イベント・舞台挨拶

『愚か者の身分』完成披露試写会イベント

© 2025映画「愚か者の身分」製作委員会

 登壇者:北村匠海、林 裕太、綾野 剛、永田 琴監督

 第30回釜山国際映画祭コンペティション部門に選出された映画『愚か者の身分』完成披露試写会イベントが都内で行われ、舞台挨拶に北村匠海、林 裕太、綾野 剛とメガホンを取った永田 琴監督が出席して作品についてクロストークを行なった。

 本作は、西尾 潤のデビュー小説で、第2回大藪春彦新人賞を受賞作した逃亡サスペンスを映画化。本作で、北村はSNSで女性を装い、身寄りのない男たちを利用して“戸籍売買”で稼ぐ主人公・タクヤ役を演じている。貧しさから闇ビジネスの世界に足を踏み入れてしまい、抜け出せなくなった3人の若者たちの運命と友情が描かれる。一年ほど前に撮影された。

 最初に、本作で釜山国際映画祭に参加した北村、林、綾野、永田監督の4人がレッドカーペットを歩いた時の模様が映し出された。北村は「釜山の初コンペに、まさか自分たちが立てるなんて……。初めての国際映画祭への参加で、感慨深かったです」と満面の笑みで挨拶。「軽やかで美しい映画です。過激で、残虐なシーンもありますが、最後まで見届けてくれたら嬉しいです」と作品をアピールした。

 劇中、タクヤを兄のように慕っているマモル役を演じた林は、「お客さんの感情の動きを生で体感できたのは貴重。映画祭の醍醐味だと思います」と興奮気味に話す。林は複雑な家庭環境で育ち、軽い気持ちで闇ビジネスに足を踏み入れてしまう男役を熱演。また、林は「匠海くんがそばにいてくれて、剛さんが見守ってくれて、永田監督やスタッフの皆さんが居場所をくれました」と感謝の言葉を伝える。

 綾野が「韓国の方は動きで感情を表してくれて嬉しかった」と話し、指でハートを作るポーズを披露すると客席からは「可愛い~!」の声が飛んだので綾野は大照れだった。綾野は、裏社会の運び屋で、かつてタクヤを“闇ビジネス”に誘い戸籍売買の仕事を教えた兄貴的存在の梶谷役を演じている。

 永田監督は「祝福されるなかでコンペティション部門に選ばれたことを実感して、世界が注目してくれたことが嬉しかった。3人共かっこよくて、一緒にレッドカーペットを歩けて誇らしかった」と大きな笑顔で話した。

 北村と綾野は今まで何度か共演しているが敵対する役が多く、アクション・シーンも多い。綾野が「普通に芝居の出来る役で共演したいねと言っていました」と話すと、北村は「闘うシーンばかりで、もう顔も見たくないと思うほど(苦笑)。今回は剛さんで良かったと思うシーンが詰まっていました」。北村は本作で繊細かつ大胆な演技を見せており、綾野との会話のやりとり、セリフや相槌を打つ場面など、みどころたっぷり。

 綾野は本作の北村について「匠海とのシーンは、人としてもシンパシーを感じていたので、声を聞くだけで通じるものがありました。(思い切り感情をぶつける)フルスイングの仕方が僕と近いなと感じました。共演していて安心感や信頼感がありました」と伝えた。

 林は、豪華キャストとの共演で、最初は「食らいつくつもりだった」と話し、「でも、実際には『一緒に闘おう』という姿勢でいてくれてたので、救われました」と話した。そんな林について綾野は「聡明で、純真で、何もまとっていないさまが良かった」と称賛していた。

 本作では、歌舞伎町でのリアル・ロケシーンが見どころの一つとなっている。夜中の1時スタートで刺激的な撮影が行われ、出演者たちのナチュラルな芝居に注目。綾野は「一人でも多くの人に観てもらいたい」と作品をアピール。

 フリップトークの場面があり、映画のキャッチコピー「生まれ変わるんだ。」にちなみ、「生まれ変わったら、何になりたいか?」との質問に、北村は「ヤドカリ」と回答。「役者はヤドカリ。きれいな貝を見つける、センスのいいヤドカリもいれば、無骨なヤドカリもいる。きれいな部屋を探したい」と熱っぽく話した。

 綾野は「言語」と書き、「日本語の魅力を世界に伝えたい。生まれ変わったら他の言語でも芝居がしてみたい」。陸上経験者の林の回答は、「世界一速く走りたい。どんな世界が見えるのか見てみたい」。もともと振付師だったという永田監督は「ダンサー」と答えていた。

 自分を愚か者だと思った瞬間について聞かれると、北村は「人はわりと愚かですよ」。綾野は「愚かさも美しい」とクールに答えていた。

 最後に、北村は「生きることに、いろんな角度から向き合いました。目を覆いたくなるシーンもありますが、苦しくても、必ず明日はあることをこの映画で感じてもらえれば……。皆さんの反応が楽しみです」とメッセージを送った。

 Netflixドラマ「今際の国のアリス」シリーズや「幽☆遊☆白書」などを手掛けたプロデューサー集団「THE SEVEN」が、初の劇場作品として映画化している。

 (取材・文・写真:福住佐知子)

公開表記

 配給:THE SEVEN ショウゲート
 2025年10月24日(金) 全国公開

 (オフィシャル素材提供)

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