イベント・舞台挨拶

映画『ルノワール』ジャパンプレミア

© 2024『RENOIR』製作委員会/Ici et Là Productions/ARTE France Cinema/Akanga Film Asia/ Nathan Studios/KawanKawan Media/Daluyong Studios

 登壇者:鈴木 唯、石田ひかり、リリー・フランキー、中島 歩、河合優実、坂東龍汰、早川千絵(監督)

 第78回カンヌ国際映画祭で、最高賞パルムドールを争うコンペティション部門に出品された映画『ルノワール』ジャパンプレミアイべントが都内で行われ、舞台挨拶に主演の鈴木 唯、共演のリリー・フランキー、石田ひかり、河合優美、中島 歩、坂東龍汰とメガホンを取った早川千絵監督が出席してクロストークを行った。

 本作は、22年に長編初監督作『PLAN 75』で、カンヌ国際映画祭のある視点部門カメラドール(新人監督)にエントリーし、特別賞を受賞した早川千絵監督の最新作。80年代後半の夏、闘病中の父と、仕事に追われる母と暮らす11歳の少女・フキの物語。大人の世界をのぞき、人々の心の痛みに触れていくフキのひと夏が描かれる。

 鈴木は映画祭が選ぶ「注目すべき10人の才能」にも選出された。劇中、鈴木が見せる、真っ直ぐに大人を見つめる視線や瑞々しい演技が印象的な作品。キャスト陣も充実しており、彼らの演技に心奪われる。

 フキを演じた鈴木は、オーディションで主演に抜てきされ、初めての舞台挨拶。レッドカーペットを歩いた感想を聞かれると、「感無量です!」と緊張気味に挨拶。初めての経験に「ワクワクドキドキが止まらない。うれしくて楽しかった。一生の思い出になると思います」と少女らしい笑顔があふれた。

 闘病中の父・圭司役を演じたにリリー・フランキーは、撮影当時より身長がのびた鈴木を優しく見つめ、「ほんとにすごいよ!」と鈴木の瑞々しい演技を大絶賛。「でも、注目されるのって大変だよ。グレれたりしないでね」とアドバイスも。鈴木は「グレたりしませんよ~」と大きな笑顔で返す。リリーは「俺は(カンヌの)レッド・カーペットを3回歩いているけれど、誰も注目してくれない……」とちょっとすねる場面も。

 仕事に追われるフキの母・詩子役を演じた石田は「唯ちゃん、本当にうれしかったよね! とっても楽しそうだった」と母親目線で話す。石田は4月に出演のオファーを受け、レッド・カーペットまでを振り返り、「ずっと夢心地で、今でも余韻の中にいます。この映画が世界の方々と気持ちを共有できることが素晴らしい」と満面の笑み。

 リリーは、カンヌ国際映画祭の審査委員長を務めたジュリエット・ビノシュと遭遇したときのことを思い出し、「ビノシュさんがランチに来たんです。鈴木がトコトコトコって歩いて、ビノシュさんに質問したんですよ。僕もお近づきになろうって、ついていきました(笑)」と話し出す。

 鈴木は「そんなすごい女優さんだと思ってなくて……。演技について質問したら、『演技は、ただそこにいるだけというのが大事。五感だけでなくて、第六感、七感を作れるといいですね』とアドバイスをいただきました。それと『あんまり練習しすぎるのはよくない』と教えてくれました」とアドバイスを受けた当時を振り返る。

 リリーと一緒に鈴木について行ったという石田も「ビノシュさんは、『観察して、観察して、学んで、学んで、削ぎ落とすことが大事』と真剣に答えてくださいました」と話した。

 映画『PLAN 75』に続いて、早川組参加となった河合は「唯ちゃんのありのままの自由な姿、縛られない姿が印象的でした。本読みでも、思ったことを率直に言ってくれて、普段からシンプルに過ごしていいんだなって、勉強になりました」と話す。

 そんな河合に、鈴木は「河合さんは、演技がすごく上手で、憧れの目線で見ていました。繊細で、淡い水彩画のようで、すごく惹かれる演技で――。見習いたいなって思いました」と一気に話す。

 河合は「そんな(淡い水彩画のように感じる)気持ちをそのまま、育ててほしいですね」と伝えた。

 また、鈴木が、河合も出演しているNHK連続テレビ小説「あんぱん」を観ていることを明かすと、リリーが「あの人も出てるよ!」と中島を指差し、中島は「さっき褒めてくれました(笑)」とうれしそうに話した。

 また、中島は「暑かった!」と岐阜の撮影現場を振り返る。

 坂東も「本当に暑くて……」と同調し、「唯ちゃんは、早口ことばを生み出す天才で、たくさん作ってくれました。『サバさばくサバ』とか『右目、耳毛、右目』みたいな……」と鈴木の意外な才能を明かし、会場に笑いを誘っていた。

 早川監督は、撮影現場の鈴木について、「フキの撮影をしようと思うと、フキがいない。どこに行ったんだろう?と探したらお風呂の中に隠れてたり……(笑)。唯ちゃんが本当に自然体でいたので、楽しかったですね」と等身大だったという現場の鈴木について話した。

 そして、早川監督は「皆さんがどういうふうにこの映画を感じてくださるのか、とても楽しみです!」と今後の評価に期待を寄せた。

 (取材・文・写真:福住佐知子)

公開表記

 製作幹事・配給:ハピネットファントム・スタジオ
 6月20日(金)より全国ロードショー

関連作品

スポンサーリンク
シェアする
サイト 管理者をフォローする
Translate »
タイトルとURLをコピーしました