
横浜聡子監督最新作の映画『海辺へ行く道』が8月29日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿ピカデリーほか全国公開となる。この度、主人公・奏介と彼に関わる少しおかしな大人たちの動画を一挙に集めた特別動画が解禁された。また、俳優・池松壮亮氏らからの応援コメントも到着した。
予期せぬ出来事と出会う人生の幸福を陽気なユーモアと想像力で描く、
すべての登場人物が愛おしい、ちょっとおかしな人生讃歌!
映画『海辺へ行く道』の脚本・監督は、『ジャーマン+雨』『ウルトラミラクルラブストーリー』『俳優 亀岡拓次』『いとみち』でその度ごとに話題を巻き起こして来た、横浜聡子。最新作は、知る人ぞ知る孤高の漫画家・三好 銀の晩年の傑作「海辺へ行く道」シリーズをまさかの映画化。主演をつとめるは、約800人のオーディションを経て主演を射止めた15歳の俳優・原田琥之佑。麻生久美子、高良健吾、唐田えりか、剛力彩芽、菅原小春、諏訪敦彦、村上 淳、宮藤官九郎、坂井真紀ら個性豊かな大人たちに加え、蒼井 旬、中須翔真、山﨑七海、新津ちせなど、実力派の若手俳優たちが見事集結。さらに、さまざまなシーンから熱烈な支持を受ける至高のラップトリオDos Monosのフロントマン荘子itが、初の映画音楽を担当。
本作は、第75回ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門Kplusにて正式上映され、特別表彰を獲得した。また、今年で6回目を迎える日本最大級の芸術祭・瀬戸内国際芸術祭2025への参加も決定。映画ながら、現代アート作品のひとつとして芸術祭に参加する稀有な作品となった。なお、同芸術祭での映画の参加は本作が初となる。
この度、解禁されたのは、主人公・奏介と奏介を取り囲む少しおかしな大人たちそれぞれが個性たっぷりに表現され、本作の世界観がより一層伝わるキャラクター動画を一挙に集めた特別動画。キャラクターたちの魅力が一瞬であふれ出す印象的なシーンが盛り沢山に収められている。
【予感編】は、いろんな人にいろんな事を頼まれがちな中学二年生の美術部員・奏介(原田琥之佑)、奏介と一緒に暮らす寿美子(麻生久美子)、妙な関西弁を使う包丁売りの高岡(高良健吾)、高岡の恋人でパリへ行きたいヨーコ(唐田えりか)の4名。次々と依頼が舞い込む様子や一緒にものづくりをしている先輩・テルオのアトリエに出向いたり、学校で大きな絵を描いている奏介をはじめ、家で飼っている黒猫の行方が気になる寿美子や小さな魚を華麗に捌く高岡、“わたし、宇宙へ帰るとこ”と立花に金魚を預かって欲しいと手渡すヨーコと各々の個性が際立つ。

また、【自由編】は、街の不動産屋でアーティストや移住希望者へ住居を案内する理沙子(剛力彩芽)、アーティストから借金を回収しに街に戻ってきたメグ(菅原小春)、いつも海からランチを食べにやってくる五郎(宮藤官九郎)、海辺でランチ販売をしている静香(坂井真紀)の4名。思わずクスっと笑ってしまうユーモアを感じさせてくれる。

また、劇場公開を前に本作を鑑賞した著名人からの応援コメントも到着! 俳優の池松壮亮氏は「横浜聡子作品が優しい寄り添いと共に、消えることのない深い余韻をまた残してくれた。驚きや可笑しみや、創造することが日常の隣にあるこの街では、不思議なことや、魔法のような出来事が日々起こる。アートとは何かという問いに現代からの答えは無いが、ここには神秘的な出会いや喜びが溢れている。この街の誰でもないところからの眺めは、わたしたちを純粋で豊かで、生き生きとした場所へと誘ってくれる」と、先日、横浜聡子監督が参加した瀬戸内国際芸術祭の総合ディレクターを務める北川フラム氏からは「真っ青な空と海を背景に、若者の感覚が交錯するやわらかな展開に、こちらの日常性が揺らいだ。不思議さ、感応、包摂、循環、浸透、ズレ……。発生期の美術が立ち向かう混沌と断絶の現代社会を爽やかに流れゆく、映画ならではの透明な気持ちの良さ。横浜聡子は断絶の時代のメルヘンを描いた」と絶賛。原作の著者・三好 銀とも交流があった漫画家のやまだないと氏は「白黒の三好さんのあの海辺の街に色がつくと、きっとこんな風景だったんだな。無表情なようでいて、みんなこっそり日々のすみっこのできごとににんやりしてる。ひっそり明日を楽しみにしてる。吉祥寺でもかかるんだって,三好さん。あ、照れてますね?」とコメントを寄せた。アーティストの長場 雄氏からは、奏介とメグの姿を捉えた劇中のワンシーンを描き下ろしイラストが届いた。

