していることにわたしはすっかり感心してしまった。”

あんこ(映画大好き芸人)
 セットはレストランのテーブルだけ。登場人物は2人。大掛かりな爆破シーンも、圧倒されるCGもいらない。見事な脚本と俳優という素材を活かしたこの映画に、舌鼓を打つ!
 会話の中に潜む真実と偽り、複雑に絡み合うテーマ。小説を読んでいるかのごとくこちらの想像をかきたてる演出にやられた!
 ダフトパンクで盛り上がっていた2人が、想像もしなかった変貌を遂げる巧みさにも唸る。
 レストランで繰り広げられる極上の会話劇のフルコース、とくとご堪能あれ。鑑賞後は余韻のデザートもついてきますよ……!

山本博之(京都大学東南アジア地域研究研究所准教授)
 ”誰が誰を映し、誰が誰に見られていたのか――その問いを抱えたまま、他の観客と語り合いたくなる。きっとこの映画は、人生の節目にふと立ち戻るたびに、新しい表情を見せてくれるだろう。静かに、しかし確かに広がり続ける余韻をもった作品である。

公開表記

 配給:サムワンズガーデン
 2026年1月17日(土) シアター・イメージフォーラム他にて全国順次公開

(オフィシャル素材提供)

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