イベント・舞台挨拶

『ひゃくえむ。』公開御礼舞台挨拶

©魚豊・講談社/「ひゃくえむ。」製作委員会

 登壇者:松坂桃李、染谷将太、岩井澤健治監督

 手塚治虫文化賞マンガ大賞を史上最年少受賞した新鋭・魚豊によるコミックをアニメーション映画化した劇場アニメ『ひゃくえむ。』が絶賛公開中! 9月30日にはTOHO シネマズ日比谷にて公開御礼舞台挨拶が実施され、W主演を務めた松坂桃李、染谷将太、そして岩井澤健治監督が登壇した。

 平日にも関わらず満員御礼で迎えたこの日。生まれつき足が速い「才能型」の主人公・トガシを務めた松坂は「僕の周りでも陸上をやっていない人でも観に行ってくださって、熱量あるメッセージをくれました。実写を観ているような感覚にも陥ったと言っていたのも印象的でした」と反響を実感。もう一人の主人公で「努力型」のスプリンター・小宮役の染谷は、公開後に家族で鑑賞し「上映後に『面白かった』と言葉に出してくださる方々が多くて素直に嬉しくて。喜びを噛みしめました」と手応え。岩井澤監督は「お子さんと観に行った方で、上映後に子どもがクラウチング・スタートして走り出したというコメントがあったりして、それだけ広い方に響いた映画になったんだと嬉しかった。思った以上に熱狂的に受け取っていただいて、作って良かったと素直に思いました」と喜んでいた。

 原作の魚豊先生とは企画開発の段階から密なやりとりをしたそうで、松坂と染谷は対談を通して魚豊先生からの感想を直接聞いたという。松坂が「原作者、生みの親の方から漫画には出来ない表現をやってくれたと言っていただけたのは嬉しかった」と感激すれば、染谷も「漫画で出来なかったことを映画でやっていたとおっしゃってくれて、その言葉を聞けて嬉しかった」と原作者の太鼓判にニッコリ。

 実写映画のカメラを長回ししたような雨の高校全国大会決勝シーンの総作画枚数は約9,800枚にも及ぶというが、実際には「(発表した枚数は、)遠慮しています。細かく計算するのが面倒くさくて(笑)。厳密に言うととんでもない枚数になるので。遠慮している数字です」と岩井澤監督。松坂は「雨のシーンの作画だけで1年……。狂気ですよ!」と製作陣のこだわりに仰天しながら「観た時は鳥肌が立ちました。アニメでこんなカット見たことがないと。初めて味わう感覚で変な感じになった。アニメーションの可能性ってこんなにも広がるんだと。監督凄い! そしてスタッフの皆さん、お疲れ様でした」と最敬礼すると、岩井監督は「労う会みたいになっている……」と恥ずかしそうに笑った。

 本作はトガシと小宮による100mという競技に人生を懸けた二人の人間のドラマが陸上トラックで交差するという物語。そんな2人のユニホームの色にちなんで「トガシの赤」と「小宮の青」の札をあげて答える2択質問コーナーを実施した。

 「瞬発力タイプ(赤)」or「持久力タイプ(青)」との問いに松坂は「僕は持久力タイプ。う~んと思って悩んでばかりだから。悩みながらも最終的に自分の出来る事をコツコツやろう!に辿り着く」、染谷は「僕は瞬発力タイプ。自分では、やってみないと分からないタイプな気がします。よく分からなくてもよく分からないままやる!みたいな」。染谷の返答に松坂は「へ~!」と驚いていた。岩井澤監督は「持久力タイプ。それがなければアニメは出来ない」と実感を込めて笑いを誘った。

 勝負日の前日の過ごし方は「普段通り(赤)」「しっかり備える(青)」との問い。これに松坂は「しっかり備えると言いつつ、実際はただ単に心配性なだけです(笑)。普段通り過ごしたいけれど、クランクイン初日とかはソワソワして寝不足で初日を迎える。遠足前日の小学生のネガティブ版みたいな」と自己解析。

 一方、「その気持ち分かります!」と共感する染谷は「普段通り」と言いながら「自分も心配性で初日前日は眠れなくなるので、あえて普段通りに過ごそうと。カッコ良く言えば、劇中の海棠と同じく、現実逃避していますね」と照れ笑い。

 岩井澤監督も「普段通り」で「じたばたしても仕方がないから」と達観したかのように話すと、松坂は「僕もそういう心持になりたい……」と羨ましがっていた。

 続いては、燃えるのは「ライバルとの勝負(赤)」or「自分との勝負(青)」。これには3名とも「自分との勝負」で、松坂は「やろうとしている事を妨げるのは自分。妨げる自分にどれだけ打ち勝てるか。自分の敵は大体自分です」と断言し、岩井澤監督も「自分次第で結果は変わる」、染谷も「自分に打ち勝たないと前に進まない。自分と戦って勝てないとカメラ前に立てないという気持ち」と述べた。

 最後は、必要な存在は「ライバル(赤)」or「ロールモデル(青)」。これにも3名は青札をあげた。岩井澤監督は「素晴らしい先輩方や大監督の影響を受けてきたので、常に自分もそこに追いつこうと。そういうスタンスで作品を作っています」。松坂は「先輩とご一緒するだけで刺激をもらえますし、それだけで自分が気づけていなかった新しい扉を開くきっかけ、自分の可能性を開く一押しになるので」。染谷は「現場でお会いする方々、すべての作品がロールモデルです。たくさんの影響を受けているから」とそれぞれ謙虚だった。

 最後に駆けつけた観客に向けて、挨拶が送られた。染谷は「この作品は陸上をやられている方はもちろんですが、そうではない方にも日々の生活の中で心のひだに触れる表現が感じられる作品だと思います。それが積み重なってのラストの極上の10秒に繋がっていると感動しました」とアピール。松坂も「臨場感、緊張感、疾走感。これら全て味わえるのは映画館で鑑賞する本作だけです。繰り返し何度も極上の10秒を味わいに劇場に足を運んでいただけることを願っています」とロングランを祈願した。岩井澤監督も「映画館で没入感を出して観ていただけることを意識して作った作品です。映画館で上映してる限り、何度も劇場に足を運んでいただけたら嬉しいです」と呼び掛けていた。

公開表記

 配給:ポニーキャニオン/アスミック・エース
 大ヒット上映中!

(オフィシャル素材提供)

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