そして、ベルリン国際映画祭への出品を皮切りに、TIFFネクスト・ウェーブ映画祭、アジアン・フィルム・アーカイブ、台北映画祭、カラコルム国際映画祭でも上映されてきた本作。今後も、アジアン・シネラマ(香港)2025、アジアティスカ映画祭、カルガリー国際映画祭、なら国際映画祭、サンパウロ国際映画祭、バルセロナアジアン映画祭と国内外の映画祭への出品が決定している。
コメント
池松壮亮(俳優)
横浜聡子作品が優しい寄り添いと共に、消えることのない深い余韻をまた残してくれた。
驚きや可笑しみや、創造することが日常の隣にあるこの街では、不思議なことや、魔法のような出来事が日々起こる。
アートとは何かという問いに現代からの答えは無いが、ここには神秘的な出会いや喜びが溢れている。
この街の誰でもないところからの眺めは、わたしたちを純粋で豊かで、生き生きとした場所へと誘ってくれる。
北川フラム(アートディレクター)
真っ青な空と海を背景に、若者の感覚が交錯するやわらかな展開に、こちらの日常性が揺らいだ。
不思議さ、感応、包摂、循環、浸透、ズレ……。
発生期の美術が立ち向かう混沌と断絶の現代社会を爽やかに流れゆく、映画ならではの透明な気持ちの良さ。
横浜聡子は断絶の時代のメルヘンを描いた。
やまだないと(友人・漫画家)
白黒の三好さんのあの海辺の街に色がつくと、きっとこんな風景だったんだな。
無表情なようでいて、みんなこっそり日々のすみっこのできごとににんやりしてる。
ひっそり明日を楽しみにしてる。
吉祥寺でもかかるんだって,三好さん。あ、照れてますね?
トミヤマユキコ(マンガ研究者/白百合女子大学准教授)
三好 銀のマンガを読んだ後に感じる、夢と現実のあわいをふわふわ心地よく漂う感覚を、この映画からも感じることができた。横浜監督が原作を全力で愛しつつ、しかし、ただマンガをなぞって終わりにならないよう、じっくり丁寧に映像へと昇華してくれたことが伝わってきて、わたしまでうれしい気持ちになった。
へんてこで、かわいくて、どこにも似ていないこの街に、わたしもいつか行けたらいいのに。
宮代大嗣(映画評論)
横浜監督のフィルモグラフィー上、もっとも大きなスケールと未来への視野を持った傑作!
この道はどこへ続いていくのか?
自分の選んだ道は、果たして正しかったのだろうか?
この映画に吹く潮風の香りは、すべてを笑いとばしてくれる。ウソっぱちな言葉に救われる心を発見する。
思いがけないダンスに救われる体を発見する。
あなたがついてくれた小さなウソに、来世でも感謝したくなる。
伏見 瞬(批評家/ライター)
たくさんの魅力が混ざっている。
少年が新たな世界に出会う青春劇の魅力。うさんくさくて不思議な人々が織りなすコメディの魅力。
太陽と海の間で溢れる光の魅力。
そして、撮影と編集によって躍動を生み出すアクションの魅力。
魅力の混ざった柔らかいメレンゲの中で、アートと資本の関係が再定義されていく。
誰かを糾弾することなく、映画という形式への愛を持って表現と社会を捉え直した。
長く愛されるべき映画。
公開表記
配給:東京テアトル、ヨアケ
8.29(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿ピカデリーほか 全国ロードショー
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