イベント・舞台挨拶

『フロントライン』ジャパンプレミア

© 2025「フロントライン」製作委員会

 登壇者:小栗 旬、松坂桃李、池松壮亮、窪塚洋介、森 七菜、桜井ユキ、関根光才監督

 映画『フロントライン』のジャパンプレミアが都内で行われ、舞台挨拶に、小栗 旬、松坂桃李、池松壮亮、窪塚洋介、桜井ユキ、森 七菜、関根光才監督が出席してクロストークを行った。

 本作は、2019年12月に中国の湖北省武漢市で発生が確認され、世界的流行(パンデミック)を引き起こした新型コロナウイルスの事実に基づく物語。日本で初めて新型コロナウイルスの集団感染が発生した豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」での実話を基に、オリジナル脚本で映画化した。「命」を救うことを最優先にした未知のウイルスに最前線で立ち向かった医師や看護師、船の従業員たちのたちの命懸けの闘いが描かれる。

 未知のウイルスに立ち向かう災害派遣医療チームのDMAT(ディーマット/Disaster Medical Assistance Team)の指揮官・結城英晴役を演じた小栗は、客席に向かって「今日は来ていただいてありがとうございます。胸を張って皆さんにお届けできる作品になりました。自分にとっても、かなりの自信作です」と力強く語った。

 小栗は「僕自身は、ダイヤモンド・プリンセス号のニュースを聞いたとき、海外にいたんです。緊急事態宣言よりも厳しいロックダウンの状況下で過ごして、不安の中にいました」と当時を振り返った。また、役作りについて「モデルとなっている医療従事者の皆さんが経験したことや、当時一番大切にされていたことを表現したかった。モデルとなった先生はいましたが、実在した人物になる。というよりは、その人が体験したことを、自分のなかに落とし込んでしっかり表現していくことを意識しました。全員が主役。みんなが主役の映画が完成したことが嬉しい」と、本作に込めた思いを噛みしめた。劇中のモデルとなった多くの医療関係者たちには感謝の言葉を伝えた。

 厚生労働省から派遣された役人・立松信貴役を演じた松坂は、対策本部で小栗が演じる結城とぶつかり合う役どころ。「官僚は、批判はされるけど、評価されにくい仕事です。それでも状況を俯瞰しながら、いろんなプロセスを踏んで、いろんなジャッジを下した厚労省の皆さんの向き合い方を提示したかったので、大切に演じました」と話す。

 劇中、東日本大震災でも結城と共に活動した過去を持つ仙道行義役を演じた窪塚は、まず「この場を借りて、(作品に)誘ってくれた旬、ありがとう!」と小栗に感謝を伝えた。(小栗と窪塚はドラマ「GTO」以来26年振りの共演となる)

 「名もなきヒーローたちが、命を懸けて世界を支えてくれている。完成した作品を観て涙が止まらないシーンが、たくさんありました。人道的に大事にすべきことが出てきます。かけがえの無い、取り返せない時間が今から生きてゆく力になる作品です」と溢れる思いを伝えた。

 DMAT隊員・真田春人役を演じた池松は「ダイナミックさと人間ドラマが見事に調和している作品。真実を伝えると同時に、信念と献身の物語。現場にはDMATの人が来てくださって、なんでも聞ける状況を作っていただけたことが助けになりました。医療従事者の皆さんに捧げられるような役にしたかった」としみじみ。池松はコロナ発生当時、横浜に行く機会があり、実際の船を見たことを告白。「静かな海で、優雅にキラキラしていたなぁ、と。船内の状況とその光景のギャップに感情が追いついていかなかった」と話した。

 船内のクルー・羽鳥寛子役を演じた森は「今日を迎えることができて、とても嬉しいです。この作品を作るために惜しまず協力してくれた方々や、私を羽鳥(役)として選んで方に感謝します。役のモデルとなった方から『私たちの仕事は、お客様が下船する際にいつも通りの笑顔で帰ってもらうことです』というお話しを聞きました。全ての人に対するリスペクトを忘れないことを意識しました」とコメント。

 実在の人物では無いが、テレビ記者の上野舞衣役を演じた桜井は「作品を観終わったあと、立てないくらい圧倒されました」と話した。「命がけで試行錯誤するシーンに気持ちが引っ張られてしまいました。上野の立場としての気持ちの落としどころがとても難しかったです。報道マンとしての正義、真実を届ける側の気持ちの揺らぎを大切に演じたかった」と苦労を吐露していた。

 メガホンを取った関根監督は「2年くらい前に企画を立ち上げました。素晴らしいキャストに恵まれました。ここまで来られるとは想像できなかった……。皆さんに感謝しています」とキャスト陣に感謝を伝える。そして、「事実がフィクションを凌駕するという時代に我々は生きている」と話し、「この映画には『これも事実です』と次々とふたを開けていくようにシーンが描かれていきます。事実を曲げず、“演出だと気づかれず演出する”ということを大切にしていました。事実を曲げないで伝える――。モデルはいるけれど皆さんが皆さんでその場に立っている気持ちを大切にしたいと考えました」と話した。

 小栗は「いまも傷ついている人たちがいる。その意味で、誰か特定の目線で作るわけにはいかない」というコンセプトを関根監督と常に現場で確認しながら撮影に臨んだことを明かした。

 本作は多くの試写会を行い、多くの著名人が足を運んだという。小栗は「友人や仕事仲間からはしっかりした感想をもらいました。改めて素晴らしい作品ができたんだなあと思っています」としみじみ。窪塚は「たくさん試写会を行い、多くの方を招待することができました。『世界中の人に見せるべきだ』と熱い気持ちを送ってくれました。みんなが5年前に同じ体験をしていることが、大きいんだなと思います。日本中、世界中の人が観るべきだし、世界が変わるんじゃないかと思える映画に参加できたことを誇りに思います」と熱弁した。

 (取材・文・写真:福住佐知子)

公開表記

 配給:ワーナー・ブラザース映画
 6月13日(金) 全国公開

(オフィシャル素材提供)

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